国鉄時代末期(1983年~)頃から、次々に登場していった特別編成の列車たち。品川のサロンエクスプレス東京や宮原のサロンカーなにわを皮切りに全国へと広がりを見せた時代。世の中の好景気に支えられて、そして民営化され、各会社独自のアイディア満載の列車が現れ、客車に留まらず、電車や気動車の改造車まで次々と登場したのだった。ある意味、この手のお楽しみ列車、ジョイフルトレインの最終形は、ブルトレに組み込んで使われた「夢空間」編成だと思っているが、以降年々設定列車が減少の一途を辿ることとなる。
アントンKも、今にして思えば、最初は物珍しさが手伝って全国に撮影を展開したものだったが、時間とともに飽きが来てしまい、この手の臨時特別列車よりも、普段の何気ない表情の列車達の方に魅力を感じていった。それは今は亡きブルートレインであり、地方のローカル貨物列車のたたずまいだったのである。当時の絢爛豪華な列車達の記録を今こうして見返すと、確かに物珍しさは伝わるものの、あくまで表面的な想いにしか至らず、気持ちに深みを持てないのだ。特別列車を待つ間に撮影した、ごく在り来たりの列車達の方に、郷愁を感じ、不思議と懐かしさが込み上げてくるのである。写真に何を求めるのか・・・今のアントンKはそんな心境に陥っている。
掲載画像は、ご存知JR東日本の誇ったジョイフルトレイン「スーパーエクスプレスレインボー」が東海道を下っていくシーン。専用機関車を何台も用意され、当時の力の入れようが象徴されていたように思う。アントンKには、「何で直流機が赤?」「ここまでやるか・・・」といった冷めた印象だったことが思い出される。
1990-12-07 8103 EF65 1019 SER JR東日本/東海道本線:早川-根府川
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