2016年1月30日公開 アメリカ 123分 R15+指定
アメリカのサウスボストンで育ったジェームズ・バルジャーとその弟ビリー、二人の幼なじみジョン・コノリーは、やがてギャング、政治家、FBI捜査官とそれぞれの道に進んでいった。コノリー(ジョエル・エドガートン)はイタリア系マフィアの撲滅させるために彼らと抗争中のジェームズ(ジョニー・デップ)に敵の情報を流すよう持ちかける。FBIとの密約を利用し敵の組織を壊滅に追い込み、犯罪帝国を築くジェームズ。そしてビリー(ベネディクト・カンバーバッチ)もまたジェームズの力を借り権力を握る。利害を一致させ手を組む彼らの関係は、アメリカ史上最悪の汚職事件に発展していく。(Movie Walkerより)
ジョニー・デップが、あらゆる犯罪に手を染めアメリカ史上最も冷酷残忍な凶悪犯で、FBI最重要指名手配犯として史上最高200万ドル(約2億4000万円)の懸賞金をかけられたジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーを演じたクライムドラマです。本国公開時、ジョニーを初めとする俳優陣の演技に対する評価が高かったそうですが、確かに見事に悪人を演じきったジョニーに脱帽です。
でも後味は決して楽しいものではないなぁ。ジョニーファンだけど一度観たら十分かな
ビジュアルも薄毛オールバックに革ジャンの冷酷なギャングだし。
1970年代から語られるのですが、当時のジミーは既に中年の域です。恋人のダコタ(リンゼイ・シール)と遅くできた子供を愛し、近所のお年寄りにも親切な姿は良き家庭人のように映るけれど、息子が学校で喧嘩した話をすると、彼は「殴るなら人が見ていないところでしろ」と教えます。おぃおぃ!それは父親としてダメでしょ
基本的にこの人は善人ではないのだと示唆されるエピソードでした。
やがて息子が風邪を引いてアスピリンを投与されたことによるライ症候群(副作用ですね)で脳死状態になり死亡すると、彼は人が変わったようになっていきます。元々の凶暴性が息子の死で歯止めが効かなくなったかのようにも見えます。脳死状態の息子に耐えられず延命装置を外したいというダコタに冷たい怒りをぶつけるジミーの姿も怖かった~~
FBIに入り頭角を現しつつあったジョンは、イタリアンマフィア壊滅のために幼馴染のジミーに近づきますが、友達のビリーの兄である彼に憧れてもいたんですね。ミイラ取りがミイラになったというか、ジミーの方が一枚上手だったというか、大した情報も得られずどんどん深みにはまっていっているのにそれすら気付かない構図はとっても不気味です。
肉親に対する愛情の深さとは逆に、裏切り者に対する仕打ちの苛烈さは半端なく、赦した振りをしたその一瞬後に容赦なく手を下す手口の冷酷さには寒気を覚えます。
ジミーを嫌うジョンの妻マリアンヌ(ジュリアン・ニコルソン)に相対した時の表情や仕草には底に透けてみえる酷薄さに、背筋を冷たいものが流れました。ハイテンションな殺人鬼より物静かな狂気の方が遥かに厄介ですね
遂にジミーの罪やジョンとの関係が暴かれる時がきて、彼は逃亡生活に入ります。
弟のビリーは終始二人とは距離を置いた関係に見えました。それでもプライベートでは家族仲が良い様子が描かれています。事件が明るみに出た後も彼の人望は揺るがなかったようです。
昔の仲間がジミーを裏切って告発するなか、コノリーが最後まで彼を庇い口を割らなかったのも印象的でした。その忠誠心を別の方向に生かせば良かったのにねぇ
少なくともコノリーにとって妻はジミーより守る価値が低かったわけで・・・。その辺はちょっとやりきれなかったです。
最後は密告により逮捕されるシーンなのですが、既に白髪になり年老いた姿がチラッと映し出されてエンドロールとなります。十数年も逃亡生活を続けられたこと自体も驚異です。
アメリカのサウスボストンで育ったジェームズ・バルジャーとその弟ビリー、二人の幼なじみジョン・コノリーは、やがてギャング、政治家、FBI捜査官とそれぞれの道に進んでいった。コノリー(ジョエル・エドガートン)はイタリア系マフィアの撲滅させるために彼らと抗争中のジェームズ(ジョニー・デップ)に敵の情報を流すよう持ちかける。FBIとの密約を利用し敵の組織を壊滅に追い込み、犯罪帝国を築くジェームズ。そしてビリー(ベネディクト・カンバーバッチ)もまたジェームズの力を借り権力を握る。利害を一致させ手を組む彼らの関係は、アメリカ史上最悪の汚職事件に発展していく。(Movie Walkerより)
ジョニー・デップが、あらゆる犯罪に手を染めアメリカ史上最も冷酷残忍な凶悪犯で、FBI最重要指名手配犯として史上最高200万ドル(約2億4000万円)の懸賞金をかけられたジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーを演じたクライムドラマです。本国公開時、ジョニーを初めとする俳優陣の演技に対する評価が高かったそうですが、確かに見事に悪人を演じきったジョニーに脱帽です。


1970年代から語られるのですが、当時のジミーは既に中年の域です。恋人のダコタ(リンゼイ・シール)と遅くできた子供を愛し、近所のお年寄りにも親切な姿は良き家庭人のように映るけれど、息子が学校で喧嘩した話をすると、彼は「殴るなら人が見ていないところでしろ」と教えます。おぃおぃ!それは父親としてダメでしょ


やがて息子が風邪を引いてアスピリンを投与されたことによるライ症候群(副作用ですね)で脳死状態になり死亡すると、彼は人が変わったようになっていきます。元々の凶暴性が息子の死で歯止めが効かなくなったかのようにも見えます。脳死状態の息子に耐えられず延命装置を外したいというダコタに冷たい怒りをぶつけるジミーの姿も怖かった~~

FBIに入り頭角を現しつつあったジョンは、イタリアンマフィア壊滅のために幼馴染のジミーに近づきますが、友達のビリーの兄である彼に憧れてもいたんですね。ミイラ取りがミイラになったというか、ジミーの方が一枚上手だったというか、大した情報も得られずどんどん深みにはまっていっているのにそれすら気付かない構図はとっても不気味です。

肉親に対する愛情の深さとは逆に、裏切り者に対する仕打ちの苛烈さは半端なく、赦した振りをしたその一瞬後に容赦なく手を下す手口の冷酷さには寒気を覚えます。


遂にジミーの罪やジョンとの関係が暴かれる時がきて、彼は逃亡生活に入ります。
弟のビリーは終始二人とは距離を置いた関係に見えました。それでもプライベートでは家族仲が良い様子が描かれています。事件が明るみに出た後も彼の人望は揺るがなかったようです。
昔の仲間がジミーを裏切って告発するなか、コノリーが最後まで彼を庇い口を割らなかったのも印象的でした。その忠誠心を別の方向に生かせば良かったのにねぇ


最後は密告により逮捕されるシーンなのですが、既に白髪になり年老いた姿がチラッと映し出されてエンドロールとなります。十数年も逃亡生活を続けられたこと自体も驚異です。
