杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

マニカルニカ ジャーンシーの女王

2020年06月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2020年1月3日公開 インド 148分 PG12

ヴァラナシで僧侶の娘に生まれたマニカルニカ(カンガナー・ラーナーウト)は、ビトゥールの宰相に育てられ、幼い時から武士階級の男子同様に剣や弓、乗馬を習って成長した。その勇敢な行動を見かけたジャーンシー藩王国の大臣から、藩王ガンガーダル・ラーオ(ジーシュ・セーングプタ)との縁談が持ち込まれ、やがてマニカルニカはジャーンシーに嫁ぐ。藩王は彼女にラクシュミーという名を与え、マニカルニカは人々からラクシュミー・バーイーと呼ばれて親しまれる。しかし、生まれた王子は夭折し、親戚の幼い男児を養子に迎えたものの、間もなく藩王が病死してしまう。その機に乗じてイギリスは藩王国を併合、ラクシュミーは城を後にする。だが1857年にインド大反乱が勃発すると、ラクシュミーも呼応して蜂起、国のため、民のため、戦いの場へと歩を進める!(公式HPより)

 

1857年の「インド大反乱」で、北インド中部のジャーンシーの女王ラクシュミー・バーイーは、自ら兵を率いて勇猛果敢に戦い、”インドのジャンヌ・ダルク”と称えられて愛国の英雄として今も人々に敬愛されています。その実在の女性指導者の活躍を描いたスペタクルアクション作品です。インドの歴史については詳しくないのですが、イギリスに搾取されてきたことは何となく知っていました。マニカルニカは、そんな祖国を何とかイギリスから独立させようと奮闘した女王のようです。

映画のマニカルニカは、望まれて藩王と結婚します。イギリスに気圧され現実逃避していた彼は、妻の毅然とした姿と国を思う愛情を目の当たりにして変わっていきます。しかしどんな国でも王位を狙う簒奪者はいるもの、イギリスにおもねる簒奪者の計略が徐々に二人を追い詰めていきます。息子が生まれ幸福の絶頂にあったマニカルニカでしたが、その子が早逝し、夫も病で亡くなると、王宮を追われてしまうのです。

彼女の凄いのは、身の程を知っていたこと。一人で歴史を変えようとしたのではなく、他の国や民衆の心をまとめて一つにしようとした点です。それは一代でできることではないことも覚悟の上で、自らを犠牲にする覚悟を持って臨んだことでもありました。

映画は、彼女の決意を象徴するかのように、過激な戦いのシーンがふんだんに盛り込まれています。戦士としての彼女は勇猛果敢で男に引けをとりません。逆に、王宮での彼女は、華やかな衣装と宝飾品を身にまとい、美しい姿で目を楽しませてくれます。そのギャップも印象的でした。

それにしても、敵役のイギリス将校たちの何と傲慢で憎たらしいこと!植民地であるインドとその民を蔑み人とも思わぬ態度に辟易します。そういう風に作られてはいることは承知の上ですが、この映画をイギリス人が観たらどんな感想になるのかなと思ってしまいました


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