2019年10月11日公開 イギリス 117分 G
イギリスの小さな海辺の町で暮らすシンガーソングライターのジャック(ヒメーシュ・パテル)は、幼なじみの親友エリー(リリー・ジェームズ)から献身的に支えられているものの全く売れず、音楽で有名になる夢を諦めかけていた。そんなある日、世界規模の瞬間的な停電が発生し、ジャックは交通事故で昏睡状態に陥ってしまう。目を覚ますとそこは、史上最も有名なはずのバンド「ザ・ビートルズ」が存在しない世界になっていた。彼らの名曲を覚えているのは世界でただひとり、ジャックだけで……。(映画.comより)
表題の「イエスタディ」を始め「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」「ヘイ・ジュード」など誰もが知る「ザ・ビートルズ」の名曲の数々に乗せて描かれたコメディです。 ジャックの父のジェッドと母のシェリアを演じたサンジーヴ・バスカーとミーア・サイアルは実生活でも本当の夫婦なんだそう
2人のコメディアンぶりも笑えて楽しかったです。ジェームズ・コーデンもトーク番組の司会者役(本人)で登場しています。
快気祝いで集まった友人からプレゼントされたギターでビートルズの「イエスタディ」を弾いたら、誰もビートルズを知らなかったのに驚いたジャックは、ネットで「ビートルズ」を検索しますが全くヒットしません。何故か「ビートルズ」は世界に存在しておらず、彼等の名曲を覚えているのはジャックだけだと気付いた彼は、自作と称して成り上がろうとするんですね。
地元で無料で配ったCDが評判となりTV番組に出演したジャックを見て、エド・シーラン(本人)がモスクワでのライブの前座として採用したいとやってきます。数学教師のエリーが仕事優先と断ったので、友人のロッキー(ジョエル・フライ・・これがなかなかKYなヤツ)を伴いモスクワへ行ったジャックはエドのエージェントのデブラ(ケイト・マッキノン)に認められて契約を結びます。エリーと別れロサンゼルスに移り、アルバムのレコーディングを開始するものの、いくらファンでも完璧に覚えているわけじゃないので歌詞が思いつかず困ったジャックは、インスピレーションを得るためビートルズの故郷のリヴァプールに行き、ストロベリー・フィールド、ペニー・レイン、エリナー・リグビーの墓を訪れます。ホテルでエリーと再会するも、関係を修復することはできませんでした。
アルバムのタイトルに提案した「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」「ホワイト・アルバム」「アビイ・ロード」は却下され、「One Man Only」にされてしまったジャックはアルバム発売の告知をイギリスのゴ―レストンの「ピア・ホテル」屋上でしたいと言います。実はここはジャックとエリーにとって思い出のある場所なのですが、この時エリーは恋人ができたと告げるの
黄色い潜水艦(イエロー・サブマリンですね)のオモチャを持って楽屋にやってきた2人レオ(モスクワのライブにいた男性)とリズ(リヴァプールでジャックを目撃した女性)に盗作がばれたと青ざめるジャックですが、彼等はビートルズの存在を覚えていて、ジャックがビートルズがいない世界でビートルズの楽曲を世界に発信したことに感謝していました。(まぁ、ビートルズの存在を知らない世界で盗作を訴えたところで相手にされるはずもないんだけど ここは2人が純粋にビートルズを愛するファンだということ、ファン心理を描いている場面ですね。)
2人から渡されたメモに書かれた住所を訪れたジャックは、ミュージシャンにならなかったため暗殺を免れた78歳のジョン・レノン(ロバート・カーライル)と会います。船員として働き、平凡ながら愛する女性と結ばれ幸福な人生を送ったというジョンの話を聞いて、本当の幸せに気付いたジャックは、エドのライブに飛び入り参加を願い出て、演奏後にエリーに愛を告白し、観客に真実を伝えてネットに楽曲をアップロードして無料公開すると宣言します。 これを知って激怒するデブラがちょっと滑稽
やっぱり愛は全てに勝るのね。エリーの恋人ってば良い人過ぎ!でもちゃんと次のお相手が出来そうでしたが
富や名声を全て投げ打ち、音楽教師に復職したジャックはエリーと結婚して2人の子供を授かり幸せな生活を送りましたとさ。
- 本当は夢でした、とか、パラレルワールドに迷い込んだとかじゃなくて、本当に「ビートルズ」が存在しない世界のまま終わったのが逆に新鮮。ジョン・レノンが登場したのにも驚きましたが、ヨーコはどうしたぁぁ?