モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

多年の一瞬

2020-03-06 00:46:51 | 大人 デッサン


鈴木 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、鈴木さんの油彩です。熊川哲也のカルメンのポスターを見て制作された30号の大作です!美術館や大学では見慣れた大きさでしたが、アトリエで見るとより大きく感じますねー!

 動きを感じられるポーズや服の皺の表情すばらしいですね。描いては消し直しては消しを何度も繰り返してここまで辿り着かれています。時間と共に重ねられたさまざまな色により、一目で12週間で作られた画面ではないと分かります。暗い部分は美しい深みが感じられ、それに引き立てられるスポットライトの光がドラマチックに舞台の二人を際立たせます。映像では一瞬のシーンでも、絵画になるとその一瞬を沢山の時間をかけて再現、作り上げていける事が面白いですよね。ただ、納得する形が見えて来ずに時間だけが過ぎていくと、その絵に向かう事自体が嫌になってしまうものですが、鈴木さんは辛くなろうともこの絵に向き合い続けておられました。その姿勢にはもはや拍手よりも畏怖の念から思わず手を合わせてしまいます。私は上手くいかない絵があると、別の絵に逃げたり投げ出したりしてしまう学生でしたから…)完成された時も、完成というよりも開放という感覚を感じられていたのではないでしょうか?

開放後の鈴木さんが次はどんな作品に囚われてしまうのか、講師側としては楽しみでもあります。作品から気持ち良く開放されるよう、少しでもお手伝いできましたら幸いです。

コメント
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