杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

流浪の皇女 グイン・サーガ144

2022年04月16日 | 

五代ゆう(著) ハヤカワ文庫

ワルスタット侯夫人アクテとその子らが監禁されているとは知らず、ワルスタット城を訪れたリギアやマリウスたちはラカント一味に囚われはするが、リギアは単身、脱出を画策する。一方、ヤガを支配する《新しきミロク》勢力だが、ブランやイェライシャ、そしてミロクの二人の高僧の予想外の活躍によって、その力に徐々にかげりが見えてきていた。さらに一方、苦難の旅を続けるシルヴィアを、流浪の先で待ち受けるものは?

 

第一話 追うもの追われるもの

ドリアン王子を攫った者たちの正体が明かされます…と言ってもその黒幕はまだ伏せられたまま。キタイというより沿海州の誰かのように思えるけど・・・。かなり初期、モンゴールの騎士アストリアスや、イシュトに父親を殺されたミロク教徒のアリサ、ノスフェラスで死んだマルス伯爵の息子が再登場。懐かしいな~~ ナリス様にいいように踊らされ(ヴァレちゃんも確か噛んでたのよね)、長い間虜囚にあった彼は、モンゴール再興というより、ただただアムネリスへの想いからこの計画に加わったようですが、途中から、自分が何のために動いているのか疑問を持ち始めているようです。幼い王子の瞳にアムネリスの瞳が重なり、彼の胸に去来する想いも複雑に揺れます。それにしても声を発しない王子の精神状態はかなり不安要素。

一方、グラチ爺さんとスカール、ウーラは王子の足跡を追うためイシュタールへ進入。スーティは宿で「一回休み」ね。ウーラが人間の男に化けられるって・・・前にもあったっけ?覚えてない 敵にすれば何とも厄介な爺だけど、味方ならけっこう役に立ちますね。

第二話 ワルスタットの客

グイン登場!といっても、回想としてアクテ夫人の部屋でのラカントとのやりとりが前回と数ページ被ってるのはいただけないかも

不甲斐ないマリウスは早々に捕らえられていたブロンたちと一緒に監禁されますが、薬を盛られているので体も頭も働かない様子。まぁ、まともであっても戦力にはならないんだけどね。

グインの名を耳にした途端、リギアの気力復活です。夫人の長男に抜け道を教えてもらい、再び塔を脱出して城門に駆け付けグインへ危険を知らせます。アンテーヌから父の命を受け、姉を救いにやってきたアウルス・アラン一行とグイン・アウロラたちも合流し、いよいよ陰謀が暴かれるか・・・というところで「続く」なのね

第三話 聖都騒乱

ババヤガの大暴走で大神殿は完全崩壊です。イェライシャが全員を神殿の外に転送しようとしますが、ブランとスカールがこぼれ落ち神殿内に取り残され、そこで最早人間の擬態もできなくなったカン・レイゼンモンロンと最後の戦いに。長い年月人に擬態していた彼は感情に流され大きな失敗をした挙句、知性を失っています。(元のあるべき姿に戻ったというべきか)神殿の奥深くに彼がこの地にやってきた時からある装置が眠っていましたが、ババヤガの力の暴走でこちらも暴走を始めたという・・・これって核起爆装置みたいなもの?

一方、二人の御僧は相変わらずの独自の感覚でヤロールの前に立ち説教を始めますが、パニクってる彼に通じるわけもない 片腕失って正気に返るのかはまだ不明です。

流石のイェライシャもこの二人には苦笑するしかない。ジャミーラたちに対してはあっさり対処しちゃうんですけどね。ただただうるさいだけの凡庸なトリオも、それぞれ「夢」の世界では幸せなのかも。ババヤガを正気に返したイェライシャですが、ヤガの人々を鎮めたのはアニルッダの言葉と祈りですね。

第四話 流浪の皇女

正体不明の騎士に攫われたシルヴィアが連れて来られたのはどうやらパロの王宮内。もちろん影で糸引くのはあのお方のようです。一体いつになったら姿を現すのやら。彼女の行方を追うパリスとユリウスも王都へ足を踏み入れますが、そこで目にしたのは何千と眠る竜騎兵の群れ。ぞっとするなぁ 

事ここに至ってさすがに不安になったフェリシアが幽閉されているレムスに愚痴る場面で次巻へ。レムスの無気力さ、虚無感も半端ないけれど、この先覚醒してパロ復興の力になるのかしらん?


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