大坪 金箔・アクリル/水貼りしたパネル
いつもよりたった2、3日短いだけであっという間に2月も最後の日でした、ホノカです。
今回のブログでは大坪さんの金箔画をご紹介します。
作品の中では見ごろの桜が咲きほこり、これからの春を感じさせてくれる暖かみがあります。こちらはパネルに画用紙を水張りした後に、金箔を全面に貼り、その上にアクリルで花を描きました。
空の色が透けているような花びらの色合いがとても綺麗です。一般的に桜からイメージできる薄桃や白といった色だけでなく、紫や水色などの寒色系の色があることで、明度の高い色の中にも影が生まれ花びらの丸い立体感を感じられます。
桜の繊細さがなかなか出ずに何度も描き直されていましたが、その調整の甲斐あって実際に見た時に、花びら一枚一枚がその薄い触り心地を思い出せるくらいでした。
また、中心の花粉部分に濃い赤系の色が入ることで主張の強い金を抑えているように思います。写真からも分かるように、箔は生で見ると光を強く反射して非常に主張が強く感じます。そのため、近づいて描いていても、途中で鑑賞する距離まで離れて見てあげることで、完成した際にせっかく描いたモチーフが埋もれてしまうことを防げます。
大坪さんもこちらを描かれている時はこまめに壁に作品をかけて、全体のバランスを確認されていたことが印象に残っています。この確認があったことで、金が派手な主張をするのでは無く、上品な輝きとして作品を引き立てています。
そして写真では見えづらくなっていますが、サインもご自身でデザインされたもので仕上げています。日本画風な作品に合わせて、はんこの様に四角に納めたサインは大坪さんの丁寧なこだわりを感じます。
この作品はお知り合いの方の新築祝いに、額装してプレゼントされるとのこと。季節もちょうど桜の時期が近づいてきています。飾られた時には素敵な春の息吹が吹き込みそうです。