アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

CDに聴くカーチュン・ウォンのマーラー

2024-10-22 21:00:00 | 音楽/芸術
 この夏から話題にしているカーチュン・ウォンという若手指揮者。シンガポール出身でまだ30代だから、指揮者界でなくても若手となるだろう。世間の評価に踊らされて、一度彼のブルックナーを鑑賞するためホールに足を運んだのが運の尽き。予定には無かった半月後に演奏されるチャイコフスキーまで聴いてきた。そして来月は関西で演奏されるマーラーに行こうとチケットを手に入れたのである。
 長年音楽鑑賞をしてきて、ここまで聴いてみたい衝動に駆られる音楽家は、指揮者界で括れば、かつて音楽の道しるべとしてきた朝比奈隆以来のことかもしれない。
 彼の指揮で楽曲を聴くと、それまでアントンKの中に積み上げてきた楽曲のイメージが、さらに広がりを見せ、新たな発見、響きの世界を提示してくれるのだった。一言で言えば、実に面白い演奏なのである。たとえば、今回生演奏で聴いた楽曲は、録音も含めれば何十何百と聴いてきた楽曲のはずだが、まだ耳にしたことがないパッセージが全身に届き、そのたびにチキンスキン(鳥肌)がたち身体に電気が走る。なかなか出会えない演奏なのである。経歴を調べてみると、2016年にマーラー国際指揮者コンクールで優勝とあったので、やはり彼自身においてもマーラーの作品は特別な存在のはずで、是非ともカーチュンのマーラーには触れておきたいと思った次第。来月は関西に出向いてマーラー(第6交響曲「悲劇的」)を鑑賞してこようと思っている。
 その下調べではないが、今回同じマーラーでも第5交響曲のCDを手に入れて立て続けに毎日聴いている。2年前の定演のライブ録音のようだが、やはりアントンKがバーンスタイン、テンシュテット、インバル、そして若杉などで積み上げてきた第5の演奏とは、一味ともふた味とも違い、実に面白く新しい発見が多い。オケが日本フィルで、この録音では演奏が荒い箇所もあるが、そんな微々たることなど問題にならないくらい大きな演奏内容に感じている。緩急の自由度は凄まじく、グリッサンドの強調は聴いたことがなく、聴いているアントンKが燃えてくる。特に第二楽章後半の極端にブレーキをかけた後のTrbの雄叫びは聴いたことがない。そして何より感動的なのは、ロンドフィナーレのコーダの部分で、テンポを大きく動かして巨大な響きを構築しており、長年アントンKの理想としていた演奏がここにあったのだ。
 いずれ来月の演奏会も書き留めておくつもりだが、来年に向けてさらにどんなレパートリーを聴かせてくれるのか楽しみでならない。


東急7200系~晩年の活躍

2024-10-22 15:00:00 | 鉄道写真(EC)
 先日、大井川鐡道にて久しぶりに元東急7200系に乗車したので、昔撮影した画像を探してみた。
 孫と同様、アントンKもこの電車には当時から好んで乗車していた記憶があるが、撮影となると不思議とあまり覚えていない。多分それは、よく乗っていた東横線時代の画像ではなく、今思えば晩年の目蒲線時代のものだからだと思う。7000系に交じって急行運用でバンバン走っていた1970年代当時の写真はなく、乗車することだけで満足していたようだ。少しくらい写真に残しておけば良かったと思う後悔は毎度のこと。この手の想いは尽きないのである。
 掲載写真は、引退の噂が耳に届きだした頃の目蒲線運用の7200系電車。よく乗車した8両編成とは違い、半分の4連だから印象は薄かったのかもしれない。
 1998-10-03          東急7200系電車7201F  目蒲線 奥沢付近にて