アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

倶利伽羅に挑むブルトレ「北陸」

2014-07-13 20:00:00 | 10年前の足あと

近年は、寝台客車を使用した団体列車が増えている。それもそのはず、臨時列車用として使用する客車は、ほとんど姿を消し、一部のイベント用の客車を除くと、ダイヤ改正ごとに廃止され余剰となった24系統の寝台客車しかなくなっている。先日は、SL列車の間合いで旧型客車の団体列車が東海道を駆け抜けたが、今となっては珍しい光景に思え、随分時が流れたと、しみじみとしてしまった。

掲載写真の10年前は、まだ全国に寝台特急が残っていた時代。空虚さ漂う現在とは違って、まだ元気な雄姿を拝むことができた。この特急「北陸」は、運転区間が短いためか、深夜出発、早朝到着で、走行写真は非常に撮りにくかった。特に下り列車は、日の長い時期に狙おうとすると、完全逆光となり写真撮影は難儀した。毎年この時期、石川~富山には、この3001列車狙いで遠征していたが、中々納得できるものは撮影出来なかったように思う。写真は、そんな思いの中、倶利伽羅峠の山合いで撮影した時のもの。もう山影から朝日が上りそうになり、ひやひやした思い出深い1コマだ。現代のようなデジタルカメラがあったら、何てことない場面だろうが、当時は、必死に露出計片手に悩んだもの。懐かしい思い出だ。露出計なんて、ここ何年も使っていない。時代は変わるものである。

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2004(H16)-07-10       3001レ EF81144  北陸          JR西日本/北陸本線:倶利伽羅-石動


懐かしの井の頭線訪問記

2014-07-12 20:00:00 | 鉄道写真(私鉄)

数えてみたらこの京王井の頭線沿線を離れてから今年で20年以上の歳月が経っていた。幼少の頃、当然まだグリーンカーと言われた旧性能電車1800系~1900系、または直角カルダン制御の1000系が現役の時代である。

先日、梅雨空まっただ中の日曜日、井の頭線に乗る機会があった。当然、先頭車両でかぶり付き。昔の面影をたどって見た。走りゆく電車は、世代交代が進み、今は1000系という立派な20メートル電車。3000系のレインボーカラーはそのまま引き継いでいるようで相変わらず中々色合いが楽しい。そんな中、堀に紫陽花がたくさん咲いていた駅で途中下車。カメラを何年か振りで向けてみた。降りしきる雨の中、同色の1000系の交換にセピア色の光景が甦った。

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2014(H26)-06-22       京王1000系 1759F                 京王井の頭線:新代田


183系同時発車!

2014-07-09 20:00:00 | 鉄道写真(EC)

先週末、長野県のキャンペーンに合わせて「懐かしの~」シリーズが運転され、悪天候ながら撮影してきた。

今回のイベント列車は、篠ノ井線と大糸線とそれぞれ183系、189系の快速電車を走らせるといったもので、どちらにも「懐かしの~」という列車名が命名されている。そして何と言っても一番の見せ場は、松本駅をこの2列車が同時に発車して、しばらく並走する場面だろう。天気が良ければ、この2路線では、撮影したいポイントがたくさんあるが、こんな梅雨空では、そういった欲望は端から諦めて、この並走区間での撮影に徹することにした。とはいっても、ここぞと言える大した撮影ポイントはなく、何とか並走していることがわかるようなポイントを探すことに苦慮してしまった。

定刻、この2列車は、お互い歩幅を合わせるがごとく、ゆっくりとこちらに向かったきた。この特急型の同時発車、確か昔上野を同時に出る「ひばり」と「ひたち」があったと思うが、その時は、撮影する機会もなく、今回この手の撮影は今にしてお初ということになる。まあ別にどうってこともなく、「やらせ」の極致といえると思うが、逆に言えば、この地元長野支社の思い入れは、そうとうなものだということだろう。現場の職員さん達をみてそう思えた次第。

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2014(H26)-07-05    9381M「懐かしの大糸線189系」(N101) & 9271M「懐かしの篠ノ井線183系」(N104)

                                                                                                     JR東日本/北松本


列車接近!

2014-07-06 21:00:00 | 日記

このところのあまり中身のない多忙さに追い込まれて暫くご無沙汰してしまった。

瞬く間に7月に入り、梅雨明け前には色々片付けたいことが迫っていたためだ。今年はアントンKにとって悪いめぐり合わせの年。何事も慎重にならざるを得ないでいる。色々な想いを胸に前を向かなければいけない。

トンネルを抜け坂を上り詰めるED75のタンカートレイン。

ブルトレの撮影時に、その合間にやってきて撮影していた地味な貨物列車だ。長距離の特急貨物でもなくスターの優等列車の影で、黙々と仕事をこなしている姿に、そのひたむきさに心打たれる。そして、これまた影の実力者とでもいうべき鉄道マンにも同じ気持ちが沸いてきた。忘れていた1枚の写真を見て、どこか感傷的に・・・

写真の力は素晴らしい。

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2006(H18)-02-18        ED75124            JR東北本線


ミケランジェリの魔力

2014-07-05 20:00:00 | 音楽/芸術

やっとのことで、ミケランジェリの「皇帝」を入手した。

過去のライブ音源を正規のCDとして世に出してくれるAltusというレーベル。中々魅力的なCDを次々と発売してくれるので、アントンKも当初このレーベルが出来た時から注目していた。特に、自分自身が東京で聴いたコンサートのライブ音源をかなりクリアな音でCD化して発売した時は興奮したもの。印象に残っていた箇所が、明らかになったり、また逆にこんな風だったかな、とガッカリしたり・・いずれにせよ、懐かしくまた貴重な音源だろうと思う。

そんなAltusレーベルだが、今回は74年10月のミケランジェリとチェリビダッケとの共演の皇帝を手に入れた。この二人の巨匠、生前はどちらも録音嫌いで有名。特にピアニストのミケランジェリは、キャンセル魔としても有名だったよう。しかしそんな汚名を諸ともせず、ここに広がる音楽は、かつてないほど素晴らしい光景に飛んでいた。いかにもベートーヴェンを思わせる構成感にとんだ演奏とは一角をおいているが、ミケランジェリのデリケートな音色の皇帝は、この曲の素晴らしさを再認識させられる。チェリビダッケも、ピアニストに絶大な信頼を置いていることが聴いてとれる。いつもなら自己主張を伴う解釈も控えめであり、どちらかというと大人しい演奏といえる。しかし、晩年のスケールに負けないくらいの演奏内容で、特に第3楽章後半、ピアノとオケの掛け合いは、何とも興奮する一番の聴きどころだろう。もし機会があれば是非一度聴いてみて頂きたい。最初にブラームスの「悲劇的序曲」も入っている。

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ブラームス 悲劇的序曲 OP.81

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 OP.73 「皇帝」

セルジュ・チェリビダッケ指揮 フランス国立放送管弦楽団

アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ (ピアノ)

1974年10月16日 シャンゼリゼ劇場 ライブ録音  ALT285