船橋市の小6男児が給食に出されたパンを丸飲みして喉に詰まらせ、窒息死したという。なんとも気の毒なニュースだ。
《千葉県船橋市立峰台小(末永啓二校長、児童数696人)で6年の男子児童(12)が給食のパンをのどに詰まらせて窒息死していたことが21日分かった。市教委は給食時の安全徹底を求める文書を各学校へ送付した。
市教委などによると男児は17日午後0時45分ごろ、給食に出たはちみつパン(直径10センチ)を一口食べた後、二つに割って一度に口へ入れたところ、突然苦しみ出した。担任の女性教諭が気付き、洗面所で吐き出させたが、教室に戻った後、再び「苦しい」と訴えたため教諭らが背中をさすったりしたが収まらなかった。
市消防局によると、学校側の通報で午後1時ごろに救急車が到着したが、既に心肺停止状態だった。同乗していた医師らが器具を使ってのどに詰まっていたパンを取り出し、心肺蘇生をして病院へ運んだが、同6時15分ごろに死亡した。
末永校長は「信じられないことが起きて残念だ。今後はパンは細かくちぎって汁ものと食べるなど、安全面の指導を徹底したい」と話している。
事故について塩谷立文部科学相は21日の閣議後会見で「誠に残念な事故が起こった。まだ(状況を)詳しく聞いていないが、普通では考えられないことが起こっているので、詳細を確認したうえで(対応を)検討する」と述べた》=毎日電子版=。
各誌ともweb上ではかなりの文字数で報じている。夕刊の扱いはどうだったのだろう。驚いたことにNHKはこれを19時のニュースでトップで伝えている。校長のインタビューまで放映する念の入れようだ。
餅やご飯を喉に詰まらせて窒息するのは、お年寄りなどにはまれに見られることだ。学校給食の、それもパンでというのは珍しい。その意味ではニュースなのだろう。「こんなこともあります。皆さん気をつけましょう」という趣旨なのだろうか。最後に校長が「給食指導のあり方を見直していきたい」と話しているのが気になった。
パンを丸飲みするのを放置した責任はどうする。などという声が飛び出さないかと気に掛る。実際、教室の様子を見たわけではないので何ともいえないが、こういう事故で教師の責任を云々しても仕方ないのではないか。
「パンやお餅はは飲み下せる大きさにしてから口に入れましょう」。これは明らかに学校指導の範疇ではない。
ただ、具合が悪くなってからの処置は改善の余地がありそうだ。誤飲や喉に詰まらせた時の応急措置など、理解している人は少ない。多くの子どもたちが毎日給食を食べる学校では、その道に熟達した人を確保しておく必要があるのは確かだ。
慌てて食べないで、と呼び掛けるのは悪いことではない。だが、食べ方などについてあまり口うるさく言われると、食事がまずくなる。保護者を通じて指導するのが最善だろう。ただでさえ自信を失っている教師をこれ以上追い詰めるのは良くない。30人以上もいる子どもたち一人一人の食事方法にまで目を配るのは不可能だからだ。
トップで扱ったNHKの真意を知りたいところだ。
《千葉県船橋市立峰台小(末永啓二校長、児童数696人)で6年の男子児童(12)が給食のパンをのどに詰まらせて窒息死していたことが21日分かった。市教委は給食時の安全徹底を求める文書を各学校へ送付した。
市教委などによると男児は17日午後0時45分ごろ、給食に出たはちみつパン(直径10センチ)を一口食べた後、二つに割って一度に口へ入れたところ、突然苦しみ出した。担任の女性教諭が気付き、洗面所で吐き出させたが、教室に戻った後、再び「苦しい」と訴えたため教諭らが背中をさすったりしたが収まらなかった。
市消防局によると、学校側の通報で午後1時ごろに救急車が到着したが、既に心肺停止状態だった。同乗していた医師らが器具を使ってのどに詰まっていたパンを取り出し、心肺蘇生をして病院へ運んだが、同6時15分ごろに死亡した。
末永校長は「信じられないことが起きて残念だ。今後はパンは細かくちぎって汁ものと食べるなど、安全面の指導を徹底したい」と話している。
事故について塩谷立文部科学相は21日の閣議後会見で「誠に残念な事故が起こった。まだ(状況を)詳しく聞いていないが、普通では考えられないことが起こっているので、詳細を確認したうえで(対応を)検討する」と述べた》=毎日電子版=。
各誌ともweb上ではかなりの文字数で報じている。夕刊の扱いはどうだったのだろう。驚いたことにNHKはこれを19時のニュースでトップで伝えている。校長のインタビューまで放映する念の入れようだ。
餅やご飯を喉に詰まらせて窒息するのは、お年寄りなどにはまれに見られることだ。学校給食の、それもパンでというのは珍しい。その意味ではニュースなのだろう。「こんなこともあります。皆さん気をつけましょう」という趣旨なのだろうか。最後に校長が「給食指導のあり方を見直していきたい」と話しているのが気になった。
パンを丸飲みするのを放置した責任はどうする。などという声が飛び出さないかと気に掛る。実際、教室の様子を見たわけではないので何ともいえないが、こういう事故で教師の責任を云々しても仕方ないのではないか。
「パンやお餅はは飲み下せる大きさにしてから口に入れましょう」。これは明らかに学校指導の範疇ではない。
ただ、具合が悪くなってからの処置は改善の余地がありそうだ。誤飲や喉に詰まらせた時の応急措置など、理解している人は少ない。多くの子どもたちが毎日給食を食べる学校では、その道に熟達した人を確保しておく必要があるのは確かだ。
慌てて食べないで、と呼び掛けるのは悪いことではない。だが、食べ方などについてあまり口うるさく言われると、食事がまずくなる。保護者を通じて指導するのが最善だろう。ただでさえ自信を失っている教師をこれ以上追い詰めるのは良くない。30人以上もいる子どもたち一人一人の食事方法にまで目を配るのは不可能だからだ。
トップで扱ったNHKの真意を知りたいところだ。