
橋本 色鉛筆
絵の表現において子どもの絵は大人から見ると天才であります。しかし世の中の仕組みを知るようになり徐々に自由な想像力や表現力が失われていき、多くの人に美しいと認められるような平凡な絵に変わっていきます。

ところが橋本さん(彼女が養護学校に通う高校生の頃からの付き合いなので、普段は幸子ちゃんと呼んでいます。)の絵はどうでしょう?
日本庭園の写真集から右のこの写真を選び、こんなにも豊かで、こんなにも空想の世界を広げることができるなんて!この絵を見ると、私は絵を描く喜びを大分昔に忘れ去ってしまったと気付かされます。
テーマは常に『虹色に輝く幸せ』。橋本さんの揺らぐことのない絵の世界です。
この世界が出来てゆく様を、18年間も見ていれられた私は幸せ者です。

学生クラスの一場面。こんなアホなことをやりながら私に「のり先生、中学の時チョー馬鹿だったって言ってたじゃん。でもさー美大に行くのだって勉強しなきゃ合格できないって聞いたけど、じゃあいつ頑張ったの?」と聞くので、「高校生の時、絵の予備校に行く時間を塾で削りたくなくて、親に土下座して家庭教師雇ってもらった。そこで人生で一番勉強した。」と答えると、いきなり真顔で「のり先生が高校生の時勉強してなかったら、アトリエは存在しなかったって事で、そうしたら俺は幸介先生やのり先生に会えなかったんだよね?のり先生、高校の時頑張ってくれてありがとう!」と深々と頭を下げるので、また幸せ者度MAX。今日は申し訳ない言葉をもらってしまいました。 オバラ