やはり鉄道写真駆け出しの時代、当時は鉄道模型に重きが置かれていた状況の中、181系特急電車に憧れ、是非とも撮影したいと思っていた。151系から始まる直流型特急電車は、いわゆるボンネット型特急で「こだま型」と称され、161系~181系とこの優雅なデザインは引き継がれた。交直流型の481系~489系にもボンネット型は存在したが、このボンネットの大きさは181系電車の方が大きかったことは、後年解ったことだった。
アントンKが撮影を意識し始めた当時、181系電車は、上越線「とき」、信越線「あさま」そして中央線「あずさ」の3系統走っていたが、横軽を往く181系「あさま」は記録できず、直前で後継の189系に代わってしまった。その代わり同じ長野電車区所属である「あずさ」用編成は、何度か撮影のチャンスがあった。数少ない特急「あずさ」の画像だが、今回は一番思い出深いものを掲載しておく。クハ181-3を先頭にした編成で、連結器上に狭軌最速163km/hのチャンピオンマークがあった車両だ。残念ながら、この時はすでにマークは剥がされていたが、181系の象徴とも言うべきボンネットを巻く赤帯がなく、スカートが元151系と同様長いままのスタイルで、運転席の前照灯こそ省略されているが、これぞ伝統のこだま型と憧れたものだ。当時よく通っていた「トリオ商会」という模型屋さんの前で撮影したこの写真は、アントンKの原点ともいうべき画像であり、褪色も酷く構図も褒められたものでは無いが、自身の宝の一つとして載せておく。
1975-04 13M あずさ13号 Tc181-3 中央東線:三鷹付近
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