
どうも、幸介です!本日ご紹介するのは、大人クラスより斉藤さんの作品。細かく繊細に作業をすすめる斉藤さんは、なんと昨年の5月から制作を開始しております。その本作が丸1年かけて完成いたしました!!油彩や日本画ならまだしも、色鉛筆画で一年も制作に耐えれるのは斉藤さんぐらいでしょうか…そんな作品の紹介です。
ハロウィンに飾る予定で描き始めた本作。背景の暗い藍色にぼんやりと発光するかのように浮き出る洋館。怪しく月の光に照らされています。夜間で屋外の自然光の風景画ですが、少し空想画的な風合いも混ざっていますね。何もかも空想で描くよりも、建物のパースやバランスなどをリアルに描写することで怪奇な雰囲気がより一層出ているのではないでしょうか。背景の藍色と補色のオレンジ系統でモチーフを描くことによって、立体感も増しています。建物のなまなましさを、そこに乗るトーンを限定された色彩で妖艶に見せているのですね。
実は本作のモチーフにした建物はディズニーシーにあるタワーオブテラー。御自身で撮ってきた写真を見ながらの作成でしたが、ディズニーランドなどにある建物は目の錯覚を利用して「高く見えるように」建てられているそうです。上階に行く程小さく、先細りのように建てられているので、肉眼で見上げると実際の高さよりも大きく高く見えるわけですね。ライティングも光源を見せないような工夫がなされています。そういった騙し絵のような建物ですので、これを通常の風景画で描くように描いても、なかなか上手くいかないのです。斉藤さんも建物の形を取るのに苦労したのではなかいかと思います。
建物も月面も描いては消し、の繰り返し。今作は制作期間1年ですが、しかしちゃんとハロウィンにも間に合わせる事ての完成です。斉藤さんはご自身で「制作が長くなる」と自分のスタイルを把握し、展覧会などのイベントに飾る作品も、たっぷりと余裕を持って納品されています。これが大人の仕事、という訳ですね!?
何歳になっても締め切りギリギリでの納品になる僕は(夜の締め切り=翌朝の締め切りだと思ってます…)、斉藤さんの爪の垢でも煎じて飲むべきなのでは!?と思いました……今度余裕を持って制作する方法を斉藤さんに教えてもらおうと思います!!
田中幸介