モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

帳をおろす

2013-02-01 11:44:00 | 大人 油絵・アクリル
Naganuma_04
長沼 油彩

あ、ここはよく行く!という方も多いかも?綱島街道沿いから見た、武蔵小杉のタワーマンション群と手前のレストランなどが入った建物のある風景です。

今回は水曜午前大人クラス長沼さんの作品をご紹介します。
この風景、実はもうすぐ見られなくなってしまいます。新しいマンションが建つので手前の建物は取り壊されるのですね。元々決まっていたらしいのですが、馴染んだ風景が消えていくのはちょっと寂しいものですよね。ということで、キャンバスに残しましょう!

実はこの作品、完成間近に劇的に変化しました。
元々はピンクに染まった夕焼けの空だったのですが、手前の建物をじっくりと描いていくうちに画面がくどくなりすぎてしまいました。(小原先生曰く、砂糖菓子に生クリームが乗っかって甘すぎる!?)
そこで思い切って場面を夜に変更。あえて輪郭も見えなくなるほど空に紫や緑と混色した黒を重ねました。闇との対比で、じんわりと暖かく惹き付けられる明かりが強調されてとても美しいです。合間に透けて見える元の夕焼けの色が闇に奥行きを与えていますね。
見せたいものをしっかりと見せるため、時には引き算が必要になります。せっかく描いたんだし…という思いを抑えて一歩引いて見ると、その絵、モチーフを表すためのより良い手段が見えてきます。大分煮詰まってきたけどあと一声…という時、冷静に作品を見るには一週置いてみるのがやっぱり一番でしょうか。次の週に外からアトリエの窓に飾ってある自分の絵を見ると、なんで今まで気付かなかったんだろう?という所を見つけたりすることって、よくありますよね。
今回のこの作品も、妥協せずに真っ向から取り組んでいった賜物ですね。人工の光がとっても美しく、この風景の新たな魅力を教えて頂いた気がします。

ちなみに…。空となるとゴッホのように渦巻きやうねりを入れたくなっちゃうから、抑えるのが大変だわ~と夜空を描きながらおっしゃっていた長沼さん(わかる~)パワー全開で今度は川の水面にリターンマッチを挑みます。期待が高まる!庄司でした♪

コメント (4)
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