杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

君への誓い

2012年12月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年6月1日公開 アメリカ 104分

親しい友人たちに囲まれ、結婚式を挙げたレオ(チャニング・テイタム)とペイジ(レイチェル・マクアダムス)。だが、幸せな新婚生活も束の間、交通事故でペイジは記憶を失ってしまう。レオと出会ってからの数年間がスッポリ空白となり、夫であるレオは彼女にとって見知らぬ人に。戸惑うペイジを切なく見つめるレオ。彼女の記憶が戻らないと悟ったレオは、出会いからやり直すことを決意し、ペイジに恋のアプローチを開始する。しかし、そんな2人の前にペイジの両親や元婚約者が立ちはだかり……。(Movie Walkerより)


愛する人が自分のことを忘れてしまったら・・・切な過ぎます
逆に記憶が全く無いのに「この人があなたの夫です」と言われてもやっぱり戸惑うわけで・・。

ペイジの記憶が戻らないなら、もう一度初めからやり直せばいいんだというレオのポジティブさが救いです。周囲の人間が二人にあれこれ手を出し口を出し、トラブル発生の王道の展開となっていくけれど、最後に愛は勝つ

事故でなくても、アルツハイマーなどの病気や老化で記憶がなくなることだってありえるわけで、その時に乗り越えられるかはやはり二人の(というよりどちらか一人でも強い思いがあれば良いのですが)気持ち次第でしょうか。

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サラの鍵

2012年12月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2011年12月17日公開 フランス 111分

夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、45歳で待望の二人目の妊娠を果たす。しかし夫ベルトランから、思いもよらぬ反対を受け人生の岐路に立たされる。そんな中、アウシュヴィッツに送られた家族を取材するうちに、夫の両親から譲り受けて住んでいる古いアパートのかつての住人が、1942年のパリのユダヤ人迫害事件でアウシシュビッツに送られたユダヤ人で、一家の10歳の長女サラ(メリュジーヌ・マヤンス)が収容所から脱走していたことを知ったジュリアは、サラの足跡を取材することを決める。


現代と1942年の出来事が織り交ぜられながら物語が進んでいきます。

一斉検挙の朝、すぐに戻れると思っていたサラは弟ミシェルを納戸に隠して鍵をかけますが、そのまま収容所に送られて驚愕します。弟を助けるため脱走したサラは、親切なデュフォール夫妻に助けられて、夫妻の孫「息子」を装ってアパートに戻るのですが、そこには既にテザック家が暮らしていました。強引に部屋に上がり込んで納戸の鍵を開けたサラが見たのは・・・弟ミシェルの無惨な姿でした。
ただ弟を助けようとして取った行動が、最愛の弟の命を奪う結果になってしまったことを知ったサラのあまりにも深い絶望感を思うと胸がえぐられるような切なさを感じます。

このことはテザック家の主人とその幼い息子エドゥアルド、デュフォール夫妻だけの秘密として公表されることはなく、サラはデュフォール夫妻の孫娘として育てられるのですが、成長したある日、何も言わずに家を出て行ってしまうの。

デュフォール夫妻にはサラと兄弟同然に育った孫息子のニコラもいました。彼の娘を取材して、サラがニューヨークに渡り結婚したことを聞いたジュリアは、ニューヨークに向かいます。この時既にジュリアは堕胎しないことを決意しています。しかしサラは40年も前に交通事故で亡くなっていました。彼女の1人息子ウィリアムが妻子とイタリアで暮らしていることを知ったジュリアは、ウィリアムに会いに行くのですが、母の出自も過去の悲劇も何も知らされていなかったウィリアムは、話を聞くことを頑なに拒むの。他人から一方的に告げられる真実なんて余計なお世話だと気付き、ジュリアは自分の傲慢さを思い知ります。ジュリアが去った後、ウィリアムは死期の近い父から、母が事故ではなく鬱病で自殺したという事実と、母の過去の悲劇を初めて知らされ、母の遺品の日記を受け取るのです。

サラが息子に何も語らなかった心情は察するにあまりあります。息子の中に死なせてしまった弟の面影を見ることもあったでしょう。どれだけ時が経っても癒えない傷口がサラの心を蝕み遂には滅ぼしてしまったのでしょう

そして2年後。娘を生み、夫と別れてニューヨークで2人の娘と暮らしているジュリアのもとに、ウィリアムから会いたいと連絡が来ます。母の本当の姿を知ることができたこと、そのことで父が穏やかに死を迎えることができたことを報告するウィリアムに、ジュリアは2年前に初めて会った際の自分の傲慢さを詫びるの。ウィリアムに二人目の娘の名を尋ねられたジュリアは「サラ」と答えます。ウィリアムの涙は、サラと名付けたジュリアの思いを感じ取った感激からだったのでしょうか。

派手な戦争シーンや収容所の酷さを描いたりという直接的表現はありませんが、それだけにより静かに深い憤りと悲しみを感じさせる作品です。

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