理想国家日本の条件 さんより転載です。
NHK経営委員を務める作家の百田尚樹氏は24日午後、岐阜市内で開かれた
自民党岐阜県連の定期大会で講演し、自らを憲法改正派と紹介した上で、
「軍隊は家に例えると、防犯用の鍵であり、(軍隊を持つことは)しっかり鍵を付けよう
ということ」と語った。さらに軍隊を持たない南太平洋の島しょ国バヌアツ、ナウルの
国名を挙げ、「家に例えると、くそ貧乏長屋で、泥棒も入らない」などと両国を
やゆする発言をした。
百田氏は2月の東京都知事選の応援演説で、対立候補を「人間のくず」と非難した
ことなどが問題視され、NHK経営委員会(委員長・浜田健一郎ANA総合研究所会長)
が「委員一人一人が、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚し、一定の節度をもって
行動する」との見解をまとめた経緯がある。外国をやゆする今回の発言は波紋を呼びそうだ。
百田氏は講演で歴史教育にも言及し、「日本の歴史の中で最も大事な事件は大東亜戦争。
しっかり勉強しないと、今現在の国際社会は語れない」と強調。その上で「歴史教育を取り
戻すため、自民党のみなさん、頑張ってください」と語った。NHKは放送法で不偏不党を
求められており、作家の立場での講演とはいえ、特定の政党に肩入れするような発言は
問題視される可能性がある。
百田尚樹 、ご本人のツィッターです。
https://twitter.com/hyakutanaoki
時事通信の記事は私の発言の一部を切り取った悪意に満ちたもの。
私は「世界200ヵ国のうち軍隊を持っていない国は26ヵ国」と言った後で、
それらの国がなぜ軍隊がないかを説明した。まずヨーロッパの6ヵ国の事情を言った後、
南太平洋の島国の話をした。「家にたとえたら」という冗談はそこで出た。
百田尚樹 @hyakutanaoki
NHK経営委員になった頃は、時間は取られるわ、金は儲からんわ、発言は叩かれるわで、
任期が来たら即効やめてやろうと考えていたが、私を引き摺り下ろしたい人たちが
あまりにも多いのを知って、こうなったら死ぬまでやってやろうかなと思い始めた^^
百田尚樹 @hyakutanaoki
サヨク・ジャーナリストたちが「NHK経営委員が!」とわめくのは、何が何でも私を
NHK経営委員から引き摺り降ろしたいからだ。目的は私の任命責任を政府に
追求するためだ。そのためならどんな手段でも取る、という姿勢があまりにも露骨だ。
彼らはNHKのことなんか、本当は何も考えていない。
百田尚樹 @hyakutanaoki
それにしてもサヨク・ジャーナリストたちは、私が何か発言すると
「NHK経営委員が」とわめきたてる。嫌らしいのは、どんな文脈で
言ったとか関係なく一文だけを切り取って、問題視することだ。
もし冗談で「殺したろうか(笑)」と言おうものなら「NHK経営委員が殺人宣言!」
とか書かれるだろう
百田尚樹 @hyakutanaoki
21時間おそらく時事通信の記者は、
私の失言だけを狙って会場に来ていたに違いない。
しかし一時間半の講演の中で、彼が期待していた失言はなかった。
で、わずか一言の冗談を鬼の首を取るかのように持ち帰ったのだろう。
記者なら、私の講演全体の趣旨とテーマを書け!問題にしたいなら、それを問題にしろ!
参考
軍隊のない国は、なぜ非武装でいられるのか?
軍隊のない国家—27の国々と人びと
http://www.riabou.net/archives/235
年の初めの書初めは、いろはの”い”から参ります。「軍隊のない国家」についてです。
私たち日本人は軍隊を放棄すると憲法に書きながら、軍隊ではない自衛隊をもって
自らを守っています。それでも軍隊のない国家への憧れは根強いようです。
昔は「非武装中立論」があり、今でも「無防備都市宣言」活動があります。
世界に目を向ければ、意外と多く、本当に軍隊を持たない国家が実在します。
それらの国は非武装、無防備で、しかも誰に侵略されるでもなく平和を保っています。
これはどういうことでしょう。本当は軍隊なんていらないのでしょうか。
いったい何故、「軍隊のない国家」は平和でいられるのでしょうか?
「軍隊のない国家」は意外と多い
今回の参考図書「軍隊のない国家」前田郎 著によれば、世界には27ヶ国もの
国々が軍隊を持っていません。例えば以下のような国々です。
非武装国ミクロネシア連邦
島国には非武装の国がたくさんあります。太平洋ならば、ミクロネシア連邦、パラオ、サモアなど。
インド洋ではモーリシャス、モルディヴの二国。カリブ海ではセントルシア、グレナダらが、
軍隊を持たず、なのに平和に暮らしている島国です。
昔から戦争が絶えなかったヨーロッパにすら非武装の国があります。カジノで有名な
モナコ公国、(槍兵をカウントしないなら)ローマ教皇がおわすバチカン、ほかには
サンマリノ、アンドラ、ルクセンブルグらです。パナマなど中米にも非武装国は多くあります。
これらの国々はどうして軍隊をもたず、他国から侵略されることを恐れずに済んで
いるのでしょうか??
これは一概にはいえず、国ごとに様々な理由があります。主要な理由ごとにみてみましょう。
貧乏長屋には泥棒も入らない
落語に「置泥(おきどろ)」という演目があります。とある泥棒が何か盗もうと思って、長屋が
忍び込みます。ところがそこがえらく貧乏なところで、盗むものなど何もない。
あるのは借金ばかりです。そこで泥棒は哀れに思って、盗むどころか、かえって銭を
置いていく、という話です。
中略
あまりにも小国過ぎて、大国に保護されるしか手がない
先ほど書いたように、非武装国はほとんどが凄く小さい国です。
そんな国では、自前の軍隊を持とうとしても、まともな規模の軍を編制できません。
例えばこれはヨーロッパの非武装国、アンドラ公国の地図です。
フランスとスペインの間、山岳地域にポツンと存在しています。人口は7万5千人です。
こんな人口と面積の国で、フランスやスペインのような大国とケンカができるわけがありません。
国民の10人に1人が兵隊になったとしても7500人。
フランスの一個師団にも足りません。これはもう、防衛など考えるだけムダです。
さらに分かり易いのはサンマリノです。地図の真ん中がサンマリノ国で、まわりは
全部イタリアです。昔のイタリアは小さな都市や地方ごとに分離独立していました。
近代になって統一されるのですが、その時に参加しなかったのがサンマリノです。
アンドラと同じく、狭い上に人口が少なく、まともな防衛力を用意できません。
これでイタリアに張り合える道理がなく、交渉材料になる程度の軍備すら用意できません。
もしこれらの小国も、人口が500万ほどもいれば、多少は軍備をもって、地域の同盟に
参加したりするでしょう。守るべきものが多ければ人任せの保護国をやっているわけ
にもいかないし、大国に対して物が言えるような国際的立場を築きたいからです。
ですが人口が3万や7万、日本の市や群レベルではそうもいきません。だからすぐ
そばの大国に完全に身を委ねて、保護してもらっています。大国の側としても、そんな
辺鄙で小さい山国を攻めたり脅したりしても意味がないものですから、いたずらを
することもありません。
このような国々は軍隊をもっても意味がなく、また持たなかったとしても
失うものも少ないために、非武装でいるのです。
軍隊をもったら瞬殺される運命
パナマ運河の水門
サンマリノやアンドラは地勢的にどうでもいい位置なので非武装でいいのですが、
逆に重要な位置でありすぎて非武装にせざるをえない場合もあります。
最も分かり易いのがパナマです。パナマ運河はアメリカの安全保障にとって
死活的に重要です。パナマが意にそわない国になったら、アメリカはとても困ります。
そこでかつて軍隊を出して占領しました。
アメリカは…軍隊を派遣し、500名のパナマ軍を壊滅させ、ノリエガを逮捕した
…国防軍は1989年12月の米軍侵攻によって解体された。
パナマはこれ以降、軍隊を解体したままです。非武装でも安全なのは、アメリカの裏庭だからです。
アメリカにとって極めて重要であり、しかも距離が近いところにあります。
よって他の国は誰もパナマに手を出せません。
それにパナマが自前の軍隊を持つということは、アメリカに安全の全てを委ねてるのは嫌だ、
というサインです。すると下手をすればまた米軍が攻めてきかねないので、妙な誤解を
招かないためにも、非武装のままでいるのが合理的です。パナマのほかにも中米には
非武装の国がいくつか固まっていますが、その合理性は同様にアメリカの裏庭
であることによっています。
こういった国々は、独立しているとはいえ、外交・安全保障政策では
アメリカにかなりを委ねざるをえません。太平洋の非武装の島々も同様です。
ミクロネシア、パラオ、マーシャル参加国の外交政策は、アメリカの圧倒的な
影響の影にある。中国問題だけではなく、その他の国連決議についての
投票行動をみてもアメリカの従者としての忠誠を示している。…
国防・安全保障の責任はアメリカに委ねられている。
戦争になったら、非武装国はどうするのか?
このようなわけで、非武装の国はそれなりの合理性があって非武装を選択しています。
ですが戦争になったらどうするのでしょう。非武装でいれば、戦争に巻き込まれる恐れはないのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。例え非武装で、領土が狭く、貧しい小国であっても、
戦争に必要であれば遠慮なく攻められてしまいます。
非武装なので簡単に占領され、侵略者の支配下におかれたり、戦場になったりします。
ここが長屋と国家の違うところです。賃貸暮らしである長屋の住人と違い、
国家はどんなに貧しくても、国土の所有権だけは持っています。だから戦略的に
その土地の位置が重要ならば、侵略を受ける可能性はあるのです。実例をみてみましょう。
非武装で中立だったのに、世界大戦に巻き込まれたルクセンブルク
ドイツに侵略された低地諸国
自分では何も悪いことはしてないのに、立地が良すぎたために世界大戦に巻き
込まれたのが低地諸国です。彼らは非武装ではありませんでしたが、世界大戦のときに
敵対するどちらの陣営にも味方せず、中立を守っていました。にも関わらず、ドイツ軍の
通り道としていい場所にあったので、あえなく侵略され、戦場となりました。
中立で、かつ非武装だったルクセンブルクも同様です。非武装でも、中立でも、
だからといって戦争の局外にいられるわけではないのです。
(ルクセンブルクは)中立国であったにもかかわらず、二度の大戦でドイツ軍に占領された。
国民は1940年から1944年までのナチス占領下、強力なレジスタンスを続け、
第二次世界大戦中の戦死者数は…第三位に挙げられる。
…「アルデンヌの戦い」では、ルクセンブルグ領にもまたがって激しい戦いが
くりひろげられた。…第二次大戦後、非武装永世中立路線を放棄して、
ベネルクス三国同盟および欧州統合の道を歩む。
なお戦後のルクセンブルクは、欧州統合の流れの中で、小国の地位を逆用して成功
しています。国が小さく、軍備も無い国は、ふつうは国際政治の主要プレーヤーに
なりえません。それを逆用して「ウチなら小国だから、国際機構を設置するのにちょうど
いいよ」という巧みな外交を行い、国を富ますことに成功しています。
欧州統合という大きな流れがあればこそできた、秀逸な国家戦略です。
味方に占領されたアイスランド
大西洋に浮かぶアイスランドも非武装国ですが、第二次世界大戦がはじまると
イギリスに占領されました。当時のアイスランドは最近と違い、発展してはいませんでした。
ですが経済が貧しい国であっても、そこが軍事戦略的に重要であれば、戦争は避けて通ってはくれません。
…第二次大戦が始まると、ナチス・ドイツはデンマークを占領した。アイスランドも
ナチスに占領される恐れが生じたため、1940年、2万5千人のイギリス軍が
アイスランドを占領した。
アイスランドにとってイギリスは友好国です。ですがもしドイツがアイスランドを
占領すれば、そこに基地をおいて、イギリス攻撃に利用するでしょう。
イギリスからすれば、アイスランドを先に自分で占領してしまった方が安全です。
だから軍隊を送りました。
アイスランドはイギリスに抵抗しなかったので、占領の犠牲者は皆無でした。
ですがもしドイツがアイスランドに攻めてくれば、イギリス軍とドイツ軍の戦場になったでしょう。す
ればルクセンブルクのように、アイスランド人にも大勢の死傷者がでたでことしょう。
そのとき、アイスランド国自身の意志はまるで無視されます。占領・支配されて
自由を奪われるのも、戦場にされるのも、すべて他国の都合で決められます。
ルクセンブルクやアイスランドは、大戦中の一時的な占領に終ったのが不幸中の
幸いでした。これが世界大戦後のチベットなどになると、非武装でいたら共産中国に
攻めてこられ、虐殺には遭うわ、文化は破壊されるわ、その後現在にいたるまで
自由と人権を抑圧されたままになっています。
軍隊をもたない国家は、運命を他国に任せる
このように非武装の国は、軍隊を持たないため、戦争においては自分の意志を全く
通すことができず、他国に為されるがままになってしまいます。
この写真はモナコ公国の風景です。高級なレジャー、賭け事などで有名な、
お金持ち御用達の観光国です。だから経済は豊かですが、人口が少なく、
土地が狭いので、経済以外では小国です。
このモナコも、軍事力が幅をきかす情勢では、他国に支配されました。
その時々で強い国に占領されたり、条約によって保護してもらったりしています。
ファシズムの時代になると、1940年イタリアがモナコを占領した。
さらに1943年、ナチスドイツの占領下に置かれた。
ナチス崩壊後、独立を取り戻したモナコは、1951年にフランスと
相互援助友好条約を締結した。…モナコは軍事力を持たず、警察部隊のみを
備えている。フランスによって領土の防衛を約束されている。
つまりは、有事の際には川に落ちた木の葉と一緒です。自力では何もできず、
時代の流れ、他国の意向に流されるままになってしまうのです。
占領を免れた国々
大戦ではモナコ、ルクセンブルクらの非武装国が次々に占領されて戦場になり、
オランダなど武装中立国も蹂躙されました。
そんな中、ある程度戦争の局外にいられたのはスイスとスウェーデンといった
一部の重武装中立の国々です。これらの国は熱心に防衛努力をすることで侵略を防ぎました。
ドイツはこれらの国へも侵略をたくらんでいたのですが、低地諸国と違い立地と地形に
恵まれたことも大いに幸いしました。
このとき、スイス軍を指揮していたアンリ・ギザン将軍はこう言っています。
ドイツの侵略が迫ったとき、彼は「今、造営している新陣地が真価を発揮するなら、
我々は自分たちの運命を手放すことなく、掌中にしていられるであろう」として部下を
激励しました。
自前の軍隊をもち、防衛努力をすることは、自分の運命を自分で決める力をもつ
ということです。もちろん完全に自国が思うように生きられるわけではありません。
すが他国の思うまま蹂躙されるだけにならず、交渉力や抵抗力を手にして、
ある程度の自主性をもつことはできるのです。
軍隊を持たないことは、運命を手放すということ
軍隊を持たない国は、非武装以外にろくな選択肢を持っていない小国であり、また
小国であるがゆえに守るべきものが少ない国々です。また周辺に比較的まともな大国がいて、
その保護下に入れる国ばかりです。彼らは、だから、非武装であってもそうそう悪い実態に
陥らないで済むのです。
そのような環境にない、守るべきもの、失うべきものを多く持つ国は、だから自前の防衛力
をもっています。それによって国民の生命、権利、財産、国土などを守り、大国の意向や
国際情勢の好きにされないためにです。
アンリ・ギザン将軍の言葉を借りるなら、防衛力を持つということは、
自らの運命をその手に守るということです。
ならば非武装でいるということは、自らの運命を手放し、流れに身を委ねるということなのです。
転載、させていただいた記事です