紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

秋の到来

2006-08-31 23:47:25 | 季節
 昨夜は肌寒いくらいで、突然の秋到来を実感した。今朝は見事なうろこ雲が澄んだ空に広がっていた。でも日中は、やはりあつい、あつい。

 真夜中にベランダで洗濯物を干していると、すごいような虫の声が響き渡り、圧唐ウれる。まぁ、草むらには事欠かないから、当然と言えば当然か(苦笑)

 10年以上前の今頃、家の前の畑から機械の音がしていたので、夫・H氏がおじいちゃんに、「機械のスイッチ、ついとっぞ!」と注意したことがあった。彼はおじいちゃんが、畑で何か機械をつけっぱなしにしていたと思ったのだ。規則正しく、かなり大きなガチャガチャいう音だったから。
 ちなみにH氏は金沢弁と関西弁と標準語、三種類の日本語が操れる。

 おじいちゃんは「なんも、つけとらん」と憮然としていたが、「機械の音、しとるげんね!」と食い下がるH氏。
 その音の正体は、翌朝になって、おばあちゃんに教えてもらったような気がする。

 おとといの朝、10年以上ぶりに、同じような場所から同じ音を聞いた。田舎暮らしが長い私も、結婚するまで聞いた事がなかった、その音の正体とは・・・

 「クツワムシ」だったのだ! 
 
 おじいちゃんにかけられた嫌疑は冤罪になり、彼は一夜にして無実の人となった。「知らない」ということは、罪作りなことでもある(笑)

 そういえば小学校のとき音楽の時間に習った「虫の声」っていう歌に「♪ガチャガチャガチャガチャ、クツワムシ♪」という歌詞があったっけ。

 コオロギや鈴虫やウマオイ虫は、ざらにいるが、松虫とかクツワムシは見かけないし、鳴き声も滅多に聞かない。たしか松虫って、ちんちろりーん♪っていうんだっけ? 聞いた記憶がないなあ・・・。多分姿形をみても、わからないんだろうけどね。

 さあ、明日から9月! 多方面で、忙しくなるぞー、しゃんとしなきゃね。

夢は、昼 かなう

2006-08-30 23:43:51 | ファミリー
 28日、今週の月曜日の話である。

 お昼前に郵便受けの中に、宅配ピザの案内が入っていた。今に始まった事ではない。
 しかしいつもと違うのは、この日初めて宅配ピザの注文をした事だ。Kちゃんへの「夏休みのお手伝い大変ご苦労様でした」のせめてものお礼である。

 彼女の夢のひとつは、「出前をとること」「デリバリーでご飯を食べる事」なのだ。

 ピザ注文してあげるから、好きなの選んでいいよ、と伝えると、満面の笑顔でメニューを見ながら「こんなん見てたら、口の中、石油王やー」とふにゃふにゃの口元をみせて、ヨダレがわき出すのを拭くまねをする。「口の中、サウジアラビアや~」

 12時過ぎ頃きやはるみたいよ、とKちゃんに言うと、12時前にはそわそわと玄関チャイムの処に取り付けられ、家の中で玄関の画像が見られる場所に待機していた。いてもたってもいられないみたいで、番人のように画像を見つめていた。が、どうも配達が遅れているようで、10分を過ぎても静かなまま。

 15分過ぎに、お待ちかねのピザ到着! ハコを開ければ熱々のピザがきれいに切り分けられていたのにビックリ。そう、何を隠そう、私もピザの宅配は初めてだったのだ。実家にいた時を含めて、多分「店屋物」をとったのもね。

 なんだか遠い昔(1970年前後)、初めて我家に洗濯機が来たり、新しい冷蔵庫が届いた時の、家の外でまだかまだかと待っていた、あの感じが久々に甦って来た。
 こんな些細なことで「夢が叶う」んだから、幸せと言えば幸せなのかも。

夕暮れの琵琶湖畔で、そぞろ歩くKちゃん。

いのちのいずみ

2006-08-29 22:52:06 | ファミリー
 各方面にご心配をおかけしているおばあちゃんの具合は、微かにやってくる秋の気配に呼応するかのように、僅かずつ回復している。

 というか、80を越えた今までが元気すぎ、年齢相応の労働の臨界を越えたため、身体が警告音を発したのだと思う。
 加えて、異様に暑いし。夏バテして当然なのだが、食欲ゼロという事態には困った。おまけに薬も栄養ドリンク系もダメな人なのだけれど、天はわれらを見捨てなかった。身近に大変な助っ人がいたのだ。

 昨年より私とおばあちゃんが通っている、Kちゃんの友達Sちゃんのお母さんがオープンされた小さな整骨院がある。電気治療を受け付けないウチのおばあちゃんの腰痛にも、他のアプローチをセレクトしていただき、乗り切ったことがあった。
 今回も他の病院は拒否したが、「Sちゃんの整骨院なら」と、病院嫌いのおばあちゃんが唯一、やっと身を委ねる事を許してくれた。

 食欲不振の夏バテを整骨院で? と考えはしたが、知り合いのよしみで「なんとかなるだろう」と、自分を納得させ行ってみた。大変親切に手取り足取りで、簡易ベッド?に横にしてくださる。ついでに私も電気で凝りをほぐしていただき、おばあちゃんの隣でうつらうつらする。

 カーテンの向こうでSちゃんのお母さんが、やさしくおばあちゃんを手当てしてくださっている声が聞こえる。「おなかのところに食欲の出るツボがあるんです。今そこを押さえたら、胃がごろごろといって動き出しましたよ」

 ツボ! 
 Sちゃんのお母さんが、薬草の知識の宝庫である「南米の魔女」のように神秘的に思えた瞬間だった。職人ワザを持つスペシャリストには、無条件降伏で尊敬するのみである。ツボ!って、すごいやん! そういえばSちゃんのお母さんは鍼灸師でもあるから、ツボくらいお茶の子さいさいかも。

 条件反射のように、私が子どもの頃、よくテレビに登場した豪放磊落な指圧師の先生を久方ぶりに思い出した。名前は忘れちゃったけれど。
 「♪指圧の心は母心。押せば命の泉湧くー。はっはっはっはっはー(→笑)」と、出番のラストでは、唄うように締めた指圧師の先生。

 「押せば命の泉湧くー」。
 その言葉どうりに、その日の晩ご飯は、久しぶりに「おいしかったー」と以前と同じくらい(もともと、とても少食だけれど)食べられたおばあちゃんであった。 

蝉丸は人気者

2006-08-28 23:06:41 | ファミリー
 国立市の道楽者、蕃茄さんのお宅にヤモリくんが不法侵入した、と本日の蕃茄さんのブログで読み、ちょっと羨ましい~と思ってしまった。ここんとこしばらく、私達はヤモリくんにはお会いしていないので。
 
 でも、やっぱり不法侵入はいけない。人間とヤモリの共存のためには、家の外と内の区別はしっかりつけておかないと。ヤモリくん自身の平和と安全のためにも、家の中はよろしくない。危険が多すぎる。速やかに自主的に脱出されることをお願いする。それに夜間、家の窓からもれる光に誘われて集まって来る虫がヤモリくんの餌となるのだから、家の外側にへばりついている方が、労せずしてお腹いっぱいにできるのだ。どっちが得かはいうまでもない。たぶん静かに見守って脱出用のスキマをつくってあげれば、自主的にお引き取り願えるのではないか。

 ところで我家ではヤモリは人気者である。

 まず、おばあちゃんは、ヤモリは「家を守ってくれる生き物」だからと、とかげやカエルより数段ひいきしている。

 子ども達は、たまたま当時お兄ちゃんが凝っていた「百人一首」の異色キャラ「蝉丸」の名をヤモリにつけて、姿を見せるたびに「あ、蝉丸が来た!」と大喜びする。妹のKちゃんなんかは、至近距離でじっくり観察して、「あの黒い丸い目がなんとも可愛いねんな! それに指先のまるいのが、なんともいえへんわ~」と目を細めて絶賛。

 彼らのお父さんは、もちろんヤモリくんを気遣って、何度もムカデに襲撃されているにも関わらず、毒性のあるムカデ退治の薬を家の周りに撒く事をしないくらいだ(石灰は撒いたが)。シーズンになってもヤモリくんが姿を現さないときには、心配して気を揉んでいたりする。

 ヤモリは日が暮れると網戸やサッシにへばりつき、光に集まる虫を食べる。同じ頃、我家も晩ご飯の最中になる。ヤモリのお腹を見ながら一緒にご飯を食べる日が続くと、ほぼ家族の一員めいてくる。代替わりしても、やはり名前は「蝉丸」だ。

 しかし、私達がいつも見ているのは「蝉丸」のおなか方面なので、背中方面から「蝉丸」をみたら果たして平静でいられるかは、見慣れていないだけに心細かったりする。しかも家の中に侵入されたら、いかに家族の一員とはいえ、驚かないわけにはいかないだろう。どうか、すみやかによろしくお引き取りのほどを。国立市のヤモリさまへ。 

魚心あれば犬心

2006-08-27 23:03:06 | ファミリー
 今朝は午前中ボランティアの予定がはいっており夫婦で家を空け、Kちゃんはそれに便乗して友達の家にでかけるので、どうしたって、おばあちゃんと朝の遅いお兄ちゃんが留守番をすることになった。

 出かける前Kちゃんが、「わたし、電話持って行っていい?」と聞くので
「えっ? お母さんの携帯、貸して欲しいの?」
「ううん、家の電話」という。要領が得なくて何度も聞き返し、そして了解した。

 彼女は10キロは離れた友達の家まで、電話の子機を持って行こうと考えていたのだ。「だって、おばあちゃん、電話出るの、大変やん」。しばし、言葉に詰まる。

 8月半ばより体調を崩し気味のおばあちゃんにとって、夏休み中Kちゃんが家にいる事は、大変な慰めであり、かつ助けになっている。洗濯物関係、電話関係、お昼ご飯関係など、私が出勤の日には、かなりまめにやっている。

 電話の子機は家から離れると使えない事を説明し、日頃の家事労働をねぎらい、彼女の思い遣りにお礼をいう。

 やはり彼女は犬のように性格がいい。犬の性格の良さに人間は遠く及ばない。だからこそ人は犬を飼うのだろうと、勝手に思い込んでいる。ちなみにKちゃんは戌年である。

 彼女の部屋のカレンダーには、前半のぎっしりな遊びの予定と共に、31日の欄には「宿題ピンチ!」と彼女自身の予言が書かれてある。なんとかセーフでいけそうな感じでもあるが、家事労働が彼女の日程を圧迫したのも事実である。が、「大変やったんやでー」と言いつつも、決して愚痴っぽくはならない。それどころか、今自分に出来る事を、常にサーチしている目配りには、平伏せざるを得ない。

 子どもを甘く見てはいけない。大人だって、たまには?子どもを見上げる立場になる時があるのだ。生活の中には、瞬間、あぶり出しのように浮き出て来る、心を動かす事件がある。テレビの感動話が、いかほどのものかと思う瞬間である。