紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

小学生の大発見

2006-04-30 22:14:23 | ファミリー
 晩ご飯のとき、たまたまお兄ちゃんにチャンネル権があったのか、CMの間だけチャンネルを変えて見ていたのか、テレビはプロ野球中継だった。

 スメ[ツに全く興味のない私とKちゃんだったが、突如思い出したように、Kちゃんがニヤニヤしながら発言した。

 「阪神の井川って、明治天皇にそっくりやねん!」

 即座に「ほんまや!ほんまや!」と爆笑する夫・H氏。目を伏せて笑いを堪えるお兄ちゃん。がぜん画面を見つめる私。折しも画面には縦縞の人達が映っている!

 「なー、井川ってャWション何っ!」どうしても見なければと焦る私。
 「ピッチャーやで」といいながら、Kちゃんは手回しよく「ジュニア歴史人物辞典」を本棚から引き出して、明治天皇の顔を見せてくれる。グッドタイミングで、ピッチャーのアップ! 太い眉、鋭い眼光、厚めの唇、骨格に沿ったシャープな顔立ち・・・おおお~! そっくりやん!

 「学校で、社会(歴史)の時間に○○くんが発見しやはったねん」
関西だけに阪神ファンの男子が多いのです。

 プロ野球の阪神戦を観る時には、ぜひ明治天皇と井川投手の顔を見比べてみてください。 

読みたい。けど読めない。その2

2006-04-29 21:46:16 | 読書
 読みたい。けど読めない・・・、というマンガがある。(やっと「その2」にたどり着けました!)

 『BSマンガ夜話』で業田良家さんの『自虐の詩』の回を観たのは、偶然だったのか意図していたのかは、もう覚えていない。2004年3月の上旬の頃だった。この番組のレギュラー出演者とは、たぶん違う好みや感じ方を持っているため、ことに少女マンガの回に関しては「う~ん・・・?」とか思ってしまう。だからめったに観ない。が、たまたま観た「みどりのマキバオー」(競馬まんが&競馬馬版ビルディングス・ロマン?まんが。つの丸・作)の回とかは、結構面白かったりもした。
 
 『自虐の詩』の回は、呉智英氏ほか各氏ヒートアップされ、思わずひき込まれてしまった。以前読んだ中野翠さんのエッセイでも、怒濤のように「4コマまんが」が感動の大河となる様を語られていた。番組のあった翌日、となり町、近江八幡市のユニークな品揃えの小さな本屋「イシオカ書店」に飛び込んだ。

 「店長!『自虐の詩』、ある?」
 これだけで何のまんがか解ってもらえる。
「あることはあるけど・・・」と癌からくる腰痛のため、ゆっくり、でも確実に棚に向かいながらも、なんとなく歯切れが悪い。衷走[文庫の緑のカバーの『自虐の詩』を棚から抜きながら「あることはあるけど、紙魚子さんのイメージではないと思う」。

 どう考えても客商売をしている人の発言とは思えないが、奥村店長はそういう人だった。客の喜ぶ(だろう)ものを売るのは、「お買い得やし、買ったら~?」とか冗談めかして(心安い客だけには)押し売りさんにもなる。 だから逆に客が買った本を読んで落胆するのが予想される事態は、純度100%の「本屋のおやじ」としてがまんできないのだ。

 2~3年という短い期間で、ほぼ私の読書傾向を把握されていたはずだ。店長の目に狂いがないことを知っているだけに、この言葉は、けっこうショックで動揺した。
 若い頃なら反発するようなことも、40を越えると「とりあえず飲み込んで反芻して考え続ける」ことも「いま理解できないことも直感で判断できる」ようにもなる。

 それでもあえて「持っとくだけでも、持っとくし、買っておくね」。
 とにかくイシオカ書店で出来る限り本を買うことは、とっくに私(と私の家族)の使命になっていたし。

 そのほぼ10日後、癌が悪化した店長は入院され、1ヶ月後にはお店が閉められた。その5ヶ月後、彼は天国に召された。

 『自虐の詩』(上・下)は1ページも、ひとつのまんがも読まれることなく、いまも購入時に挿まれた納品書がそのままになっている。
 これはたぶん、読めないだろうなあ、ずっと。

成分解析による紙魚子像

2006-04-28 08:34:47 | ノンジャンル
 せっかく昨日、格調高い話をしたばっかりなのに、今日はまたもや「おとぼけ話」に舞い戻ってしまう。蕃茄さんの日記のネタになっていた私の「名前による成分解析結果」が、ツボにはまってしまったので、彼の結果報告についての感想を書いてみたい。

 まずは蕃茄さんの日記より引用。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『今、ネット界では「成分分析」というのが流行っているそうだ。そのサイトに名前を入力すると、その人物の成分を分析してくれるというものだ。(略)
おっ他にも「女優含有率」なんてのがあるぞ。これは僕ってわけには行かないな。

「・・・・ の64%%は賀来千香子のハスキーさで出来ています
 ・・・・ の34%は十朱幸代の超越アンチエイジングで出来ています
 ・・・・ の2%は黒木香の間違ったエレガントで出来ています」

えー、これはだれでしょうか、といいますと、当蕃茄庵の常連、近江の濫読姫こと紙魚子さんである。賀来千香子、十朱幸代、黒木香とはいいなぁ。あ「瞳」じゃなくて「香」の方か。これは大変なことでございます。』

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 もう自分のことだというのを忘れ去って笑ってしまいましたー。

 でも残念ながら、私は女優さんについての知識が紙の様に薄い。だから「賀来千香子といわれましても?」という有り体で、これに対するツッコミができない。しょうがなくネット検索してみた。彼女と私の共通点。生まれた年と血液型だった。

 しかし「十朱幸代の超越アンチエイジング」については、コメントできる♪ この分析での大当たり部分。
 10年前、まだ30歳半ばの頃、息子の同級生が『「Tくんのお母さん、わかいなぁ」といっていた』、という話を息子より聞き、「ほんま?ほんま?」と単純に喜んだが、続きがあった。『「すごい若い!こどもみたいや」って』・・・こどもに「こども」呼ばわりされてもねぇ。

  「黒木香の間違ったエレガント」については、およそ「エレガント」という単語にはほど遠いので、たとえその前にいかなる形容詞がついていようとも、ワンランクアップしたような気になるのは、・・・やっぱり気のせいなのでございましょうか? 
 ちなみに、個人的な好みは瞳さんより香さん。その点では意外に?妥当なセンかもしれない。

 蕃茄さんの「成分分析結果発表」は続く。

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『でも考えてみれば、「紙魚子さん」というのも世を忍ぶ仮の姿。本名でやらなければいけない。では、図々しくもご本名を入力してみよう。


「♪♪♪♪ の91%は野村昭子の押し出しの強さで出来ています

 ♪♪♪♪ の7%は岩下志麻の大物感で出来ています

 ♪♪♪♪ の2%は市原悦子の演技っぽくない自然さで出来ています」


あわわ!! えらいこっちゃあ。コメントは差し控えさせていただきますぅ。紙魚子さんネタにしてゴメンね。

「成分分析」http://seibun.nosv.org/。興味のある方はいろいろ試してみてください。』


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 91%もの押し出しの強さがあればこんなに苦労してませんってー! あっ、でも自分が気づいてないだけかも!? おせっかいは焼くもんなあー。それが役に立つか逆効果かどうかは別として。
 野村昭子さんのイメージは、口も手も動かす元気なおばちゃんなのですが、それは私の「かくありたい」という理想像ですねえ。

 岩下志麻の大物感かー・・・こっそり告白するけど、ちょっと「ええやん」と思った部分。私が幼少の頃、父方の祖父が何の根拠も無く「この子は大物になる!」と断言したらしいです。いまだに大物ではないけれど、神経繊維は太いので(小心な割には)案外何があっても(少なくとも外見は)飄々としている。7%というビミョーさがいいな。

 市原悦子の自然さ・・・この辺は妙に当たっているようで、気になります。ノーメイク、ノーパーマだし。(ちょっと違うか) なのに2%なんですよね。

 やっぱり、自分のことは自分が一番わからないのかも。


武満ワールドに開眼

2006-04-27 22:40:42 | 読書
 定期購読はしていないけど、チェックは欠かせない雑誌がいくつかある。「件p新潮」もそのひとつ。イエスの12使徒や仏陀の弟子たちの特集は、ユーモアを交えながら(信徒が読んだら冒涜していると誤解されそう・・・とはらはらしつつも)、ぎっしりと書き込まれたエピソードや感動秘話を堪能したし、スペインの巡礼の道(サンティアゴ・デ・コンャXテーラ)の特集も、中国の贋作名人の特集も面白かった。

 最近は私好みの枠から少し遠のいていた「件p新潮」、久々にやってくれました。

 現在発売されている「件p新潮」5月号は「はじめての武満徹」http://book.shinchosha.co.jp/geishin/200605/tok.htmlー現代音楽の巨匠、故・武満徹さんの初心者向け特集である。私とは何かと因縁のある武満徹氏の特集とあっては、読まない訳にはいかない。職場で定期購読している「件p新潮」をお昼休みに閲覧するも、「これは買うしかない」と決意。本屋さんに注文した。とても面白かったのだ。

 軍需工場で聞いた一枚のレコード「聞かせてよ、愛の言葉を」が決定的な音楽との出会いになる。このシャンソンがからだに染み渡るように入って来て、音楽の道を志すことになったらしい。

 しかし貧しい彼には紙で手作りしたピアノを弾くことしかできず、まして音楽教育を受ける機会も無かった。おまけに重い結核で病弱だったが、彼なりに音楽を造って行くことで、仲間が出来、活動の場も増えていく。ジャンルを越えて、谷川俊太郎氏や和田誠氏とも交流が生まれる。

 今回武満さんと私との共通点も、いくつか発見した。画家のパウル・クレーが好き。バッハが好き。そういわれてみると、表立ってはもちろん違うのだけれど、武満さんの音楽の底にクレーやバッハのエッセンスを感じる。

 そう感じたのは、だけど昨日が最初かもしれない。谷川俊太郎氏とコラボレーションした合唱曲に、かすかに感じたことはあったかもしれないけど。でも邦楽器とオーケストラが共演した曲や映画音楽を聞いても、よくわからなかった。「件p新潮」でおすすめされていた「ギターのための12の歌」を昨日初めて聞いて、驚いた。くつろぎまくれるのだ。

 「ロンドンデリーの歌」「オーバー・ザ・レインボウ」「サマータイム」「早春賦」「星の世界」「ヒア・ゼア・アンド・エブリウェア」「ヘイ・ジュード」などなどの誰もが知っている曲に武満アレンジを加え、ギター・オンリーで演奏される。心疲れている人がいれば、ぜひ聴かせてあげたい音楽である。

 難解な武満イメージを一新してくれた「件p新潮」に拍手喝采だ。武満徹さんへの愛に溢れる1冊である。

 

ゆるキャラ日本一は?

2006-04-26 22:19:07 | テレビ
 去る4月20日のローカル放送(テレビ東京)『TVチャンピオン』の「ゆるキャラ日本一決定戦」http://www.tv-tokyo.co.jp/tvchamp/result/result.htm#1は、あやうく見逃すところだったのを、Kちゃんが5分か10分遅れながら、チャンネルを合わせてくれたおかげで、TVチャンピオン史上に残るような白熱した「ゆるい」バトルを網膜に焼き付けることが出来た。

 さすが、抜け目無く毎日TV欄をチェックするKちゃん。神様仏様Kちゃん様である。お母さんの蔵書の中にみうらじゅん氏の『ゆるキャラ大図鑑』があることも、彼女は知っている。母親想いの孝行娘である(自慢)。しかも内緒だがお兄ちゃんも着ぐるみが大好きなので、彼も非常にテンションが高まる。

 さて「ゆるキャラ」とは何なのかを、命名者のみうらじゅん氏に説明していただこう。

 「ゆるキャラとは全国各地で開催される地方自治体主催のイベントや、村おこし、名産品などのPRのために作られたキャラクターのこと。とくに着ぐるみとなったキャラクターを指す」(『ゆるキャラ大図鑑』みうらじゅん著、まえがきより)

 だから「ゆるキャラの所属」は「県庁」「区役所」「町役場」が多い。他にも観光協会やJA(農業組合)、選挙管理委員会などが地方色豊かに強いメッセージを発している。
 
 この番組をみて久しぶりに家族中が盛り上がった。年齢も好みも興味も違う人達がひとつの番組をみて心をひとつにするなんて、5年に一度あるかないか、かも。この日僅かな期間だったが、家族の結束が固まった。

 そういう訳でわが家では、最初からアツい空気がお茶の間に漂った。すでに始まっていた「第1ラウンド」は「ゆるキャラアピールウォーキング」。地区予選を勝ち抜いた30にん(すべて着ぐるみキャラ)が地区別(中国ブロックとか四国ブロック)に登場して自らをアピール。会場の100人中70人の票を集めれば第2ブロックへ進出できる。

 香川県の「サンモュん」は四国旅行の折り、駅前のオープニングイベントで遭遇して以来の出会いだ。そのときの爆笑ハプニングも思い出して、Kちゃんと二人で再会を果たした喜びに浸る。
 JA全農ひろしま所属の稲の妖精「いーねくん」は、歩きにくそうなバルーン着ぐるみだが、その非常な不器用さと愛らしさで短時間のうちに我家での人気を一身に集めた。いや、我家だけではない。彼はその後、みうらじゅん氏を始めとする審査委員の人気も一身に集めることになるのだ。

 ほかにもゆで卵を縦割りにしたような「ハンタマくん」はお兄ちゃんのお気に入りだったし、会場からも絶大な支持を集めていた。私はさっぽろテレビ塔の「非」公式キャラ「テレビ父さん」(48歳。奇しくも夫と同年)にも、心密かに想いを寄せていた。

 第2ラウンドは50メートル走だが、ゴール近くで超大型扇風機による強風という障害が待ち受けている。5人ずつ4組に分かれての勝負で上位二人は無条件に勝ち上がる。

 しかし! どんどん脱落していくのが、無情にも審査委員の(たぶん)ごひいきキャラ。彼らの心中に暗雲たちこめる気配が濃厚になり、いつのまにか「ゆるさ」の度合いで「救済枠」が設定されることになり、敗者復活がなされていく。これを「ひいき」というなかれ。あくまでも「人情」枠なのだ(笑)。

 これによって、バルーン着ぐるみで強風による空気漏れが激しい、ただでさえ足元が不確かな「いーねくん」が人情と温情によって救済されたのは、いうまでもないだろう。(我家では歓声のどよめきがあがった) 
 彼のここでの健闘は番組中何度もリプレイされ、ひとびとに爆笑と感動をもたらした。空気漏れで顔が皺くちゃになっても、強風でゴールまじかにも関わらず、あろうことかバックしてしまっても正義は勝つのだった。

 が、やはり決勝ラウンド「ゆるキャラ バトルロワイヤル」の全員勝ち抜き相撲は非情な勝負の世界になる。片手に特産品のアスパラを持ちつつも身の軽いスケソウダラの着ぐるみ「たら丸」が凶暴さを発揮し、ヒール(悪役)のような活躍を展開する。「ハンタマくん」もここで敗退した。(「テレビ父さん」は第3ラウンドの二択クイズですでに屈辱の敗退をした)

 そしてあの愛すべき「いーねくん」も、勝負半ばで土を付け、その瞬間、審査委員席からは落胆の声が上がり、その後言葉も無く肩を落とすみうらじゅん氏、糸井重里氏、安斉肇氏、坂下千里子氏・・・。ああ。
 だけど「いーねくん」は健闘した! 空気漏れのためタイムをかけテーピングをほどこして、よくがんばった。審査委員からも「フェニックスですね」という声がきかれたほど。

 勝負はもはや「たら丸」のひとり勝ちかと思えた。が、ほとんど動きのなかった秋田県所属「わか杉国体」のマスコットで杉の着ぐるみ「スギッチ」が、あやうく着ぐるみが脱げそうになったのが幸いし、なんと「ゆるキャラチャンピオン」に決定! 糸井重里氏は『「脱ぎ落とし』っていう決まり手だったかなとおもってますが」とコメントしていた。

 実に見所満載のエキサイティングかつ「く、くるしい!」というくらい笑いに笑った番組だった。この傑作を見逃した方々のために、そして我家では録画のチャンスをいただくために、ぜひ再放送を希望いたします。