杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

余命90分の男

2022年04月15日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2015年1月12日公開 アメリカ 83分

常に不機嫌で怒ってばかりいるため周囲から嫌われている中年男性ヘンリー(ロビン・ウィリアムズ)。病院で重い病気を宣告されて怒りまくるヘンリーにうんざりした女性医師シャロン(ミラ・クニス)は、余命があと90分しかないと出まかせを言ってしまう。ショックのあまり病院を飛び出したヘンリーは、これまでに失った幸せを取り戻そうとニューヨークの街を駆けまわる。一方、我に返ったシャロンは慌ててヘンリーを探そうとする。(映画.comより)

 

1997年のイスラエル映画「Mar Baum(The 92 Minutes Of Mr. Baum)」のリメイク作品で、ロビン・ウィリアムズ最後の主演映画です。

余命が90分しかないと宣告された嫌われ者の男が、人生を取り戻すべく奔走するを描いたハートフルコメディなのですが、いつも温和なイメージのロビンがほぼ怒りまくり、切れまくりの主人公を演じていて、まずそこに驚きます

彼の不機嫌の原因は長男を事故で失ったことから来ているようです。それまでは家族思いの優しく陽気な性格だったのに、常に何かに対して怒りを抱え、妻や次男とも距離が出来てしまっているヘンリーは、ある日交差点でタクシーとトラブルになります。訪れた病院で長時間待たされた挙句、主治医不在にキレた彼は、シャロンに対しても暴言を吐きまくります。不倫や愛猫の死で精神不安定になっていた彼女は怒涛のクレームにパニクり、余命を教えろと迫るヘンリーにキレてつい「90分」だと言ってしまいます。飛び出して行った彼を見て我に返りますが、ヘンリーは見つからず、途方に暮れながらも彼を探して病院に連れ戻そうとするシャロン。

一方、ヘンリーは弟アーロン(ピーター・ディンクレイジ)と顧客(彼も出席する筈だった)の前に現れて「もし余命を宣告されたら何をするか」と問います。「家族と過ごす」の答えを聞いて俄然その気になったヘンリーですが、妻(メリッサ・レオ)も息子のトミー(ヘイミッシュ・リンクレイター)も突然の態度に困惑し拒否してしまいます。

シャロンはアーロンとヘンリーの妻に事情を話し、何とかヘンリーを捕まえようとしますが、その都度すれ違ってしまうのね 

本当はトミーと一緒に仕事をしたかったヘンリーでしたが、彼がダンスの道を選んだことを許せずにいました。長男の死も受け止めきれずに何故自分だけが不幸に見舞われるのかと憤る彼はどんどん偏屈になっていったのです。せめてトミーに愛していると告げようと考えたヘンリーは、ビデオカメラを買い(吃音の店主を侮辱するシーンはでしたが)メッセージを録画するも、思わず怒りをぶつけてしまいます。我に返った彼は自殺しようと、昔トミーと訪れた橋にやってきます。そこにシャロンがやっと追いついて説得しますがそれを拒否して彼は飛び降りてしまうの。

川に浮かぶ彼を必死に岸に引き上げるシャロン。(あの高さで無事なわけないぞ)どうしてもトミーに会いにいくというヘンリーに協力することにしてタクシーを拾いますが、これが件の事故の相手で一悶着のあと、タクシーを奪って逃走する二人。おいおい!!

警官に止められても何とか切り抜け、トミーと会って言葉を交わした(ダンスもね)ヘンリーは、大人しく入院して8日後に穏やかに息を引き取ったのでした。その間彼は一度も怒ることなく家族と過ごしたのです。脳動脈瘤破裂って突然やってくるんじゃなかったかな?

シャロンは不倫を清算し病院を辞め、職場を変わり、新たな恋をしました。お相手はアーロンです

家族が集まりヘンリーの遺灰をあの川に撒く一行は、誰何した船員?に口々に暴言を浴びせます。その様子はまるでヘンリーが乗り移ったかのよう

もし自分の死期がわかるとしたら、何をしたいかなぁ?思わず自分に問いかけたくなりました。


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