杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

007 スカイフォール

2012年12月12日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2012年12月1日公開 イギリス/アメリカ 143分

「007」ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、アシスタントのイヴ(ナオミ・ハリス)と共にトルコでの作戦に参加していたが、同僚の工作員が殺され、NATOの諜報部員の情報が記録されているハードドライブが奪われてしまう。実行犯のフランス人傭兵パトリスを列車の上に追い詰めたボンドだが、M(ジュディ・デンチ)の指令で狙撃したイヴの銃弾がボンドに当たり峡谷に落下。当局は彼を死亡と推定する。
三か月後、情報安全委員会の新委員長マロリー(レイフ・ファインズ)から引退を勧められたMはこれを拒絶するが、その直後MのPCがハッキングされMI6本部が爆破し多くの犠牲者が出る。ニュースを目にしたボンドは療養を切り上げロンドンに戻り復帰テストに臨む。結果から彼の復帰に懐疑的なマロリーを抑え、Mはボンドの職務復帰を承認する。ボンドは自身の被弾した弾丸の破片からパトリスを特定し、上海で格闘の末に彼を倒し、所持品にあったカジノのチップを手掛かりにマカオへ向かい、謎の女性・セヴリン(ベレニス・マーロウ)に接触し懐柔する。彼女の雇い主のいる島に向かった二人は囚われの身となり、島でラウル・シルヴァ(ハビエル・バルデム)と対面する。元MI6エージェントだったシルヴァは、香港支局勤務時に中国当局に捕らわれ、見捨てられた事でMを深く恨んでいた。セヴリンは殺されたものの、シルヴァは捕らえられ部に連行される。しかしシルヴァは新任の兵器開発課長・Q(ベン・ウィショー)がシルヴァのパソコンを調査している際に脱走しロンドンの地下鉄に逃げ込み、政府の公聴会に出席中のMを襲撃する。間一髪のところで駆け付けたボンドは、Mを車で連れ去り、愛車アストン・マーチンDB5に乗り換えて、スコットランドの彼の生家「スカイフォール」へ連れていく。シルヴァを誘いこみ撃退するために、ボンド家の猟場管理人キンケイド(アルバート・フィニー)とともに罠を家中に仕掛けた3人は、第一襲撃グループを撃退するが、Mは負傷、ボンドはMとキンケイドを秘密のトンネルに逃がし、ヘリで乗りこんできたシルヴァを迎え撃つが・・・。

ダニエル=ボンドの前2作とは独立した内容で、どちらかというと時代が進んで現役としては少し薹が立ったボンドという印象です。このシリーズでは初めてQが登場しますが、彼の設定は歴代のキャラより若く、ボンド曰く「ニキビの目立つ若者」です。 今回の武器は本人認証機能付きワルサーと発信機。(かつてのシリーズの花型武器である)ペン型爆弾など古いと一蹴する今時の若者のQとボンドのコンタクト場面が新旧の世代のギャップを感じさせるコミカルさがあって楽しかったです。

Mは任務のためなら部下の犠牲も厭わない上司ですが、彼女とボンドの間には確かな信頼関係が構築されています。それに比べて今回の敵であるシルヴァとMの関係は彼の一方的なMへの愛憎が生んだ行動で、子供が母の愛を独占したがるような幼さに思えて憐れさを感じました。
そういう意味では世界の危機を救うような派手さはない作品です。

とはいえ、中年とは思えないアクションの数々は素晴らしい出来栄えですし、お約束の美女との戯れやマカオでの登場シーンなどはスマートな美しさがあり目を楽しませてくれました。凍った湖のシーンはあの年じゃ絶対心臓麻痺を起すか、そうならないまでも体が動かなくなりそうに思えるけど、そこはまぁボンドですからねぇ

今回はボンドの生家として「スカイフォール」の古い館が登場します。かつての華やぎは影を潜めてはいるもののその気品は損なわず、この館が壊滅状態になる銃撃戦は何だか哀しかったなぁ。 

シルヴァとボンドの違いは実はMへの信頼度の違いと、彼らの任務への忠実度の違いだったのかしらん?私欲のないボンドと己が虚栄心に負けたシルヴァという印象です。
Mは実はけっこう幸せな女性なのかも

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