紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

元気のもと

2009-06-08 23:13:00 | たべもの
 元気のもとは、やっぱり食べ物である。

 午前中に、おばあちゃんのお友達が、少し遠く引っ越されるので送別会をされることになり、彼女のご自宅までおばあちゃんを送って行った帰り、H氏よりメールが届いた。

 『冷蔵庫にケーキがある』

 やっほう~♪である。うきうきと家に戻って、収納品目がほとんど酒類でぎっしりな、タヌキ亭のチビ冷蔵庫をひらく。

 おおお~っ! パンや洋菓子の美味しい街、神戸からやってきたロールケーキではないですか~♪♪♪ これでとっておきの三時のおやつが出来る♪

 その後うっとりと『風光る』13巻目を読みつつ、いつしか眠りの中に・・・。
 ちなみに私はこのマンガのバージョンでいえば、クールで完璧なできる男なのに、主人公にだけは(惚れた弱みで)振り回されている斎藤一さんが、それはもう、お気に入り(『新選組!』版のオダギリジョーの斎藤さんとは、まったく別物ですが)。

 土方歳三さんの負けず嫌いな性格故の、キャラと行動の面白さが、どんどん暴露されていくのも楽しすぎる(笑) あの無表情な斎藤さんをして、腹がよじれるくらい爆笑させるんですからね。

 それで気がつけば2時。午後2時まで昏々と眠っていたなんて。午前中には、あれもして、これもして・・・という計画は消えはててしまった。しかも目覚めすっきり、とはいかず、身体は重いし、だるいし、モチベーションは下がる一方。

 でもとにかく何か食べなくちゃ。内面にて「ひとり昼食」のセレクト会議を行なう。結果、久しぶりにインスタントラーメンを食べてみる事に決定。丁度、先日スーパーで5袋入りの袋ラーメンを買ったばかりだったし。

 本日のラーメンは初挑戦の『日清 こだわりの醤油ラーメン』。赤地の袋が、なんとなく食欲をそそる。作り方もスピーディで簡単。

 これは、いかにも私好みなラーメンだったので、私的大ヒット。あっさりとした和風ラーメンで、スープも麺もラーメン情緒を感じさせる(笑) 何より、あのインスタントに特有な、重苦しくいやな後味がない。軽快でふっきりのいいラーメンである。
 デザートは、あのロールケーキだし。これでかなりの浮上である。

たべものの恨みはオソロシイ、というけれど、それくらい食べ物は大切なものなのでした。
  

ナゾの高級料亭

2009-06-05 18:23:00 | たべもの
 八日市の駅前は通勤路なので、仕事の日には朝夕通るのだが、ずっと発見できなくて不思議に思っていたお店がある。それも全国区で有名な高級料亭である。

 『招福楼』といえば、『家庭画報』や『婦人画報』や『和樂』が特集するほどのランクであり、セレブな奥様方を誘惑し、紳士の皆様なら、万が一にも失敗の許されない気を使う接待に利用するような場所である。東京にだってビルの最上階に店を出しているのだ。

 こんな泣く子も黙るランクの料亭なので、駅前にあるのなら、すぐにわかるはず、とタカをくくっていた。

 それが駅前を通って1年もたとうというのに、いまだ発見してないというのはどういうことだろう? 駅前に駐車場もあるので、絶対、駅からすぐの場所なのに。

 それも通勤の帰りには、趣味の良いお召し物の女将らしき方と、夏には涼しげな麻織物の上衣(バックに店名が品良く明記)を羽織った和風作務衣姿の番頭さん!?らしき男性のふたりが並んで、駅前でお客様をお出迎えのため待っておられる姿をたまに見かけたりもしたのだ。

 それなのに、お店がどこにあるのか、皆目わからないなんて!!

 ナゾが解けたのは昨日である。

 いつになく順調に装備(フィルムルックスで本をくるむ)の仕事がはかどり、切りよく終業時間を超えずに職場を出られた。時間に余裕を持った駅までの距離を、いつもとは違うルートに入ってみようと思い立った。
 夕方6時でも、もう充分明るいので、少し怪しげな路地裏に入ってみる。木造の古いさびれた旅籠のような家、ベンガラ格子の家などの時計が止まったような小路を通り過ぎ、角を曲がると、一気に小規模な木屋町のような夜のお店小路になる。コンクリートの小箱のようなスナックやバー、女の子募集の張り紙があるネオンがケバそうな店が立ち並んでいるが、まだ静かだ。

 どきどきしながらそれらを通り抜けると、この細い道の右手に、突如青々とした紅葉などの繁る深い和のアプローチがある。山荘のようにアプローチが深過ぎて、建物はまだ何も見えない。唐突に現れた場違いな空間に、ここは一体!?とあっけに取られていたら、開放された入口のそばに大きめの石がある。石に彫られている文字を見て驚愕。そう、ここが噂の『招福楼』だったのだ。

 吸い込まれそうに美しい緑の杜にうっとりしつつ通り過ぎれば、次にあるのは丼物のレプリカがショーケースに並んだ大衆食堂なのだが、レプリカがあまりに古く変色しているので、食欲もどこかにいってしまいそう。それより、まず営業しているのかどうかも不明なくらい寂れた感じだ。

 はじめてお店を訪ねて来た方は、たいてい順調にたどり着けない、とお店の方がどこの雑誌でおっしゃっていたようだが、そういうことだったのだ。まさに曹ォ溜めに鶴、天水桶に竜である。

 もっとも夜の懐石が3万円~、ランチタイムの懐石ですら1万5千円~では、とてもうっかり暖簾をくぐる訳にはいかない。
 なにしろ『日本文化の総合演出を目指し「禅の精神とお茶の心を基とする料理」をお楽しみいただく』という壮大な懐石料理の宇宙である。極上の美意識と、古典や美術、茶道具や庭園や陶器などへのたしなみと教養を持ち合わせずば、『招福楼』を高いパーセンテージで味わえず大損した気分になるではないか、という畏れすら感じる。

 そういう意味では、今も、そしてたぶんこれからも、変わることなくナゾのお店でありつづけそう。

大山崎のおまけ

2009-01-16 17:46:33 | たべもの
 プレイバックして、大山崎山荘美術館に向かう前に、お昼ご飯をれんくみさんとご一緒した。ハラが減ってはイクサはできないのである。イクサの前の腹ごしらえである。

 実は数日前に駅近くでいいところはないか、ネット上を見回したところ、なんと駅前すぐのところにうってつけと思われる場所を発見。アクセスだけでなく、雰囲気よし、味よし、お値段もリーズナブル、らしい。そういう訳で、駅前正面のホテルの1Fにある『カフェtabitabi(タビタビ)』でランチタイムをとることにした。

 そしていまや私は、今後、大山崎山荘美術館に行く時には、必ずここで腹ごしらえしてから、イクサに挑むことを誓った。数回この美術館にきているのに、今までとってもソンしていた気分を味わった。それくらい私が気に入ってしまったカフェなのである。

 私たちは(たぶん日替わり)ランチをセレクトしたが、この日のメインディッシュは『たら南蛮』で、ごはんとお味噌汁、煮豆、レンコンの煮物などの和定食。その全てが絶妙に美味しく、やさしい味がした。ことに「たら南蛮」は期待薄だっただけに、その甘酸っぱさの絶妙さと、薄く衣をまとった鱈の天ぷらのさくさく感に打ちのめされた。まさに「こんな美味しいものが世の中にあるのか!?」というくらい。

 大学生のときに初めて中華丼を食べたとき、ちょっとオトナなごはん屋さんの定食に「にしんなすび」がついていたのを食べた時、感涙にむせぶほどだったが、それらに匹敵するおいしさだった。

 で、感涙にむせぶときには、よしもとばななの『キッチン』よろしく、この味をお持ち帰りする決意を固める。『キッチン』ではムリを言って厨房でつくってもらったものをお持ち帰りする、いわゆるデリバリーだった。でも普通そんなことはできない。味の記憶をインプットし、味の成分を分析し、帰り道で材料を購入し、その日の内に晩ご飯として作成する。味の記憶が鮮明なうちにトライしないと二度と作れないからだ。

 こうして私の料理のレパートリーがひとつ増え、好評絶讃のうちに我が家の「たら南蛮」は完売したのである。

北と南の地サイダー

2008-11-30 23:57:11 | たべもの
 『地サイダー読本』読了。読了、というほどには、字の部分が少ないのだけれど。

 それでこの本に掲載されている限りでは、地サイダーの充実しているのが、東北と九州だということに気付いた。九州は、温泉も多いし、やはり南国だから需要もあるのだろうと思うのだが、東北でバラエティに富んだサイダーが作られているのが、意外だった。

 それも『みしまバナナサイダー』とか『金華サイダー シークヮーサー』とか『共栄パインサイダー』とか、どうみても南国フルーツ味のサイダーが市民権を得ているようなのである。どう考えても東北地方でバナナやパインや、ましてシークヮーサーなどを栽狽オているとは思えない。

 この答は本書であかされている。東北の人々は昔は冬になると雪に降り込められ、口にする機会も少ないことも合わせて、南国のフルーツに憧憬と思慕を募らせていたようなのである。彼らの執念とも思える南国への憧れが、南国フルーツ味を希求したらしい。しかもそれらは、すべて大変おいしそう。

 一方、九州のほとんどのサイダーは、あくまでそのサイダーそのものの味で勝負を賭けている。(宮崎のマンゴー味などはむしろ例外で最近のもの。老舗のサイダー製造所はボトル/ラベルに至るまで誇り高く気合いが入っている)
 私がとても気になったのは『謹製サイダァ』。一見まるで日本酒のようなボトルパッケージ。和紙ラベルに筆文字という純和風で上品な装い。ただものではない、と直感したが、はたして料亭や旅館、寿司店などにのみ販売されている格の高いお方なのだった。一般のお客には、それらのお店を通してしかお目どおりできない、やんごとなきお嬢様なのである。

 他にも楽しい趣向が凝らされた地サイダーなども紹介され、たかがサイダー、されどサイダーという気分。あのしゅわぁっという音や、コッブの内側に付く無数の泡が、めくるめくほど爽やかな気分にさせてくれる、ファンタジーに満ちた飲み物なのである。

*追記:アーサー・ビナードさんの講演のあった夜、図書館職員さんで彼を囲むお食事会に出席された方がいらっしゃり、その方とゆっくりお話できる機会があったので(ふだんは忙しくてお話どころではない)、ビナードさん自身の講演の感想などを聞いてみた。
やはり、中学生のなかにも熱心に聞いていてくれた子も少数ながらいるのが、講演しているビナードさんにもわかっていたとのこと。自分の話が届く子どもたちがいた、ということで納得されておられたという話を聞いて、ああよかった!と、うれしく思ったことを報告しておきます。

ダッシュでごはん!

2008-11-26 00:21:13 | たべもの
 夕方より図書館へ行く。予想以上におばあちゃん用の本を選ぶのに時間がかかってしまった。

 おばあちゃんのリクエストは自叙伝(もしくは生き方)なのだが、ただし金持ちの家で育った苦労知らずの(?)人は気に食わないようなので、それなら思いっきり苦労して育った中村久子さんの『こころの手足』を検索するも、貸出し中で出端をくじかれる。30分かかって5冊程度見繕った。

 家に帰り、薪ストーブに火を入れ、神仏関係の片づけ(水やご飯の引き上げ)をし、晩ご飯の用意を!とそそくさとしているところにKちゃんがやってきて「お好み焼きが食べたい」とのたまう。

「材料はあるけど、作ってる時間はない」と一度は却下するも、実は私もお好み焼きが食べたかったようなのに気付き、下ごしらえが一段落したときに、お好み焼きに取りかかる。これは今までで一番の出来だったような気がする。

 その次にひき肉入りオムレツを作ったが、こちらは調味料を入れた後、かき混ぜる事を忘れていたようで、失敗。Kちゃんが、これを口にして、咳き込みながら「なにこれ? ここには塩のカタマリが入ってるし、こっちは砂糖がジャリジャリやし」と言ったとき、初めて失敗であることに気付いた。
「ごめん。罰ゲームみたいなオムレツつくってしもた」

 八宝菜や鱈の煮物、まぐろの山鰍ッなどは、まずまずの出来。もっともまぐろの山鰍ッは失敗の仕様がないけれどね。マグロを切ってとろろ芋をすりおろすだけだし。
 
 おとといは偶然、出勤途中の電車で、本日はほんの数日前に計画して、全く違うテリトリーの友だちに会い、いろいろおしゃべりができた。他愛無くしゃべる、それだけでなんだか元気になる。名字は違うけれど、偶然ふたりともTさん。