モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

聖なる土地

2013-02-08 11:46:00 | 大人 油絵・アクリル
Kamai_06釜井 油彩

庄司です。今週の水曜午前クラスは、雪のちらほら降る中での授業でした。でも授業の終わるお昼にはすっかり雨になっていましたから、よかったよかった…。

今回ご紹介するのは水曜午前大人クラスより釜井さんの油絵です。
海外を沢山見ていらっしゃる釜井さん、行く先々で撮った素敵な写真も沢山!今回はその中から、アリゾナ州セドナの赤い岩山を有する迫力の景観を描きました。
セドナという土地は古くよりネイティブアメリカンの聖地なのだそうです。燃えるような赤の岩山からは、地に根ざした力強さが伝わってきます。その力強さ、雄大さを描くため、岩肌の荒々しさを表すにはうってつけのペインティングナイフを使いました。ナイフだと絵具を盛り上げて擦り付けたり、少しずらして持ち上げることでマーブルのような模様を出したり、筆では出せない絶妙なマチエールをつけることが出来ます。そんなペインティングナイフには勢いと大胆の速攻勝負が似合います。こちらの岩山も一週の内にビシッときまっていました。ナイフで描く時は特にモチーフを大まかに捉える力が必要ですが、釜井さんのナイフ使いを見るとセンスをお持ちのように感じます!
ということでちょっとズーム…。
Kamai_07_3そして今回釜井さんの拘りどころは、『空』です!前回のホテルの絵について展覧会の講評で岩田先生に、「空は手を抜きましたね?」と見破られてしまい、絶対唸らせたい!と、画面にも大きく取り入れました。空の下地をレモンイエローにすることで、空がより明るく鮮やかに見えています。そして何よりも雲のタッチががらりと変わりました。何本も筆を持ち替えてピンクや緑も薄く入れていく、描きすぎてしまったら少し抑えて主張しすぎないように…と細心の注意を払って描かれているのが分かります。その様子からは穏やかでありながらも沸き上がる情熱と風を感じます。手前の町の木々も空からの眩しい日差しを感じさせます。

眼下に広がる景色、実際にその場所に立ち、空気と日差しを体感したからこそ描ける絵なのでしょう。釜井さんによるとセドナは近年パワースポットとしても人気だそうです。この作品を見ているとそれも納得してしまう、見る者に力を与えてくれる絵となりましたね!

コメント
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