欧州が地球上の「悪」の拠点と化していく事で、キリスト教を弾圧したローマ人がその賢明さを証明しつつあった時。 ローマ人キリスト教への防壁として下された天の啓示がイスラームであったと言っても、それに合理的疑念を挟ませない程の歴史的裏付けは取れない。7世紀の預言者は何を見て、イスラームを興したのだろうか。 *以下緑字は『マホメットの生涯』(ビルジル・ゲオルギウ著 中谷和男訳 河出書房新社)、白抜きは『燃えるイスラム史』から転載 ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ (570年頃-632年) イスラム教の開祖。アラビア半島メッカの支配部族・クライシュ族の名門ハーシム家に生まれる。モーセ、イエスその他に続く最後の預言者とされる。 洞窟の啓示(610年)
光が降り注ぐ啓示にマホメットは狼狽し自身が悪魔にとり憑かれたようだと錯覚してしまう。その動揺を救ったのは15歳も年長の妻ハディージャの機知だった。 「私がひとりとなると、たちまち『おお、マホメット、おお、マホメット』と呼び掛ける声が聞こえた。私が天の光を見るのは、夢の中ではない、すっかり目覚めた時なのだ。眼に見えぬもの、やがて起きることを知っていると言い張るあの偶像や魔法使いどもを、私はこれまで嫌悪してきた。その私が、今、魔法使いになってしまったのか。私を呼ぶ者は悪魔ではないのか」(バラドゥリ『年代記』) 天使が姿を現したら、すぐ呼ぶようにとハディジャはマホメットにいう。マホメットは妻に叫んだ。天使が彼の側にいて、光り輝き、語りかけるのだ。ハディジャは、右膝の上に座るよう夫に命じた。彼は妻の右膝に腰をおろす。 「まだ天使が見えますか」とハディジャは問うた。「うん見える」とマホメットはいう。彼女は膝を変えるように命じ、「私の左膝にお座りなさい」彼は従う。 「やっぱり天使はいますか」「まだ見える」とマホメットは答えた。 ハディジャは衣服を脱ぎ捨て素裸になり、マホメットにも裸になるよういった。そして、彼女の体に腕を回し、力一杯抱き締めるようにいった。マホメットは従った。「これでも天使は見えますか」 「いや」と彼は答えた。「天使はいなくなった」 ハディジャは衣服をつけ、夫にいう。「あなたに語りかけたのは、やはり天使です。悪魔ではありません」 彼女の説明によると、それが悪魔だとすれば、裸の妻が夫を抱くのを見て、心を乱すことはない。一方、天使は内気で、みだらな光景には耐えられない。はにかんで、そっと姿を消したのを見ると、それはまさしく天使であり、悪魔ではないというのだ。これで証明された。 ハムザの改宗(615年) 天使の命を受けて始まったマホメットの宣教は困難の連続だった。親族は改宗に応じず、無視と嘲笑、次第にメッカの宗教を貶す説教には部族社会からの罵倒が強まり始めた。相次ぐ暗殺未遂事件でマホメットは血まみれになり、ハディージャの子ハリト(前夫との子)が最初の殉教者となった。格闘家にして騎士、マホメットの叔父ハムザは或る日、預言者の敵アブー・ジャフルがマホメットを殴った話の顛末を聞かされた。宣教には反感を覚えていたハムザであったが、親しい甥が虐げられた事に激昂、カーバ神殿まで行き、座っていたジャフルの頭にいきなり弓を叩きつけて、こう言い放った。 「マホメットが一族から見棄てられるとでも思っているのか。よく聞け。今日からおれは、彼の宗教を受け入れたぞ! おれはイスラム教徒になる。もし、お前にしろ、他のやつらにしろ、イスラムを攻撃する勇気があるやつは、おれにかかってこい!」 この瞬間から、信徒の中に騎士が加わる。彼は、アリと共に戦場を駆けめぐり一騎打ちにたけ、恐れを知らぬ騎士として、アラーの栄光を地上にもたらすこととなる。 ウマルの改宗(615年)
ウマル(オマル)は家に入るにも屈まねばならない、豪胆直情な大男。騒乱の種であるマホメットを始末するためムスリムの集合場所に向かっていた。途中の道で出会った男(ムスリム)が企てに気付き、ウマルに言った。 「最初に君の一族に異端者がいないか心配したらどうだい」 ウマルは尋ねた。「俺の一族とはどういう意味だ」 「君の妹ファーティマと夫のサイードがそうじゃないか」 怒り狂って踵を返したウマルが妹夫婦の家の前に着くと、ちょうど家の中からコーランを吟唱する声が聞こえてきた。これを耳にするとウマルは激怒して、家に入り2人が血だらけになるまで殴り続けた。 しかし妹ファーティマは殺されても棄教はしないと言う。いささか冷静さを取り戻したウマルは、その宗教心に打たれ、読んでいたものを自分にも聞かせるよう求めた。読誦されたのはコーランの20章であったと言われている。
「驚くべき崇高さだ!」 オマールは妹夫婦をかき抱き、赦しをこうた。そして直情怪行な彼らしく、ただちにイスラム教徒になると宣言するのだった。 コーランは無数の脚韻を踏み、文飾、詩的な趣が聴く者の心を惹きつける。彼は世界で四十番目のイスラム教徒に改宗した。悪魔も恐れおののく男ウマル=ハッターブ(後の2代目カリフ)の改宗により活気付いたムスリム達はカーバ神殿で堂々と礼拝を行うようになった。 (以下続く) マホメットが意図したのは新宗教の樹立ではなく、古き真の神に由来する宗教の復興、即ち一神教徒の怠慢によって舞い込んだ“加筆”の削除だった。 「預言者なんて嘘」 批判的な見方がキリスト教側には常にあるが、新生カトリックの粗末さゆえに宛がわれた兄弟としてのイスラム教の側面は小さくないのではないか。コーランの教説は旧約より新約聖書の方に土台を持っており、マホメットの信仰に影響を与えていたのはマリアの偶像化・聖人崇拝を嫌ってローマ帝国を追われた(431年)キリスト教ネストリウス派であった。
全世界の侵略と莫大な個人の富の夢に適した宗教にヨーロッパが包装し直された時、アラビアの部族を一つの信仰に団結させる砂漠の巨人が立ち現れ、東西に広く版図をとり白人種を長く欧州に押し込め続けたのは歴史の偶然として片付けられるのだろうか。 画像借用元: 世界史地図理解 宗教史授業シリーズ |
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そんな「横暴」に反抗するものが台頭するのは当たり前といえば当たり前のことでしょう。イスラームはキリスト教のコピーだと思います。
タキトゥスはユダヤ教を「迷信であって宗教ではない」と断じましたが、その後を継ぐキリスト教&イスラムも私には所詮同じ穴のムジナにしか見えません。2ちゃんねるの世界史板で、イスラムとは「旅先で見たユダヤ教にかぶれ、その改革を思い立ったアラブ人のボンボンの戯言」から始まったといった書き込みがありました。辛辣でも当たっている。
リンクにある『燃えるイスラム史』も、キリスト教のHPと似た様なプロパガンダではないでしょうか?どの宗教も布教には寛容を装う特徴があります。日本人の中には白人キリスト教徒憎しのあまりイスラムに過度に肩入れする者も少なくありませんが、他宗教を認めず己の宗教しか認めないという非寛容さではあまり変わりない。近代以前はキリスト教世界よりマシだったというのが実態。
キリスト教の蛮行に奴隷制度が挙げられますが、この“先輩”は実はイスラムです。同教徒は借金のかたに奴隷にしてはならない、という人道主義に基づく教義が、皮肉なことに異教徒奴隷獲得に拍車をかけました。アラビアンナイトにもよく黒人奴隷が登場しますが、白人やアジア人奴隷には好意的な書き方でも黒人は明らかに蔑視している。
意外に知られていませんが、白人もムスリムにより結構奴隷にされていました。特に地中海に面した諸国はイスラム海賊が町を襲撃、住民を拉致、連行して奴隷にしました。これが治まるのはやっと近代になってからです。
インド贔屓ということもありますが、私はやはりイスラムには不信感があります。ヒンドゥー教も様々な問題はありますが、基本的には布教しません。数は少なくとも日本人ムスリムもおかしいですよ。アフガンやイラク、パレスチナは取り上げても、ウイグル、チェチェンにはダンマリだから。
保守的なアメリカ人は別として、欧米でキリスト教の衰退は著しく、日曜礼拝に通う人々など少数です。逆に言えばキリスト教が衰退したから人間らしい生活が送れる、と理解できます。
http://en.wikipedia.org/wiki/Church_attendance
西洋が暗黒時代に陥っていた中世、イスラムは黄金時代で素晴らしい文明が花開くのですが、
残念ながら現代は違います。例えばイランから
スウェーデンに亡命した人々は数え切れませんが、スウェーデンからイランに亡命した人は聞いた事がありません。
http://wave.ap.teacup.com/renaissancejapan/119.html
両者の歴史は海賊vs(ム)スリ団のような感じですが、キリスト教の方が遥かに収奪の素質がある組織に見えます。
その真骨頂こそ世界史上空前の信じ難い新大陸征服。この世の"富"や"地位"を嫌ったフリはしているが、まばゆい金銀・資源の前には猿並みの理性が溶解するようですよ。
ローマ教皇(賊の首領)は領土の取り合いでケンカをしないように、早速ポルトガルとスペインで地球を二分割する線を制定(トルデシリャス条約 1494年)。じき「地球の裏にも線を引かなきゃ」という事になり、この線が日本を真っ二つに…
http://www53.atwiki.jp/alonsodeleyva/pages/38.html
> スペインとポルトガルで勝手に決めた「君と僕とで地球を半分っこ」の約束。あっ日本が…。
十字軍の聖戦では、イスラム側の方が"寛容""赦し"を発揮し敵を遇しています。しかし時が経つと西側の"憤怒""不寛容"により次の軍隊が組み上がるから手に負えない。イスラム教はキリスト教分派として始まったと考えると中世の血生臭い歴史も少しは面白く見られるかもしれません。
成立後の拡大期を見ても何か異常な物を感じます。自分が「正しい」と言い張る宗教同士の抗争には終わりがなく(「正しい」を取り下げない限り)、2つのテロリスト教は現代でも悩みの種ですね。
中東史に詳しくない私は貴方より大分好意的にイスラムを見ていると思いますが擁護はしていません。宗教としてこの2大宗教を底辺とすると、片方は大きく離れた最下位。ペナントレースで言えば横浜ベイスターズから20ゲーム離れているが、自分達が優勝候補だ!と豪語している神経症患者達が問題です。
植民地化を防ぐ手だてとして日本が切支丹弾圧をしたように、長い視点で見れば正当化される暴力もある。全地球的な視点 人間性を爆破するキリスト教 これがイスラム教の読み直しに繋がればと思いますが・・
ムスリムもインドを蝕んだが、英国のやり方はより悪辣だったように思います。飢餓絡みで5000万人位は死んでいるような…
新約聖書が欧州に根付いた段階で世界は一旦"終わった"のかも知れず、暗闇の中ではイスラムも光って見えるというのが私の穿った物の見方でしょうね。
人道無視、国家ぐるみの大犯罪 http://koramu2.blog59.fc2.com/blog-entry-400.html
> 特に人身売買、奴隷貿易などの人類史上の大犯罪は、イギリス、フランスなどの国家自らが組織的に犯したのである。
> なお十六、七世紀に新大陸から大量の金銀がヨーロッパに奪い去られていった。その過酷な鉱山労働に、インディアンと黒人奴隷が酷使された。ヨーロッパにもたらされた金銀は、やがて産業革命からヨーロッパ資本主義の原資となった。
キリスト教は明らかに集団催眠を起こしており「汝の敵を愛せ」など宗祖の教えは実践していない。イスラム教も同じようにマホメットの教えを無視して来たのかもしれません。ただしコーランにはローマ帝国キリスト教を改正したような叱責の跡があり、改訂版の方を重要視するのは当然の事でしょう。
"マリアの子メシア=神 などと言う者は不信者" 『コーラン5章』 (三位一体やキリストの神性を不敬として排除)
欧米はスタイリッシュ、先進的だと刷り込まれている私達も真実を射抜く目は磨いていきたいもの。教科書は「ヨーロッパの世界進出」等と美化した書き方をしているが、中身は悪逆無道の略奪です。『燃えるイスラム史』は欧米の欺瞞の原理を見抜いた観点からマホメットを書いているのだと思います。
http://www4.plala.or.jp/mozugusu/isulamu/isu1.html
> 日本の世界史というのは欧米から一方的に流れてきた物、だということです
現代の中東においては民主化を求めるアラブという虚像ではなく、社会の恥部に厳しいイスラム世界の高い自浄作用にこそ見所があると思いませんか。ムスリム・ムスリマは某宗教とは比較にならない、それだけで崇敬に値する厳しい信仰を課しているので、悪く言わないでやってくれと思う所はあります。
私もキリシタン弾圧は当然の処置と思いますし、それさえ中国、朝鮮に比べればぬるいほど。さらに東アジアのキリシタン迫害も規模では欧州とは比較になりません。
>>ムスリムもインドを蝕んだが、英国のやり方はより悪辣だったように思います。飢餓絡みで5000万人位は死んでいるような…
仰る通りです。英国支配以降、インドは幾度も飢餓があり英国人の統計では数千万は餓死しています。おそらくはもっと多いと私は見ています。独立後のインドは中国と違い餓死者は出していない。英国はアイルランドにも深刻な飢饉を発生させており、キリスト教徒白人にも冷酷でした。
何故かヒンドゥーには英国人よりもムスリムを敵視する者が多いのです。これも植民地時代にすり込まれた“自虐史観”が影響しているのかもしれません。この時代の歴史教育について以前記事にしました。
http://blog.goo.ne.jp/mugi411/e/7bda798bf9ac51b5b3948c12826a3118
歴史にイフは禁句ですが、もし新大陸がムスリムによって発見されたならば、あれほどの虐殺行為はなかったと私も思います。おそらくは東南アジアと同じく平和に布教したでしょう。何だか近代はイスラムがキリスト化してきたと思うのは私だけ?
中東世界の縁故主義は強烈なものがあり、以前記事にしていますが、血族社会ゆえに不正が蔓延り易いのです。
http://blog.goo.ne.jp/mugi411/e/7eeff34b6aa304e9bded9b63e50c474b
現代の空前の飢餓地獄も西洋式の継承に原因があり20世紀まで有色人種はモノと同じ扱いでした。日本軍の大暴れが植民地時代を終わらせ "最悪" インパール作戦もインド独立を助けた事は教科書も伝えていませんね。
http://hiton.seesaa.net/article/5776690.html
白人の思考の秘密は大脳皮質を壊す本(善悪判断不能 人間性低下)にあったと思います。あんまりな内容にアッラーも黙ってはいられなかったのでは。
ヒンドゥーのイスラム嫌い(同族嫌悪?)に似て日本人も原爆を落とした白人より中韓叩きに走るが、真の火種・禍根を追及すべきと思います。
>近代はイスラムがキリスト化してきた?
インドネシアからエジプトまで広くしていると思います。ムバラク元大統領も孫社長の何倍だという6兆円級の資産があったとか…。近親ぐるみで腐っているのなら中東はどうも受難の時代。リビアは気の毒な事になりましたが、結局人間性の壊れたカダフィを倒したのだから見上げた市民力と思いました。
Alex氏に聞いたプラウト主義など今後は東の人間の健全な精神を興すべきでしょう。何をするにも金、金では非常にしんどいですから。
イスラム教も戦争のない世の中のためにたまにやらなくて良いことをやらかしてます。
タリバンは誘拐した子供たちを自爆テロ犯として洗脳教育しています。
昔から中近東から北アフリカにかけての国々でもコーランとハディースによる洗脳が
行なわれていました。見ているとちょっと不信感があります。コーランの韻律が美しいとが言ってもサブリミナルをかけられているんじゃないか、と思うことも
そもそも宗教によって争いが生まれるのは遺憾だ。なんで洗脳されるのだろう。
>サブリミナル
コーランは細々としか知らないので…しかし捻じ曲げられたキリスト教への抗議を摺り込んだ(?)節は見られます。
「神は三(位)の一つである」と言う者は、本当に不信心者である。唯―の神の外に神はないのである。もしかれらがその言葉を止めないなら、かれら不信心者には、必ず痛ましい懲罰が下るであろう」(コーラン5:72)
「ユダヤ人はエズラを、アッラーの子であるといい、キリスト教徒はメシアを、アッラーの子であるという。これはかれらが口先で言うところで、昔の不信心な者の言葉を真似たものである。かれらにアッラーの崇りあれ。かれらは(真理から)何と迷い去ったことよ。かれらは、アッラーをおいて律法学者や修道士を自分の主となし、またマリアの子メシアを(主としている)」(コーラン9:30-31)
「マリアの子イエスよ、あなたは『アッラーの外に、わたしとわたしの母とを2柱の神とせよ。』と人びとに告げたか。」かれは申し上げた。「あなたに讃えあれ。わたし(イエス)に権能のないことを、わたしは言うべきでありません。…
わたしはあなたに命じられたこと以外は、決してかれらに告げません。『わたしの主であり、あなたがたの主であられるアッラーに仕えなさい』」 (コーラン5:116-117)
(↑イエス自身が「イエス/マリア崇拝の慣習をやめるべきではないか」と投げかけている)
コーランによれば十字架にかかったのはイエスの身代わりだそうです(藁)。4章157節
最近解ってきたのはキリスト教は神といちゃつきたがる馬鹿女の宗教だということ。(イスラム教は勿論男が前提の宗教) 教会には陶酔のあまり神に対し性欲を抱く女信者もいるそうです。気持ち悪い…
http://ameblo.jp/ska74/entry-10953061186.html
身の毛のよだつ腐敗は常にキリスト教から発生します。