アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

在来線特急列車の思い出~583系

2023-09-16 08:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)
来年春、金沢まで伸びている北陸新幹線がついに敦賀まで延伸する。これで関東から福井・敦賀方面へ出向く場合、東海道~北陸経由一択だった選択肢が広がりを見せる。費用ベースだったら話は変わるだろうが、旅行する手段が増えることは、単純に良い事として考えられるようになった。
 思えば、在来線の優等列車の変遷は、新幹線の延伸とともに形成されてきた。最近ではアントンKも、新幹線のある日本の風土を美しく感じられる心を持てるようになったが、それによって失われた尊い情景を思い起こすと、いくばくかの切なさを感じてしまうこともよくある話である。
 そう思うと、東北・上越新幹線が誕生する前の華やかな在来線の列車たちがとても懐かしくなってくるのだ。当時よくよく出向いていた大宮駅の日常は、今思えば夢のようだが、引っ切り無しにやってくる特急列車、急行列車に目が回るくらいの感覚だったことを思い出している。沿線に撮影に出てもそうだ。次から次へやってくる列車たち全てにカメラは向けられず、フィルム消費を抑制しながら、撮影計画を立てたものだった。当時は、こうして目の前を通り過ぎる優等列車たちが消滅するという想いは無かったように思う。なかなか乗車さえ許されなかった特急列車への憧れ、カッコよさが見たい撮りたいという原動力だったように感じている。
 思い入れが深い東北特急列車。大好きだった赤べこED75とともに撮影に行った東北線を走る列車群は、アントンKにとっては鉄チャンの過渡期でも重要な時代だったのかも。こうして振り返ると、タイムスリップしたくなってしまうのだ。掲載写真は、貝田の下り坂を飛ばしてきた583系特急「はつかり2号」上野行き。13両編成の重厚な車体が軽々と目の前を駆け抜けていく。いつまでも見ていたい特別なシーンだった。

1982-03-17     22M     はつかり2号   東北本線:貝田-藤田