福嶋 透明水彩
冷え性なので近頃の寒さが堪えます、ナツメです。今回は月曜大人クラスより福嶋さんの作品をご紹介します!右上、右下、左の順で水彩画の描き方テキストを参考に、風景画を模写して描かれました。
右上の作品は海外の街並みです。かなりパースが効いている構図のためデッサンの線の角度に苦労されていましたが、真摯に調節を繰り返しながら奥行きを見事に描かれました建物の側面や地面にしっかりと影を落とし、左側からの光がとても綺麗に見えます。柵や壁のレンガなどの細かい箇所も細い筆を巧みに使い表現されました。
続いて右下の川の絵ではぐっとした暗さを入れることに注力されました。川の流れがとても丁寧に描かれていて、見ているとその場の空気や水の音まで感じられるようです。透明感や流れの勢いを筆のタッチで表現されていて、動きを錯覚してしまうような生き生きとした印象を受けます。岩のゴツゴツした質感や色の微妙な変化も絶妙で、自然そのもののリアルさと美しさを伝えていますね。全体的にやわらかな色合いが心地よく、川辺に佇んでいるような穏やかな気持ちになれる素敵な作品です。
そして、左のモン・サン・ミシェルと船を描いたものが1番新しい作品です。風景全体が柔らかな色合いで描かれていて、とても穏やかで心地よさを覚えます。手前の砂浜に停泊した船の描写が大変細やかながら力強く、前から見た時の形も上手に捉えられているため見る人の視線を自然と引き込みます。マストやロープのラインも繊細に描かれていますね。船、海を挟んで島とモン・サン・ミシェルの順に乗せる絵の具の段々と薄くしていき、手前は濃く、奥は淡くと言った遠近感が見事に表現されています。物語の一場面を切り取ったかのような風景です。
このように並べて見てみると、手前遠くの空間の出し方や明暗のコントロールなど、枚数を重ねるにつれメキメキと上達しているのがわかりますね!長く水彩を描かれてきたので、次から油絵に挑戦されるとのこと。どんな作品になるのか今から楽しみです。