大西 鉛筆
岩田です。今回は土曜午後クラス、大西さんの作品です。
こちらはお手持ちの資料からの模写。古い建物の前に鎮座する甕と郵便ポストがとても印象的な写真です。田舎の建物というより、都会の喧騒の中、路地を入るとそこにひっそり建っているといった佇まいを感じます。
甕の上には打ち水用の柄杓、画面左手には朝顔棚と今に残る江戸の風情を感じさせてくれます。数寄屋門を潜ったところに矢竹のような細めの竹が見えます。笹の葉が密集していて描くのにはかなりの根気が試されます。
こうしたものを鉛筆を削りつつ描くのは大変。そこで今回は、笹の葉だけではなく木目の描写などもシャープペンシルを使って描いているのです。削る手間が省けるとこうした緻密なものも描くのが楽しくなってくるものです。
大西さん、今昔拘わらず色々な建物を鉛筆で模写されています。時に線の曲がりも許さぬような直線ばかりの近代的なビル、かたや今回のようなクラシックな古びた家屋。こうした経験がご自身で描かれているイラストにもきっと活きてくるでしょう。これからはデッサンをベースに透明水彩などの色を使って描いてみるのも良いと思います。