紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

兄貴の薫陶

2009-06-30 23:35:00 | ファミリー
 塾帰りのKちゃんが、「ああ、あしたからもう、7月なんや!」とはっきりした声で言っていた。受験生でもあり、月日の経つ早さを、ひとしお感じるのかもしれない。それに明日からは学校の定期テストだし、負けず嫌いでひたむきな努力家のKちゃんは、必死のパッチである。

 先日、彼女と某高校のオープンキャンパスに出かけた。初オープンキャンパスだったが、暑くて体調が悪かったこともあり、今ひとつピンと来なかったが、来た事のない京都の道を歩くのが楽しそうだった。

 行く途中の道で、どこかのお店のラジオから、金管楽器の音楽が流れていた。

「おっ、これはA競馬場のファンファーレや」
女子中学生が、なんでこんなことに詳しいのかといえば、彼女の兄が高校時代に競馬にハマっていたからである。ふたりで休みの日に、テレビで競馬中継を見ていたのだ。

 ちなみに競馬の前には、ゴルフに凝っていたお兄ちゃんの影響で、ゴルフにも詳しい。ふたりでゴルフのテレビゲームなどもしていたようだ。彼女は兄貴の薫陶を受けて育っているのだ。仲良きことは美しき哉。

「それから京都競馬場のファンファーレはこんなんで」とメロディーを口まねしてくれる。
「女子中学生でそんなこと詳しい子って、ちょっといーひんで!」と歩きながら爆笑したら、気を良くして(?)
「東京競馬場はな、さすが都会やから、ファンファーレもかっこいいねんな!」と、ふたたびメロディーをくちずさんでくれる。「な、かっこええやろ?」「うんうん!」(笑)

 兄貴のおかげで、すっかりテリトリーの広い女子中学生になってしまったKちゃん。彼ら兄妹の会話を見聞きしていると、面白い程の凸凹コンビながら、意外に気の合う二人なのかもしれない。

『新選組』イメージの変遷

2009-06-29 00:42:00 | 読書
 漫画『風光る』について考え始めたら、もしかしてえらく深いものがあるのではと思い当たった。個人的な思考の中のとりとめない迷路を、むしろ楽しんでいる状態。これで論文(たぶんジェンダー論)が何本かけるか知れやしない。いや、もうすでに何本も書かれているかもしれないな。

 私の新選組イメージは、まず三谷さんの大河ドラマ『新選組!』で180度回転した。
 もともと持っていた、忠心ありきで、血なまぐさく硬直し、粛正を繰り返した乱暴な組織、というよろしからぬイメージが覆されたのだ。三谷さんの『新選組!』イメージを引き継ぐかのように『風光る』がやってきて、さらにイメージアップがはかられた(笑) 

 22巻では、主人公の少女隊士の、(沖田への愛の、なおかつ人間的な)強さを目の当たりにした斎藤一が驚嘆する場面で、彼女のことを「なんという女子だ。これではまるで、男より武士(おとこ)らしいではないか」と心中、賞賛するのがちょっとトリハダものだった。こんなこと斎藤先生以外、だれも気づかないぞ。

 新選組は、おとこおとこした物語だけではなく、史実的にも「できる!女子」があちこちに出てくるので、複雑に多角的で面白いんだ。渡辺多恵子先生は、その辺きっと確信犯だな(笑)

絶対斎藤主義!

2009-06-28 00:18:00 | 読書
 眠くて眠くて、PCの前ではあんなに何度も寝落ちたのに、そしてついにブログは諦めたというのに・・・告白すると、実はその後布団にもぐった後、ギンギンに目が冴えてしまったのでした。重ねて、もうしわけございません!!

 なぜ目が覚めてしまったのかというと、『風光る』の21、22巻を通読してしまったから! さらに言うなら、新選組きっての、男どもすら惑わす美少年(実は美少女)の主人公、神谷清三郎こと富永セイや、彼女が恋する一番隊組長の沖田総司というヒロイン、ヒーロークラスをしのぐほど紙面に露出し、しかも作者の愛情をたっぷり受けて精緻に書き込まれていたのが三番隊組長の斎藤一先生だったから! 斎藤先生ファンには、たまりません!

 2巻ぶっとおして読んでしまいましたよ! ・・・しかしセイと総司の生死を賭けた純愛よりも、むしろ武士道と恋心の狭間で悶々とし、かつ沖田への嫉妬に苛つく斎藤先生の、思春期の少年のように、妄想や夢や願望に迄Mされる悩み多き心情にがっちり心を掴まれる私って(笑) 

 斎藤先生の、清三郎(セイ)へのおもいを告げるけっこうストレートな言動ですら、「(新選組での)兄上」として彼を慕う清三郎(セイ)には、あっさりすりぬけてしまう、あの切なさがツボなのですよね。清三郎(セイ)にものすごく慕われ「兄上~(ハート)」と抱きつかれながらも、「恋愛対象」としては決して見てもらえない「生殺し」状態の斎藤先生に、笑いと胸キュンを同時に感じてしまうという(笑)

 そう、最愛の今は亡き兄の親友であった斎藤先生を、「兄上~」と無邪気に慕ってしまう清三郎(セイ)が、今回配置換えで同じ隊となり、身近にいる(しかも隣の布団で無邪気に眠ったりしている!)だけに一層、斎藤先生を苦悩に引きずり込むのですよね・・・おまけに沖田先生への思いを(寝ても醒めても!)無邪気に口にするし。なんて罪作りなヤツなんだ(笑)

 そんな罪作りなヤツに、心底惚れ抜いている斎藤先生は、たぶんこれからも作者と清三郎(セイ)と沖田先生に迄Mされ続けるだろうけれど、彼なりに、ひとつの決着を見たように思う。たぶん自分はセイの「兄上」として(ときにクラクラしながらも?笑)守ってゆく覚悟なのだろう。その切なさがかっこいいぞ、斎藤一!

 それにしても、新選組には桜が似合うなあ。明日をも知れぬ命の人たちで、まさに「俺たちに明日はない」状態だから、年単位の砂時計のような桜の散り際は、新選組には、かなりハマるのだ。
 大河ドラマの『新選組!』では、1年スパンの時間を桜に託して、沖田が同年の藤堂が伊東甲子太郎派に付き隊を出るときに「俺は今年の桜は見られても、来年の桜は見られないかもしれない」と自分の命が幾ばくもないことを告白するシーンが印象深かった。(でも「来年の桜」を見られなかったのは、実は藤堂の方だったのが悲しい皮肉で。よけい彼の死が哀れだった)

 『風光る』でも、そんな桜とセイの兄の思い出を、斎藤先生とセイだけが共有できたという、ロマンチックな場面があり、これがたいへん麗しい。しかも斎藤先生にとってはダイナミックにストーリーが変換する場面でもあり、すごく好きな桜のシーン。うっとりです。

 それにしても、セイの兄や沖田先生ですら、斎藤先生にセイをまかせたら(妻にしてもらったら)安心と口にしているのに・・・世の中って、うまくいかないもんですねえ、斎藤先生?

やるね、社長!

2009-06-26 09:52:00 | お買いもの
 やっとなんだかんだで、脱皮できたように思う。いや、脱皮というよりは、固い靴がやっと足になじんで来たというべきか。新しい仕事に違和感なく愛情を持てるまで、1年かかったのだ。

 1年もかかったのか、わずか1年だったのかはわからないが、やっぱり地続きの図書館の仕事とはいえ、本のジャンルがまるで違う新しい仕事が身に付くのは、なかなか大変なことである。きっと昆虫が幼虫を経て、さなぎ、成虫になるまでにも、幾多の困難が待ち受けているのであろう。

 ところで私同様、変化を遂げていたものがある。
 以前このブログでご紹介した、秋田県の「キモおいしいスイーツ」(「キモカワイイ」かどうかは、判断に迷うところかもしれないが)のお店のHPを久々に訪問したら、あっと驚く進化!?を遂げていた。

 えっ? 東北のお店って?という方もいらっしゃると思うので、新規参入の方は、こちらをご覧ください。だたし、虫嫌いの方、心臓!?に問題がある方は、やや躊躇や逡巡しつつオープンしてくださいませ。とくにショッキングな商品に関しては、お店側が配慮してモザイクをかけてはあるのだけど。

 そう、あの「カブトムシの幼虫チョコ」や、カラフルな「いもむしごろごろ(実は上生菓子)」を作りヒットさせた小松屋本店の職人社長が、続々と新商品を開発しているのだ!

 まずはインパクトは「いも虫」以上ともいえる、「はちのこモゾモゾ♪プチキャラメル」!!! これは・・・すごい、凄すぎる!
 箱に10個、キャンデー包みで入っているので、箱あけの瞬間はさほどではないのだが、キャラメルの包み紙を開いたら・・・

 ぎゃああああ~!!!

と、あちこちで悲鳴がわき起こるのではないかと、わくわく・・・いえ、ドキドキしそう。楽しいような、コワいような、残念なような複雑な心境だなあ。

 もっとも小松屋の常連さんは、すでに「幼虫」や「いも虫」で「キモおいしい」お菓子にはすっかり慣れっこになってしまい「もっと刺激を!」状態かもしれないので、そんな地元常連さんの期待にお応えしたい、という社長の心意気も感じられる。そんな常連客の「もっと刺激を!」には、十二分にお応えできていると思う。

 そして、もうひとつ刺激的な一品をご紹介したい。夏限定のクールな商品である「夏限定!いもむしプルプル」だ。
 こだわりの「葛」をひんやりコーティングしたみずみずしい口当たりの逸品。
 え、葛の中身は、って? そりゃ、もちろん上生菓子ですよ・・・見た目いもむしの! 「葛」のぬめっとした透明感が、それはもう、いもむし感をいやが上にも盛り上げます(笑)

 そして個人的には最もウケた「キュートなマカロン・サナギーヌ♪カラフル・パック」

商品紹介は、こんなです
ちょっぴりフレンチな”さなぎのお菓子”「サナギーヌ」がパックになって新登場です。
ストロベリークリーム入りのサナギーヌピンクと抹茶クリーム入りのサナギーヌグリーンが加わってとってもカラフルになっちゃいました。
キュートな出来ばえですが、お味にもこだわった ふんわりサクサク の焼き菓子です。
ご家族みんなで"さなぎの食感"をお楽しみ下さい(ニヤリ)。
 

キュートな出来映え・・・納得できるような、そうでないような・・・。これはどちらかといえば、マカロンをサナギの形にという図抜けた発想と、「サナギーヌ」という「ウナギイヌ」にも負けないネーミングが素晴らしすぎる(笑)

 でも職人技を駆使した、あっぱれな新商品だってあるのだ。長い商品名だが、長い分だけ社長の愛が込められているのだと思う、こんな商品。
「今にも飛び立ちそうな"蝶リアル" スイートバタフライ・キアゲハ♪チョコ&ウエハース」

 まさに、蝶リアル!! 看板にいつわりなし!

 そしてもうひとつ「超リアル!かぶと虫の成虫チョコレート♪」、いやもう、どこからみても、カブト虫ですって! でもチョコレートよりすごいのが、「特大!かぶと虫ケーキ」! このテカテカ、ツヤツヤが大迫力!

 さすが菓子職人兼社長、やりたい放題である。やるね、社長! これからも、ときどき進化を遂げているか、覗きにいきます。