髙橋 油彩
水曜午前クラスの高橋さんは、入会当初から律義に1枚油彩を描いたら、1枚鉛筆デッサンをするというように、真摯に絵に取り組まれている方です。(そして毎週きっちり5分前にアトリエに入室される真面目な方です。)そんな高橋さんを体現されたかのように、作品の方もキッチリとした油絵に仕上がっていますね。隙の無い密度は観る人に自然と背筋を伸ばしてしまうような、心地よい緊張感を与えてくれます。
手前の木々には様々な色が使用され、単純に黒や青とは言えない複雑な色合いに仕上げられています。どんな色が使われているのかな?と、探せば探すほど作品の世界に引き込まれていってしまいますね。少々形を崩し抽象的に描かれた手前の木々に対し、奥の富士山は具象的に描かれています。異なる表現が一つの画面で組み合わさっており、日本人には見慣れたはずの富士の風景も、不思議な雰囲気を纏っていて面白いですね。また空のエメラルドグリーンもオシャレで素敵ですね!手前は色を沢山乗せて重くなっている分、空はサラッと仕上げられているので画面全体のバランスも取れています。シンプルに見えて、近付いてよく見てみると沢山の工夫や魅力が見えてくる作品ですね。 大竹