米国の自動車メーカー最大手、というよりつい一昨年まで世界のトップに君臨したゼネラル・モータース(GM)の経営危機が深刻だ。
ガソリン価格高騰に伴う大型車の売れ行き不振に加え、金融不安の直撃で手元流動性が怪しくなっているというのだ。泣きっ面に蜂というか、とんでもない事態である。
《経営問題が深刻化している米自動車最大手ゼネラル・モータース(GM)は7日、ミシガン州デトロイトの本社ビルの売却を検討していることを明らかにした。金融危機で貸し渋りも広がっており、手元資金を確保する狙いとみられる》=共同=
73階建てのタワーなどからなるGM本社建物群は、取得に6億3000万㌦ほどを要したという。
「たった」600億円強でしかない。この程度の金を資産売却で補充しなければならないとしたら、かなり厳しいのではないか。金融関連会社の資本増強が1兆円単位で行われている中で、メーカーとはいえ大GMが600億円ほしさに本社を売ろうとしているなど、にわかには信じられない思いだ。
株安と円高が一気に進んだ。東証の9000円割れは必至だし、ドルも80円台の声を聞くかもしれない。輸出の際の円ドルレートを、1㌦=105円に設定しているトヨタは、1円円高が進むと400億円の為替差損が発生するそうだ。GMが本社売却で得られる金は何円分に相当するのか。
そう考えると、今回のGMの発表の深刻さが見えてくる。本社売却をアナウンスする狙いは何か。株主に対して「こんなに努力してます」とアピールするため?
政府に「放っておけばつぶれますよ」とサインを送っているのか。はたまた…。
自動車メーカーは世界中で危なくなっている。いわば構造不況業種だ。トヨタやホンダも安閑としている場合ではない。
ガソリン価格高騰に伴う大型車の売れ行き不振に加え、金融不安の直撃で手元流動性が怪しくなっているというのだ。泣きっ面に蜂というか、とんでもない事態である。
《経営問題が深刻化している米自動車最大手ゼネラル・モータース(GM)は7日、ミシガン州デトロイトの本社ビルの売却を検討していることを明らかにした。金融危機で貸し渋りも広がっており、手元資金を確保する狙いとみられる》=共同=
73階建てのタワーなどからなるGM本社建物群は、取得に6億3000万㌦ほどを要したという。
「たった」600億円強でしかない。この程度の金を資産売却で補充しなければならないとしたら、かなり厳しいのではないか。金融関連会社の資本増強が1兆円単位で行われている中で、メーカーとはいえ大GMが600億円ほしさに本社を売ろうとしているなど、にわかには信じられない思いだ。
株安と円高が一気に進んだ。東証の9000円割れは必至だし、ドルも80円台の声を聞くかもしれない。輸出の際の円ドルレートを、1㌦=105円に設定しているトヨタは、1円円高が進むと400億円の為替差損が発生するそうだ。GMが本社売却で得られる金は何円分に相当するのか。
そう考えると、今回のGMの発表の深刻さが見えてくる。本社売却をアナウンスする狙いは何か。株主に対して「こんなに努力してます」とアピールするため?
政府に「放っておけばつぶれますよ」とサインを送っているのか。はたまた…。
自動車メーカーは世界中で危なくなっている。いわば構造不況業種だ。トヨタやホンダも安閑としている場合ではない。