師走に入り、関東でも真冬並みの寒さを感じる日が増えてきた今日この頃。やはり温暖化が進んでいるのか、昔を思えばまだ生ぬるいとは感じてしまうが、確実に季節の移り変わりを感じられることへの感謝も日頃は忘れがち。一度立ち止まって深呼吸し、目の前の景色を想う心の安らぎはいつも持ち合わせていたいものだ。
この前どこかで、秩父鉄道に走る「デキ」という電気機関車が茶色に塗装変更され、まるでEF15だ!?との記述を読んだが、確かに車体色が茶色(実際EF15の茶色とは違って見える)になっただけで、現代のお若い鉄チャンにはEF15としてダブって見えるのだろう。デッキが付き貫通扉のある顔を持つ秩父の電機だが、アントンKには、どう転んでもそんな発想は出来なかった。アントンKにとっても、鉄道写真歴は、それなりに長くなってきてしまったが、EF15の現役時代には、武骨で地味な電機だったという印象だけが強く、率先して撮影に出た記憶はない。我々が蒸機現役時代を思うように、現代の鉄チャンたちも、国鉄時代に想いを馳せ、未だ現役のデキとEF15とをダブられているのだろう。やはり趣味は長く続けることが大切。その長い時間空間の中で、自らの心のより所が変化し、当時を懐かしみ、それまで出会った趣味人たちの顔が蘇ってくるのだ。そう、今にして思えば残された写真よりも、いつも身近に感じられた友人達に懐かしさや尊さを感じてしまう。これだけ継続できたのは、間違いなくその友人達の存在があるからに他ならない。これからもそんな尊い時間を少しでも長く持ちたいものである。
EF15の話題になったので、国鉄時代の上越線のシーンを掲載しておく。蒸機が走り今でもたまに出向くことのある上越線のこの区間。当時はまだ特急「とき」が現役だったが、ファンの姿は限られていて、あまり見かけなかった。渋川を出ていよいよ谷川岳越えへの序奏が始まり、深い山へと線路は切り込んでいく。もちろんメインは、水上-石打間のEF16の補機が付く区間だったが、群馬県側も好撮影地が点在していて好きな区間だった。この日は、冬型が強まり雪雲が谷川から流れ、チラチラ雪模様の肌寒い天気だった。今日あたり、この付近も冬景色になっていることだろうか。
1982-01-17 765 EF15152 上越線:上牧-水上