
10月の公演も終わり、秋の夜長を楽しもうと先日DVDを借りたのですが…
ハロウィンイベントの影響で目につく映画がゾンビやホラー系のものばかり(^^;
単純な僕は狼男とヴァンパイアの映画を借りました。
2本とも知らない作品でしたが、
偶然にどちらも自分の意思で変身や凶暴化をコントロールしようとする物語でした。
「怪物にはなりたくないんだ…」と言って。
これって狼男やヴァンパイアだけじゃなく、人間にも言えることだなって思ったんです。
変身したり、空を飛んだり、そんなファンタジックなことは現実にはありませんが、
怒りや、悲しみ、妬み、恐怖に陥った精神を、
葛藤の末に自制するってことは誰にでもありますもんね。
ふと『ハンコック』という映画を思い出しました。
制御不可能なパワーを持て余し、人々から厄介者扱いされているヒーローの話。
ある人物が捨て鉢なハンコックに言います。
「自分を偽るな、自分がヒーローであることを受け入れろ」
「理解されず非難されるから君は背を向けているだけだ。その悪循環を断ち切れ!」
と。
きれいごと?
そう思うかも知れませんが、これも人間に言えることだなって。
「理解されていない」という気持ちから人は他者に背を向け、
やがて「理解されたい自分」と「理解を求めない自分」のどちらが本当の自分なのか分らなくなる。
自分を偽らずに受け入れるって、なかなか簡単じゃないなと思います。
ちなみに【ネタバレ注意→】物語後半で「神様が人類に与えた保険」というような言葉が出て来ます。
世界中どこを探しても狼男やヴァンパイヤやハンコックはいませんが、
神様が人類に与えた保険なら実際にあるような気がしました。
それは、私達人間、一人一人の心の中にある優しくて強い何かだと。
きれいごとでしょうか?
少なくともモンスターとヒーローというような反対・矛盾する二つの命題(テーゼ)を、
誰もが心の中に持ち合わせているのは確かだと思いました。