近年は、寝台客車を使用した団体列車が増えている。それもそのはず、臨時列車用として使用する客車は、ほとんど姿を消し、一部のイベント用の客車を除くと、ダイヤ改正ごとに廃止され余剰となった24系統の寝台客車しかなくなっている。先日は、SL列車の間合いで旧型客車の団体列車が東海道を駆け抜けたが、今となっては珍しい光景に思え、随分時が流れたと、しみじみとしてしまった。
掲載写真の10年前は、まだ全国に寝台特急が残っていた時代。空虚さ漂う現在とは違って、まだ元気な雄姿を拝むことができた。この特急「北陸」は、運転区間が短いためか、深夜出発、早朝到着で、走行写真は非常に撮りにくかった。特に下り列車は、日の長い時期に狙おうとすると、完全逆光となり写真撮影は難儀した。毎年この時期、石川~富山には、この3001列車狙いで遠征していたが、中々納得できるものは撮影出来なかったように思う。写真は、そんな思いの中、倶利伽羅峠の山合いで撮影した時のもの。もう山影から朝日が上りそうになり、ひやひやした思い出深い1コマだ。現代のようなデジタルカメラがあったら、何てことない場面だろうが、当時は、必死に露出計片手に悩んだもの。懐かしい思い出だ。露出計なんて、ここ何年も使っていない。時代は変わるものである。
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2004(H16)-07-10 3001レ EF81144 北陸 JR西日本/北陸本線:倶利伽羅-石動