紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

開拓者魂

2008-06-16 12:08:32 | 畑仕事
 来週より私の土日はお仕事に捧げることになるので、夫婦で過ごす最後の休暇となった昨日、おととい。

 土曜には、ムシロに干していたタマネギを複数個、振り分け荷物のようにヒモで結んで物干竿に吊るという作業をした。一度物干を下げていたヒモが切れ、危うく大惨事となるところを、運良く下には誰もいず、悲鳴を上げるだけに留まった。お地蔵さんのお花も替えることができ、やれやれ。

 日曜日にはH氏が新たに開墾を始めた細長い土地で、石とリをする。ごろごろしている石を地面から除去する作業だが、これがはまるのなんの。
 私が夢中で石をはねていると、
「あんた、ハマってるやろ?」とH氏。
「うん、こういう地道な作業、大好きやねん。おとーさん、こういう辛気くさい仕事、大嫌いなんやろ? よかったなー、性格正反対の夫婦でー」
満足そうなH氏は、次なる作戦名を宣言する。

「それでは次に『シラサギ作戦』を開始します! 『シラサギ作戦』とは、ワタシが耕耘機で耕すから、そのあとをアンタが付いて来て、掘り出された石を拾って行く、という作戦です。シラサギは、耕耘機の後付いて来て、掘り返されたミミズや虫食べてるやろ?あれと一緒や」

 という訳で、畑を1往復半(3列)して、這いつくばって石拾いをした。
終了後、「あと3回これしたら、だいぶ石なくなるで」とうれしそうなH氏。
「そやけどな、次これできるの7月21日(祝日)やで」
「あほ! そんな暑い時、だれがするねん・・・あ、アンタ来週から仕事やったな」

 土まみれだけど、なかなか楽しい作業だった、満足満足。

3%の職業

2008-05-16 15:01:18 | 畑仕事
 2階のベランダで洗濯物を取り込みながら、ふと気持がぐいぐい引っ張られているのに気付く。見えない釣り糸に引っ張られる魚のように、私が無意識に引かれていた視線の先には・・・え?ビニールハウス!? ・・・これはマズいのではないか。

 そういえば、ビニールハウスに行く回数が、日日増えている。確実に増えている。ビニールハウス依存症、ビニールハウス中毒、「ビニールハウスやめますか、それとも人間止めますか」などという言葉が頭の中を回転する。

 昼間なんかは、サウナのように暑く、野菜たちもしんなりとへばり気味だ。こんなときには、虫すら姿を見せず、ひっそりと秘密の避暑地に避難している。

 そんな野菜たちを、「夕方になったら、たっぷり水をあげるから、もうしばらくガマンして。もうすぐお父さんのお休みだから、なんとかして風通しよくしてもらうから。ごめんね、ごめんね」と励まし、慰め、あやまるのだ。もうしっかり手塩にかけた育ての子どもたちなのだ。

 というものの、ゴヤの残酷な絵の様に、最終的には「子どもたち」を食べてしまう予定である。鬼のような親である。「青虫やナメクジに穴をあけられ、惨めな姿になってしまうくらいなら、いっそのこと私たちが」という心情で、すこしばかりまだ早いかな?という成長途上でも、切り取ってしまうのである。そして「おいしい、おいしい」と感動とともに食べてしまうのである。切り取った跡の空白になったスペースはぽっかり心に穴が空いたように淋しいが、なめくじや青虫にぽっかり穴をあけられるよりは、マシであろう。そこに速攻で、H氏は茄子やトマトを移植する、ウキウキと。やはり、鬼のような親なのだ。

 ちなみに最近はブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、ホーレン草(終盤)、ミニ人参(すぐったやつ)、勝手に生えて来た青じそがビニールハウスでの収穫物。それ以外に、タマネギ、紫タマネギ、山椒の葉、イチゴなどを収穫(予定)中。

 これなら今後はアンケート用紙の職業欄に「主婦」ではなく「農婦」と書いてみても、全くのウソではない、と思われる。含有率、農婦3%。

仁義なき戦いは継続中

2008-05-13 15:30:42 | 畑仕事
 そろそろカテゴリーに「畑仕事」を追加した方がいいのかもしれない。なにしろ畑はネタの宝庫。ドラマチックな喜怒哀楽に溢れている。

 さて、京都の話をしている間にも、ビニールハウスでは様々な事態が勃発していた。そう、ついに箱入りぶりを誇っていたH氏自慢のキャベツ娘たちに、虫食いの後がそこかしこに出現したのである! 

 ビニールハウスに行くたび、紋白蝶が飛び交っていたのだから、時間の問題だったのだ。しかもなんとH氏がいうには、彼が行く時に限って、さも仲睦まじそうに紋白蝶が2匹で飛び交っていたというのである。これが挑発行為でなくてなんであろうか!

 ブロッコリー、カリフラワー、キャベツを毎日朝夕巡回し、葉の裏表の点検を開始した。ピンセットでつまんで青虫を水の入った入れ物に落とすという、地球に優しいが超アナクロな青虫撲滅作戦である。無農薬農業を自慢する夫の影に、妻の陰ながらの努力が存在したのである。

 しかし、子どもの頃に今の何倍もの虫に囲まれて生活していた育成環境がこんなところで役立つとは! 実はこういう地道な作業は、大好きなのである。虫愛ずる人ではないが、嫌悪感ももってない。

 慣れないうちは葉脈にカラダを擬態させる青虫を見つけるのは、難しいのだ。目を凝らし、何度も繰り返し同じ所を点検しなければ見つからない。
 ところが面白いもので、目がキャベツや葉っぱに慣れてくると、瞬時に目の端でも青虫を捉える事ができるようになる。畑のとおりすがりに「あっ!いた!青虫!」と察知する技は、H氏にはマジックのように見えるようで、目を丸くしていた。

 努力の甲斐合って、5日間ほど続けると、たまさか発見する程度に落ち着いて来た。やれやれ。

 ところが、背後に剣呑な気配を察知した。まさに虫の知らせ。さっと振り向けば、そこはキャベツエリアの隣の大根エリアである。その大根の葉っぱが穴だらけなのだ。

 まさか。

 そう、その「まさか」だった。蓼食う虫も好きずきというが、これほどまでに青虫に節操がなかったとは。ブロッコリー/カリフラワー/キャベツ地帯がキケンであると判断した総司令官が、一時撤退を号令したのだ。それも盲点になっていた大根エリアに!

 たぶん葉ものエリアからのキャタピラ部隊全軍撤退で、おお、ついに平和が訪れたと人間が勘違いし、ウキウキ京都などに遊びにいったりして、青虫のことなど頭から蒸発させるくらいほとぼりが醒めるのを身を潜めて待っていたのだ。まさに臥薪嘗胆。

 虫けら、などと人は呼ぶが、なかなかどうして策士な奴らなのだ。相手にとって不足はない。真正面から全力で勝負! 油断めさるな、H氏!

ワタシのキャベツになにをする!?

2008-05-02 22:46:22 | 畑仕事
 おとといあたりから予兆はあったのだ。

 例のビニールハウスに雀が迷いこんでいたので、それを外に出してあげたとき、野菜の影からひらひらと紋白蝶が飛び立ったではないか! こいつだけは許せん! ハウスの外ならまだしも、ぬけぬけと寄りによってキャベツ近辺をうろつくとは! 現行犯で逮捕してやる!とばかりに、手直にあった魚用の網を手に蝶を追った。

 やっと捕まえて離れた場所に逃がしてやれば、今度は虎視眈々と巣づくりの場所を窺っている鳩の輩を発見。まったくどいつもこいつも油断がないったら。

 そうしてハウスに戻れば、またしても別の紋白蝶が!!

 不安にかられ、キャベツの葉裏を観察してみる。大丈夫、卵もついてない。よかった良かった。

 ところが今日になって、ふとキャベツの隣で立派に育ち、さあこれからお待ちかねの房つけていきまっせー!というところまでたどり着いたブロッコリーの葉に、小さな穴があいているではないか! 急いで葉裏を返せば、小指の先ほどもない生まれたての青虫が数匹、肉眼でやっと確認出来る卵まで発見してしまったのである! 

 ブロッコリーすべて(10個に満たないとはいえ)の総点検を開始する。あまりのショックで葉ごとむしり、屋外に除去する。中にはすでにサナギになってのんびり羽化を待っているもの、いまにもサナギになんなんとしているまるまると肥え太ったヤツまでいる。紋白蝶、ゆるすまじ!

 なんというフェイントだ! なんという姑息かつ狡猾な紋白蝶であろうか! ダイレクトにキャベツではなく、隣のブロッコリーに卵を産みつけるとは! なんと人間心理の裏をかいた紋白蝶作戦であろうか。

 でもまあ、キャベツは水際で無事だったし・・・と再度キャベツを点検すれば。

 ナメクジが幸せそうに朝ごはんの時間を過ごしているではないか! 

 こうして今年も「自然VS人間」の戦いの火ぶたが切って落とされたのである。 



 

H氏のニュー・フィールド

2008-04-30 11:16:52 | 畑仕事
 4月も本日で終了となる。のんびりと??楽しい4月だった。花粉症で苦しんだ4月だった。そしてハウス野菜が家計を助けてくれる4月だった。

 ビニールハウスの話をしただろうか? ナマでは何人かの知り合いに話したのだが、ブログではたぶん初公開だと思う。

 まだ雪の降る、霜も降りる季節だった。もともとは私が、屋根の付いた簡単なガレージがあったらなぁ・・・と思ったのがことの起こりだったのだ。そうしたら車を出す前に霜取りや雪下ろしをしなくてもいいし、雨の日も車からの出入りがラクチンになるだろうとの魂胆だった。

 それで、H氏に「ビニールハウスのガレージ、作らへん?」ともちかけてみた。もちろん作るのはH氏におまかせという見え透いた魂胆で、「おお、それ、ええな。薪小屋にもなるしな」と一発OKだった。ひそかにほくそ笑んでいるうち、以前は畑だった車置き場に、彼の友人M氏がご兄弟でみえ、ハウスを作ってくださった。2日がかり(だったと思う)の大仕事だった。(その折には、ご苦労様でした。ありがとうございます)

 私が仕事から帰宅した時、ダンプがラクラク入りそうな(高さはさすがにムリかも)巨大なビニールハウスが出現していた。狸亭の基礎工事が始まった時以来の、いや~な予感が走った。

 入口が・・・やけに小さい。人間がやっとひとり通れるくらいの入口!?? ダンプどころか軽自動車もムリやんか~!! こ、これはまさか、もしかして。

 そうなのだ、H氏は野菜をつくるためのビニールハウスを依頼していたのだ。

 しかしここであえて沈黙するのが、私のエラいところだ(自画自賛)。どうせ今更何を言おうと無駄である。なら、彼にはモチベーションを維持してもらい、私からの無言のプレッシャーを背後に感じつつ、最大限にビニールハウスを活用していただこうではないか。

 思惑どうリ、H氏は本当によく働いた。黙々と休日毎に地面を耕し、肥えた土を入れ、立派な畑地にした。きれいに区割りしたり、畝を作ったりして、種を蒔いた。なにしろ太陽熱オンリーではあるが、温室である。寒い風が吹く日も、ハウスの中は温かかった。野菜は箱入り娘のように虫食いもなく、すくすくと元気に育って行った。
 
 こうしてH氏の努力は報われ、現在はホウレンソウが採り放題に育っている。毎日ホウレンソウを抜いては食べる日日である。

 そしてこのビニールハウスについては、今後もブログネタに困らないエピソードが続出の予感がする日日でもあるのだ。