2012年12月21日公開 イギリス 158分
王政が復活し、格差と貧困にあえぐ民衆が自由を求めて立ちあがろうとしていた19世紀のフランス。ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、パンを盗んだ罪で19年間投獄され、仮釈放されたものの生活に行き詰まり、再び盗みを働く。しかし、その罪を見逃し赦してくれた司教(コルム・ウィルキンソン)の慈悲に触れ、身も心も生まれ変わろうと決意する。8年後、マドレーヌと名前を変え工場主として成功を収め、モントルイユの町で市長の地位に上り詰めたバルジャンは、警官のジャベール(ラッセル・クロウ)と再会し動揺する。工場を解雇されて娘を養うお金の工面に困り身を落としたファンテーヌ(アン・ハサウェイ)を救ったバルジャンだったが、「バルジャン逮捕」の知らせを耳にして法廷で自分の正体を明かし再び追われることになる。ファンテーヌから彼女の幼い娘コゼットを託されていたバルジャンは、安宿を営むあくどいテナルディエ夫婦(サシャ・バロン・コーエン、ヘレナ・ボナム・カーター)に大金を渡しコゼットを引き取ると、ジャベールの追跡をかわしてパリへ逃亡し、かつて馬車の下敷きになっていたところを助けた男(スティーブン・テート)の計らいで修道院に匿われる。9年後、バルジャンが限りない愛を注ぎ美しい娘に成長したコゼットは、パリの下町で革命を志すマリウス(エディ・レッドメイン)と恋に落ちる。だが学生たちが蜂起する事件が勃発し・・・。
ヴィクトル・ユゴーの小説が原作のミュージカル作品の映画化です。
まさに全編が歌・歌・歌のオンパレード。ミュージカルは基本的に苦手ですが、キャストの見事な歌声に圧倒され、狭い劇場の舞台とは一味違う映画ならではの映像に引き込まれ、気付けば3時間飽きることなく楽しめました。ちなみに舞台は一度も観たことがありません
子供時代に読んだ時には脇役に思いを馳せることはなかったけれど、今改めて映画で物語に触れて心に残ったのは、むしろエポニーヌ(サマンサ・バークス)の報われないと知りながらも懸命にマリウスを想う片恋の切なさや、バルジャンに助けられたことで、自分の善悪の価値観が崩れ混乱するジャベールの慟哭だったりします。
宿屋の夫婦はずる賢く世の中を立ち回る小悪党として描かれていますが、何故か憎めない愛嬌がありました。彼らの登場シーンはテンポがよくてリズミカルで、客たちから金品を巻き上げる様もコミカルです。本を読んだ時はただ「悪い人たち」という印象だったので、これは映像娯楽としての脚色でしょうけれど、彼らの登場シーンはけっこう好きかも
映画の冒頭で、バルジャンの腕力が強調されるエピソードが出てきますが、市長になった彼と再会したジャベールがバルジャンを疑い始めるのも、馬車の下敷きになった男を助ける時の年齢に似合わぬ怪力なんですね~
そしてこの時助けた男が後に彼とコゼットを助けてくれるという。まさに情けは人のためならず
学生たちの蜂起は失敗に終わり、怪我をして意識を失ったマリウスを助けたのもバルジャン。この地下下水道の逃亡劇にもテナルディエが登場するのはご愛敬?そして学生たちに身分がばれて囚われていたところをバルジャンに助けられたジャベールが二人を見逃すことになるのは彼にとって「借り」を返す必要があったから。でもそのことで自分の正義が崩れてしまったジャベールは苦悩と絶望の末に自殺してしまうのでした。でも・・キリスト教って自殺NGなんだよね?
彼は法に忠実だっただけ。でもその内側に息づく人間の感情を封殺して生きてきたこと自体が彼の罪ということなのかもしれませんね。
マリウスの心の傷はコゼットが埋め、二人の結婚を許したバルジャンはマリウスに自分の過去を告白し独り姿を消します。やがてバルジャンに死が訪れる時、それは三人の再会の時でもありました。そして(亡き)ファンティーヌの導きで神の御許に召されるバルジャン・・・
この最期の瞬間、バルジャンは全てに許されて笑顔で旅立ちます
バルジャンが身分証を破り捨て新たな自分に生まれ変わることを誓う「独白」
娼婦に身を落としたファンテーヌが歌う「夢やぶれて」
叶わぬ想いを抱いて歌うエポニーヌの「オン・マイ・オウン」
学生たちが歌う「民衆の歌」
傷心のマリウスの「カフェ・ソング」
などなど、ミュージカルですから、それぞれの歌も胸を震わせます。
撮影テイクごとに実際に歌うという手法が演技と歌の相乗効果を引き出しているのですね。
子役たちも大人顔負けの演技力です。
幼いコゼット(イザベル・アレン)の可憐な愛らしさはもちろん、少年ガブローシュ(ダニエル・ハトルストーン)の健気さに胸を射ぬかれてしまった~~
王政が復活し、格差と貧困にあえぐ民衆が自由を求めて立ちあがろうとしていた19世紀のフランス。ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、パンを盗んだ罪で19年間投獄され、仮釈放されたものの生活に行き詰まり、再び盗みを働く。しかし、その罪を見逃し赦してくれた司教(コルム・ウィルキンソン)の慈悲に触れ、身も心も生まれ変わろうと決意する。8年後、マドレーヌと名前を変え工場主として成功を収め、モントルイユの町で市長の地位に上り詰めたバルジャンは、警官のジャベール(ラッセル・クロウ)と再会し動揺する。工場を解雇されて娘を養うお金の工面に困り身を落としたファンテーヌ(アン・ハサウェイ)を救ったバルジャンだったが、「バルジャン逮捕」の知らせを耳にして法廷で自分の正体を明かし再び追われることになる。ファンテーヌから彼女の幼い娘コゼットを託されていたバルジャンは、安宿を営むあくどいテナルディエ夫婦(サシャ・バロン・コーエン、ヘレナ・ボナム・カーター)に大金を渡しコゼットを引き取ると、ジャベールの追跡をかわしてパリへ逃亡し、かつて馬車の下敷きになっていたところを助けた男(スティーブン・テート)の計らいで修道院に匿われる。9年後、バルジャンが限りない愛を注ぎ美しい娘に成長したコゼットは、パリの下町で革命を志すマリウス(エディ・レッドメイン)と恋に落ちる。だが学生たちが蜂起する事件が勃発し・・・。
ヴィクトル・ユゴーの小説が原作のミュージカル作品の映画化です。
まさに全編が歌・歌・歌のオンパレード。ミュージカルは基本的に苦手ですが、キャストの見事な歌声に圧倒され、狭い劇場の舞台とは一味違う映画ならではの映像に引き込まれ、気付けば3時間飽きることなく楽しめました。ちなみに舞台は一度も観たことがありません

子供時代に読んだ時には脇役に思いを馳せることはなかったけれど、今改めて映画で物語に触れて心に残ったのは、むしろエポニーヌ(サマンサ・バークス)の報われないと知りながらも懸命にマリウスを想う片恋の切なさや、バルジャンに助けられたことで、自分の善悪の価値観が崩れ混乱するジャベールの慟哭だったりします。
宿屋の夫婦はずる賢く世の中を立ち回る小悪党として描かれていますが、何故か憎めない愛嬌がありました。彼らの登場シーンはテンポがよくてリズミカルで、客たちから金品を巻き上げる様もコミカルです。本を読んだ時はただ「悪い人たち」という印象だったので、これは映像娯楽としての脚色でしょうけれど、彼らの登場シーンはけっこう好きかも

映画の冒頭で、バルジャンの腕力が強調されるエピソードが出てきますが、市長になった彼と再会したジャベールがバルジャンを疑い始めるのも、馬車の下敷きになった男を助ける時の年齢に似合わぬ怪力なんですね~


学生たちの蜂起は失敗に終わり、怪我をして意識を失ったマリウスを助けたのもバルジャン。この地下下水道の逃亡劇にもテナルディエが登場するのはご愛敬?そして学生たちに身分がばれて囚われていたところをバルジャンに助けられたジャベールが二人を見逃すことになるのは彼にとって「借り」を返す必要があったから。でもそのことで自分の正義が崩れてしまったジャベールは苦悩と絶望の末に自殺してしまうのでした。でも・・キリスト教って自殺NGなんだよね?
彼は法に忠実だっただけ。でもその内側に息づく人間の感情を封殺して生きてきたこと自体が彼の罪ということなのかもしれませんね。
マリウスの心の傷はコゼットが埋め、二人の結婚を許したバルジャンはマリウスに自分の過去を告白し独り姿を消します。やがてバルジャンに死が訪れる時、それは三人の再会の時でもありました。そして(亡き)ファンティーヌの導きで神の御許に召されるバルジャン・・・
この最期の瞬間、バルジャンは全てに許されて笑顔で旅立ちます

バルジャンが身分証を破り捨て新たな自分に生まれ変わることを誓う「独白」
娼婦に身を落としたファンテーヌが歌う「夢やぶれて」
叶わぬ想いを抱いて歌うエポニーヌの「オン・マイ・オウン」
学生たちが歌う「民衆の歌」
傷心のマリウスの「カフェ・ソング」
などなど、ミュージカルですから、それぞれの歌も胸を震わせます。
撮影テイクごとに実際に歌うという手法が演技と歌の相乗効果を引き出しているのですね。

子役たちも大人顔負けの演技力です。
幼いコゼット(イザベル・アレン)の可憐な愛らしさはもちろん、少年ガブローシュ(ダニエル・ハトルストーン)の健気さに胸を射ぬかれてしまった~~
