アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

吊り掛け電車 の記憶

2024-11-05 15:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)
 国鉄時代、旧型電車と言えば吊り掛け式制御の電車を指していたように思う。その吊り掛け式電車がほぼいなくなり、当時新性能電車と呼ばれていた電車が今や旧型電車と呼ばれている。車両の寿命を考えても40年以上時間が過ぎれば当たり前の話だが、自分に置き換えると、そんなに時間経過が感じられずにいる。案外、人生なんてあっという間に過ぎてしまうのかもしれない。
 アントンKにとって、吊り掛け電車で一番の思い出は、やはり幼少の時代に乗った京王帝都の緑色の電車たちだ。井の頭線のデハ1800・1900型は特に思い入れがある。油臭い黒い木の床が印象的で、床に物を落とすと油で汚れて凹んだ思い出も数々。でも、あの吊り掛け式のモーターの唸り音やジョイントからの振動は、今でも魅力的に感じとても懐かしく思い出される。
 同じ吊り掛け電車の国鉄73系鶴見線を掲載。この形式は番台によって個性が異なり、形態も様々、とても把握できなかった想いがあるが、左側のクモハ73289は原形顔で好印象だった。今の鶴見線には、最新鋭のE131系が走っているのだから隔世の感である。
 1978-09      鶴見線  国道駅にて

今は亡きハイテク・ロコが牽く新車回送~EF200

2024-11-01 14:00:00 | 鉄道写真(EL)
 いつの時代にも、工場からの新車輸送、譲渡、廃車といった目的で運転される臨時列車が存在している。情報時代の現代では、SNSを駆使してチョチョイと運転日を調べることは簡単になったが、黒電話や紙の時代ではなかなか遭遇出来ず、偶然に見かけることがほとんどだったように思う。そして鉄道ファン人口が増大したのか、機関車ファンが多いのか、単に「ネタ」物の珍しい列車が好きなのか、とにかく今ではカメラ小僧が溢れているのだ。
 確かに珍しい被写体は、写欲を掻き立てるものの、時間軸から考察すると日常のありふれた光景の方が、時間が経ってからの心の熟成が深いと思っている。アントンKもかつて珍しい臨時列車には写欲をそそられ全国を旅した時期もあったが、30~40年時間が過ぎた今見返してみると、余白に撮影していた定期列車たちの方が懐かしく当時を忍ぶことができるのだ。
 掲載写真のEF200型も、現在はすでに引退していて見ることはできないが、こんな新車輸送の姿よりも、当時の長大なコンテナを牽き、軽々とやってくるたくましい姿が懐かしく思えてしまうのである。これはアントンKだけかもしれないが、数年前からそんな想いがしており、何気ない日常の鉄道風景にも目配りして撮影に出ている。