當山 墨・カラメル色素・水彩・アクリル・インク・パステル・ペン・蜜蝋
岩田です。
本日は、當山さんの作品をご紹介します。左手の作品は永井豪の漫画、デビルマンをモチーフにした作品。デビルマンが手前にある何かを破って出てくるようなイメージを描きました。画面両脇には力が籠った手があるのが分かります。
この絵のベースになっているのは、カラメル色素を使って紙にしみ込ませたりしながら遊んでみよう、という以前の勉強会で制作した一枚の紙です。
パッと見ただけでも色とりどり。斜めにして絵を見てみると画面上に凹凸があるのが分かりますが、蜜蝋や銀墨汁、蛍光色の絵の具、水性ペン等、実に様々な描画材を使っているのです。
そして顔はラメの入ったペンで塗っていることもあって、角度を変えて見ると正面からでは味わえない多彩な表情を見ることができます。
私が言うまでもなく、ミオスに通っている小学生の男の子たちが「スゲー、絵ってこんなに自由で良いんだ!」って声を上げるくらいインパクトがある魅力的な作品です。
変わって中央の作品は、言わずと知れたウルトラマンをモチーフにしています。
暗闇の中で、もう時間が無いとカラータイマーの点滅が知らせています。闇の中で今にも飛び立とうとするウルトラマンがカッコよく描かれていますね。
こちらはアクリル絵の具やペンなどを使って描かれたものですが、長い時間をかけた完成度の高い一枚です。
完成してパネルから作品を剥した後、裏を見てみると作者には悪いのですが、「なんか裏の方がカッコよくないすか?」と思わず声に出してしまった私。
その裏面が正しく一番右手の画像です。
そこにはうっすらとウルトラマンの存在が認識できるものの、作者も予想だにしない偶然にできた滲みや絵の具が垂れた表情が見て取れたのです。
そんなことを言われたら普通は、失礼だな!って思われて当然なのですが、ご本人も「あー、確かにそうですね!」と共感し納得してくれたのです。
とは言え、そこが當山さんの凄いところ。考え方が非常に柔軟なのです。
デビルマンの絵に見られるような幾つもの材料を一枚の絵に集約するとなると、本来であれば、さてどうしようと頭を捻ってしまいそうですが、そんなことができるのも作者のそうした頭の柔らかさがある故。さらに言えば創作する上で、ただ描きたい絵を描くというだけでなく、常に鑑賞者の視点で絵を描いていることも特筆すべきことでしょう。
これからも當山さんは、実験を重ねながら沢山の作品を作り続けていくと思います。新作ができたら又こちらでご紹介しますね。
ユーチューブでは、画面に絵を近づけながら詳しく解説しています。是非ご覧ください!
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