
庄司です。先週の大人宴会では沢山の方と楽しくお話しさせて頂きありがとうございました。いい気分で飲み過ぎてしまい、3日くらいお酒が抜けない様な気分でした。聞きしに勝るミオスの宴会…。
さて今回は水曜午前大人クラスより釜井さんの作品をご紹介します。
サンフランシスコのゴールデンゲートブリッヂ(金門橋)にかかる霧の風景を描かれました。映画などでもよく見るこの橋ですが、夏など一瞬にして向こうが見えなくなるほど濃い霧がかかり、その光景がまた見事なのだそうです。
今回のメインは橋にかかる『霧』。はじめは白一色で入れてその上から、パステル調のピンクや紫、黄色などをのせていきます。絵の具を置いては布で拭い取って…を繰り返し、かすかに向こうが透けて見えるなんとも美しい霧が完成しました。ほとんど絵具を取ってしまったのでは?というくらいに拭いとって、絵肌にうっすらと残る色を重ねることにより、ほのかな色味が柔らかさを感じさせます。布についた絵具も頬紅のようにトントンと柔らかく叩き込むようにして、筆では出ないタッチを作り出していきます。海の荒々しいタッチとの差も、サンフランシスコの強い風とそれにより運ばれてくる霧の勢いを感じさせますね。空の光を湛えたライム色も、第2の故郷と言うほどにその土地で暮らして空気を感じて過ごされた作者だからこそ描ける色ではないかと感じます。
今回釜井さんは向こう岸の山並みなどの霧で見えなくなってしまう部分にもしっかりと手を入れて、絵としての力強さを確立させました。全体に大まかに色をのせたらすぐにでも霧にも手をつけたくなりますが、そこを抑えて金門橋を着実に描いていきます。鈍い赤の色が重さを感じさせる橋も、何度も赤を作り拘りました。見えないところだからと疎かにしてしまえば、中身を感じさせない絵になってしまいます。隠れてしまうところもしっかりと描くことにより説得力のある力強い作品になりました。美しく映える橋と柔らかい霧の流れは、お互いをより引き立てていますね。1枚ごとに新しい表現を着実にものにしていく釜井さん、次回も期待が高まります。
ちなみに…金門橋が出てくる映画なら、スティーブ・マックイーン主演のカーアクション映画『ブリット』が釜井さんオススメとのことですので、ぜひご覧になってみて下さい。こんな絶景、走り抜けてみたいものです!