モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

ギラギラの作品

2023-02-07 18:36:17 | 小学生 絵画

冬服の重さで肩こりが無限になっています。ホノカです。
今回のブログでは小学生クラス1月のカリキュラムである『銀箔画』について、そのやり方をご説明します!これまでも小学生クラスで日本画の仕上げに小さい箔を貼って仕上げる事はありましたが、全面を箔で覆うことはなかったためかなり新しい挑戦だったのではないでしょうか。

箔を貼る(銀箔・赤黒両面色違いボード・椿油・箔糊・ベビーパウダー)

まず、箔を貼るために上記の材料を用意しました。今回カリキュラムの実施にあたり、実際に銀箔を貼るテストを行った所、先生であっても銀箔を破れや欠けがない状態で完璧に貼ることが難しかったため、あえて銀箔が貼れていない箇所があっても良いように、赤と黒の表裏で色がついているボードの好きな面を選び、箔を貼りました。
貼り方は、銀箔と、その上に銀箔一枚ごとに入っている薄紙を重ねて、脱脂綿などで椿油を少しずつ付けます。そうすることで、油の力で銀箔と薄紙が仮止めされるため、箔を持ち上げることができます。箔は単体で持つと静電気ですぐに手にくっついてしまったり、ちぎれてしまうため薄紙に仮止めすることで扱いやすくしています。そして、ボードに箔糊をたっぷりと塗り、薄紙ごと銀箔を持ち上げて貼り付けます。銀箔に触れる時にはベビーパウダーを手や箸につけてサラサラの状態にすることで、くっつきを防止できるので常に側に置いておきましょう。


赤に貼った銀箔・黒に貼った銀箔 / 銀の変色防止剤貼付 / 椿・山茶花の描き方説明

そして箔を貼ったものが上の写真です。チラリと見えるボードの色が違うだけで印象も変わってきますね。また、銀は年月と共に、空気中の微量な硫化水素と反応して硫化してしまい黒く変色します。酸化による変色を完全に防ぐことはできませんが、少し遅らせることができる変色防止剤(液体)を2回塗ります。しかし銀箔はいくら薄いと言っても金属なので、水分ははじかれてしまいます。そのため、2回に分けてしっかりと重ね塗りしていきます。
変色防止剤を塗っている間に椿や山茶花の下書きをしていきます。椿も山茶花もおしべとめしべの部分が特徴的です。また、花びらもそれらを囲うように湯呑みのような立体感をしているため、よく観察しながら下書きを進めます。


花のスケッチ / 日本画用カーボン紙『念紙』 / 銀箔ボードに絵を写す

下書きは日本画らしく、できれば1本の線でしっかりと描きましょう。下書きが完成したら、配置を決めて「念紙」を使って箔を貼ったボードに写していきます。黒い普通のカーボン紙でも実験しましたが、鉛筆の凹みができるだけで銀の上には黒い線は写りませんでした。不思議。


水色の念紙なので薄くしか写らない / 下描きと照らし合わせながら油性ペンでなぞる / 胡粉入りジェッソでぼってり盛り上げ

念紙で写した線は水色なことに加えて、銀箔が光を反射するので、角度によってはその線が見えないほどになります。そのため、油性ペンで線をなぞり、下書きの線が見えやすいようにしていきます。そしてなぞった線を踏まないように塗り絵の要領で胡粉入りのジェッソを塗ります。水彩絵具は粘度が低いため、完成後にせっかく塗った絵の具が割れてしまわないように、下地としてジェッソを塗っています。

先述のように今回は子供用水彩絵具を使用したので、ひび割れないでジェッソに食いつきを良くするように、水彩絵具にアクリル用ペインティングメジウムを混ぜながら塗っていきました。赤をベースとして、黄色を混ぜて朱色の、青色を混ぜて渋い赤で、同じ赤系の花でも少しずつ違った印象の作品ができましたね!

銀箔を貼るのが大変だったことももうかなり前の記憶になってしまったかもですが、なかなかできない体験ぜひ色んなところで見せびらかしてください!

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