かつては、客車列車に合わせた外観をもつ機関車が多数存在していた。古くはブルートレインけん引機だったEF65P型の特急塗装だろうが、今までに登場したいわゆる専用塗装、専用機機関車は結構な台数に上っていた。アントンKと言えば、昔からこの手の専用機という特別塗装機があまり好みではなく、取り立てて撮影に躍起になった記憶がない。それは、いつの時代もオリジナルがベストだと思えるからで、初見の印象はとても強烈に心に焼き付くということだろう。
ますます国鉄時代が遠のいて感じる今日この頃だが、民営化されて四半世紀が経とうとしているのだから当然だろうか。その民営化以降、多種多様な車輛が我々ファンの前にお目見えしたが、時代の流れに逆らえず、客車列車の衰退とともに専用機関車も次々と姿を消してしまった。そんな専用機関車を上げればキリがないが、現在も団体列車として運転されている「カシオペア」は、一時的にEF81にもEF510にも専用機を持っていたが、現在はどちらもけん引していないというレアなケースではないか。今専用機関車を望むのであれば、ほぼ壊滅状態の客車列車では望めず、強いて言えば、トヨタロングパスEXPをはじめとした荷主専用列車だろう。PRも兼ねてヘッドマーク装着、コンテナに合わせた機関車塗装で、幹線を驀進すれば、鉄道ファンならずとも話題に上り活気づくのではないか。今は単なる妄想だが、近い将来、そんなシーンが見られることを願いたいものだ。
掲載写真は、仙台の和式客車に合わせて生まれたED75の専用機関車。この和式客車は、オリエントサルーンと呼ばれ、12系客車の改造車だが、紅色のシックな外観が好まれ人気があったと思う。
1992-10-26 9523ㇾ ED75711 12系和式客車 JR東日本/東北本線:北白川付近
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