海良 高2 鉛筆・色鉛筆
昨日のナツメ先生も書いていましたが、秋花粉によって女子とは思えぬ鼻のかみ方になっているマユカです。本日は海良の作品をご紹介していきたいと思います!
凛と佇むワニの横顔。その目はじっと前方を見つめています。狙いを定められた獲物のようにドキリとしてしまう作品です。
この絵は展覧会の際に、プリントして海良のポストに張られていたため、このブログを読んでくださっている方の中には見覚えがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
はじめはデッサンのようにして、鉛筆のみで描き上げようとしていたのですが、それでは少し物足りないということで、瞳にのみ鮮やかなエメラルドグリーンを配色しました。虹彩の混ざりやグラデーションが丁寧に乗せられているため、まるで宝石のような発色が素敵ですね。それによって、目に吸い寄せられるように視線が誘導され、全体的に見どころが多々ある絵が散漫にならず、しっかりとまとめられています。
海良は絵の細部にまでこだわり、小さなうろこすら一枚一枚描けるほど集中力が高い人です。そのため全体的に見どころが出来て整っているのに、立体感が薄く見えてしまったり、どこに注目していいか分からなくなってしまうことがあります。そんな時、周りとは違うポイントを一つ作ってあげるだけでも視線を操ることが出来ます。今回の作品も、目から鼻にかけてのでこぼこや模様やとげとげとした表皮など、細かく描かれている部分に注目させるために、まずは目に視線を持って来させ、そのそばにある『見どころ』に誘導させました。
また背景が無くても…と、いうより、背景が無い方がよりワニの魅力が伝わる為、あえて描きませんでした。細部まで丁寧に描写された絵は、それだけで空間を持たせてしまうほどに強く、人を惹き付けます。
細部を徹底して描きつつ、全体をまとめ上げることが出来れば、更に完成度の高い作品になることでしょう!次回の作品も楽しみにしています!