近藤 色鉛筆
電車で寝過ごすことが増えてきました。マユカです!今回は近藤さんの作品をご紹介します。
丸々と実ったブルーベリーの、ぱちんと弾けるような食感まで伝わってくるようなこちらの1枚。デッサンが終わって初めての着彩を色鉛筆でやりましたので、密度を上げるのに苦労されましたが、コツコツ描かれる方なので、見事にやり切っています。色鉛筆での着彩は、画用紙の目がぼそぼそと残ってしまうことが多く、質感を表現するのが難しいと感じていますが、実りたての少し曇ったツヤを感じられる、瑞々しいブルーベリーがお見事ですね。よく見ると、左の方に成長途中のブルーベリーの赤ちゃんがいます。こういった所の遊び心は、見つけたときに「あっ!」と、うれしい気持ちになりますね。
背景こそありませんが、かなり多くの葉が描かれています。その中でメインモチーフでもあるブルーベリーがとても見やすく、どうしても目が行ってしまう理由は、そのピントの合わせ方です。ブルーベリーを支えている茎を見ていただけると分かるかと思います。まるで一眼レフのカメラで撮ったかのように、中心のブルーベリーとその茎に、しっかりとピントが合って見えますよね。周囲の葉は薄めのグリーン、葉脈や奥にある葉についた影はしっかりと描きつつ、ふんわりと空気に溶け込むようなタッチで描かれているため、しっかりと描きこまれたブルーベリーとの対比が、写真のような遠近感を生み出していますね。
手前にあるものはしっかりと描きこみ、濃く色を付けると、ぐっと手前に出て見えるというのは、デッサンでも共通して言えるのですが、これはデッサンに限らず、様々な作品に活かすことが出来ます。また、手前でなくとも、目立たせたい場所や、一番見てもらいたい場所にも使えます。
描きこみの緩急をうまく扱うことで、見る人の視線を思った通りの所に誘導させることが出来ますので、皆さんも今後作品を作るうえで、ピントを合わせたい場所を考えて描いてみると良いかもしれません。