紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

13日の金曜日 ムー民編

2009-03-19 23:07:00 | ラジオ
 昨日の続き、『コラムの花道』3月13日のオーケンの話は古武道演技から、なぜか月刊誌『ムー』へと流れて行く。「世界のナゾと不思議に挑戦する」というキャプションがついている、スピリチャル&オカルト好きな人が購入する(らしい)雑誌である。(ちなみに私の職場には置いてないが、地元の図書館にはきっちり入っている)

 レコーディングでヒマな時、オーケンはこれを読んでいるらしい。もちろん、一筋縄ではいかないオーケンが『ムー』を読む目的は、不思議大好き!というより、笑える『ツッコミ』どころを探すためである(のではないかと思われる)

 「今、『ムー』が、いい流れになっているんですよ~」

 いい流れって? 誰もがそう思う(だろう)。『ムー』といえば超常現象かナゾの古代文明や失われた大陸と、相場が決まっているのではないのか?

「『ムー民の広場』という読者投稿欄があるんですけど、その08年10月号では『まっくろくろすけは実在する!』という投稿をした方がいらっしゃるんです」
 その方は福岡県のふくちゃん(ハートマーク付き) 59歳となっているらしい(ここでラジオスタジオ内、爆笑)

「で、09年1月号では『私は猫バスを見た!』という人が出て来て、『ムー』じゃ今、ジブリ系がトレンドなんです」という解説が入る。

 気になったので、私も最新号09年4月号をチェックしてみた。すると、たしかにジブリ系がトレンドなのがみてとれた。しかも読者投稿欄ではなく、なんと本誌にて取り上げられていたのだ。以下の記事である。

アニメ「千と千尋の神隠し」のモデルになった里で行われる神々の饗宴
伊那谷の霜月祭

昭和54年に国の重要無形文化財に指定された「遠山霜月祭」。
長野県飯田市にある“遠山郷”は長野県有数の秘境と呼ばれ、この地で行われる霜月祭は、宮崎駿監督にも大きな影響を与えた秘祭である。


 一方、スピリチャルな事柄に関心が深い作家でもあるよしもとばななさんと、サイキックチャネラーであるウィリアム・レーネンさんの宇宙人バナシに始終する対談(『ムー』のムックにて?)についても、オーケンは以下のように大胆に解説されている。

 「いきなり『ETは地球に来ている』とボケで始めるレーネンさんに対し、「え~!?」と常識的な驚きの突っ込みをせず、『それは見た事があります』と、ボケに対し、まさかの意表を突くボケで対抗するばななさん。
 まるで『笑い飯』のような、見事なWボケである」
 
 ボケに対してボケつぶしで挑み、相手の次なるボケを読み、相手のボケに嫉妬し、果てしないボケのスパイラルに突入する前代未聞の対談。そんな状態を打破したい常識人の編集者を困惑させるも、最後にはそんな編集者さえも諦念させ、オチは3人でボケるのだ、と。

 レーネンさんとばななさんの対談は書籍になっているので、「倹lの方はボケの勉強に使ってください」ということです。

13日の金曜日 古武道編

2009-03-18 23:06:00 | ラジオ
 3月13日の金曜日にオンエアされた『コラムの花道』は、オーケンこと大槻ケンヂさんだった。私はャbドキャストで今日聴いたのだけれど、あまりの面白さに2回聴いてしまった。2回目は、ツボだった箇所をメモを取りながらである。今日はその前半部分を紹介。

 ロックミュージシャンでボーカルを担当している大槻ケンヂさんは、レコーディングのときヒマ(!?)だったので、スタジオを抜け出し散歩に出かけたそうである。

 散歩中、武道館を通りかかると『古武道演技大会』なるものをされていたので、500円払って入場された。

 券\人が目標とする武道館コンサートの会場である。その舞台には、長刀の演技者はたった二人だったそうだ。驚くオーケン。
「『パヒューム』のコンサートより、さらに一人足らないんですよ!」と、わかりやすい(笑)比喩で驚きを表現される。
 しかも長刀演技者の肩書きが、一人は当然『宗家』なのだが、もうひとりの肩書きが『准(準?)免許虎の巻』というそうなのだ!! まるで看護士と忍者を足して2で割ったような肩書きである。おもいっきり、ツボにハマってしまった。古武術、ことに長刀の世界、あなどるべからず!

 他にも、居合い抜き、拳法、鎖鎌(くさりがま)、2丁鎌などの演技が繰り広げられていたが、オーケンが一番ツボだったのが、根岸流手裏剣術だそう。
 煮染めた油揚げのような畳に向かって、手裏剣門下生たちが模範演技をみせるのだが、それが一つも刺さらないのだ。礼儀に厳しい古武術らしく、客席はしんと静かだったのだが、「ひとつも刺さらない」という驚愕の現実の前に、さすがにざわざわと落ち着かなくなる。

 ところが。ワンブレイクの後、門下生の手裏剣は全て畳みに刺さるのだ!ざわめきが一瞬のうちに「おお~!」というどよめきに変わる。

 「つまり、これは演出なんですよね」とオーケン。それってトランプ手品では・・・と意表を突かれる演出に驚く、と同時に呆れ気味の司会者。まさか古武道の世界で、トランプ手品の演出がされているとは!

 火縄銃の演技(空砲だけど)が始まった頃、オーケンはお弁当を食べにスタジオに戻ったのだった。

 



コラムの花道

2009-03-14 23:19:00 | ラジオ
 braryさんに教えていただいたラジオ番組『コラムの花道』を聴こうと思いたち、PCで検索し、コンテンツを見る。

 3月12日のプログラムに思わず釘付け。そこには、こんな言葉が。

3/12(木)コラムの花道は、マイブームの教祖・みうらじゅんさんです。
ストリームでのご出演は最後!永久保存版、間違いなし!


 これは聴かなくちゃ!

 最近出た彼の本『みうらじゅん対談集 正論。』『脳内天国』新装版についての話なのだけど、あまりの面白さに、思わずH氏へのメールに貼付けて送ってしまいましたよ! 感想をきけば、楽しんでいただいたようで。

 「なんだか誤解を招くタイトルですよね」というところから話を振られるみうらさん。

 『正論。』はいかにも、な、みうらさんの知人友人たちとの(みうらさんいはく、「酒に飲まれて」初めて出てくる)「正論」な対談集。対談相手の名前を見ているだけで、読みたい気持ちが溢れます。

 そして問題の『脳内天国』。
「脳の話だと勘違いする人がいるみたいで、間違って図書館に入ったりしているみたいだけど、もちろん『脳内天国』といえば、エロ話でしょう!」

 しかも女性による淡々とした朗読が聴けるCDが付いている。いかにもみうらさんらしい、サービス精神溢れる付録付き。これは「ほしいよね、ききたいよね!!」とH氏とやけに盛り上がる。私が利用できる図書館を検索したら、残念ながら入っておらず。そりゃもう、しっかり選書されてるからなあ(笑)

 ということで、御用とお急ぎでない方は、『コラムの花道(3月12日分)』をお聴きください。

村上春樹にご執心

2009-01-12 16:55:10 | ラジオ
 今週は祝日の振り替えで一日休日が増えて3連休に。

 本日がその第1日目。昨日は睡眠不足の日々が祟ったのか、疲れ果てていた。今日の午前中も下半身脱力状態だったのをいいことにのんびりと過ごす、つもりが、なぜか居間の本棚の片づけに半日を費やしてしまった。昨年より気になる部分がやっとすっきりしたからいいんだけどね。

 それでも「明日の前唐オの家事」というのがないので、気分はずいぶん楽勝。今日の晩ご飯のことだけ考えたらいいのって、ほんと頭の上に音符が三つほど浮かんでいそうにほっとしている。

 もうすぐハタチになるお兄ちゃんは、成人式には行かず家でだらだらしていたのだが、隣町の彼が卒業した学校の元クラスメイトより「今、同窓会してるんやけど、来る?」というメールが入った。「(事前に)呼ばれへんかったんや・・・」としょげていた彼に、「たぶん成人式の流れでインスタント同窓会が成立したからと違う? ハズされてたら、メールも来ひんから」というと、ホッとしたように「いきます」メールをして、隣町まで送ってあげることに。

 これが幸いして、私はNHK/AMラジオで放送されていた番組(再放送?)『村上春樹の音楽をめぐる冒険』という番組を聴くことができた。カーラジオがたまたまそのチャンネルに合わさっていて、しかも付けっぱなしだったのだ。ラッキー!! H氏に感謝。

 村上春樹作品とそのなかで効果的に使われる音楽についての感想や解題なのであるが、その場にはいらっしゃらなかったが収録された内田樹さんの解説が、口調はラフながら、深く鋭い。さすが『村上春樹にご用心』を書かれた方である。

 村上春樹作品に頻繁に登場する「壁の向こうとこちら」というのは生と死の世界であり、死の世界が薄皮一枚の差で向こう側にあることを自覚すると、いまこの生を謳歌している自分が身に染みていとおしく思え、今の状況に感謝出来る、というのだ。
 たとえば、こたつで蜜柑を食べていること、冷えたビールを暖かい部屋で飲んでいること。そんな平凡な日常こそが、豊穣で極上の体験となる、みたいなことをおっしゃっていた。「一番の不幸は『今の自分の状態より、もっといい状態になれるはずの自分がいるんじゃないか』と欠落感を抱えて生きることです」とも。

 これは決して目新しい話ではないし、むしろあたりまえの話ではあるけれど、きっぱりと自信満々で、楽天的というか能天気でさえあるような口調と音声で聴くと、改めて「そうそう!」と心強く思うんですよね(笑)

 村上春樹作品のいくつかの作品の一部を、アナウンサーの「朗読」という形できけたこともまた、貴重な体験。黙読することと音で聴くことがこんなに違うイメージをもたらすのかと驚きます。私は「蜂蜜パイ」(『神の子どもたちはみな踊る』収録)の朗読が、私にとっては、もっとも村上春樹さんの作品イメージに近くて好きでした。

 おっと、「アフターダーク」の不気味でゾッとする状況のリアルさにも、すっかり引き込まれてしまって、登場人物同様ゾゾッとしてしまったし。なにしろ、「続きはどうなるんやー!!」ともはや心は宙吊りでしたからね。

 しかし村上春樹作品の比喩の素晴らしさには、改めて唸ってしまうわ。空けた缶ビールの若干のプルリングを「まるで半魚人のウロコのよう」なんて比喩、彼以外に誰が思いつくかしら? 『メ[トレイト・イン・ジャズ』なんて、一文一文が、それこそ筆からぽろぽろ「こぼれ落ちる宝石みたいに、床に散らばって輝いて」いるみたいだし。いちいち深く感動してしまう。たとえ、そのミュージシャンや彼の音楽を知らなくてさえ。
 
 作品に登場する音楽を、実際に耳に出来たのもうれしかったし。

 本当はお兄ちゃんを送った足で買い物に行くはずだったけれど、いやもう買い物どころではなくなっちゃったのでした。家にもどって、すかさずラジオのチャンネルを番組に合わせて、台所で耳を傾けていました。おかげで晩ご飯は家にあるもので、やや手間をかけてつくることになり、予定は大幅に変更。

 とまあそういう休日第一日目を過ごしたのでした。 

『あめふり』の新イメージ?

2008-11-24 23:25:43 | ラジオ
 本日はNHK-FMにて『今日は一日童謡/唱歌三昧』という番組をしていることをお昼に知る。今までにもう充分!というほど聴いたに違いない童謡『あめふり』を聴いているうちに、この主人公の男の子にどしどし突っ込みたい気持ちがむくむくと湧いて来た。

 出だしから、いきなり『♪あめあめふれふれ』である。明らかに雨が激しく降る事を喜び、なおかつ、それを大変願っているフシさえある。八代亜紀はこの後『♪私のいいひと連れてこい~』と歌ったが、彼の場合、『かあさんがジャノメでお迎えうれしいな』という確信犯なのである。『連れてこい~』と命令形もあんまりだと思うが、命令するまでもなく「かあさんは来るに決まってる♪」という傲慢な思い込みに、ややむっとする。

 しかも命令形の八代亜紀でさえ、『♪あめあめふれふれ』のフレーズは中盤の山場でやっと登場するというのに、頭からいきなり『♪あめあめふれふれ』とは、なんとエゴイスティックな性格の男子であろうか。雨が降れば困る子もいるのである。雨が降ればお母さんが呼ばれずとも迎えに来てくれるようなクラスメイトばかりではないことに気付かぬのであろうか? むかむか。

 歌詞の最後は必ず『ピッチピッチ ジャブジャブ ランランラン♪』で締められる。いかにも無邪気な男子を装っている用意周到なところも、憎らしい。

 3番では雨に降り込められ、傘も、むろん母親のお迎えなどあろうはずもない子と、この恐るべき男子との邂逅が歌われる。以下が3番の歌詞である。

あらあら あのこは ずぶぬれだ
やなぎの ねかたで ないている
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン


ずぶぬれになるほどの雨を望んだのは彼なのに、「あらあら」なんて、白々しいにもほどがある。しかも「泣いている」子を見ながら『ピッチピッチ ジャブジャブ ランランラン♪』と楽しげなのだ。このあきれた裏表さ加減の次に、いよいよ4番が来る。

かあさん ぼくのを かしましょか
きみきみ このかさ さしたまえ
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン


 なんたる偽善! もしくはたくらみ! 
 楽しげな『ランランラン♪』の後に『ぼくのを かしましょか』とくればもう、下心は見え見えだ。もちろん泣いている子は美少女なので、これをキッカケにお付き合い出来れば・・・という思惑が見え隠れする(ような気がする)。

 しかも唐突に『きみきみ このかさ さしたまえ』って!! 『さしたまえ』って、とてもあどけないお子様のお言葉とは思えません!!

 山上たつひこ先生のマンガ『がきデカ』で、主人公のこまわり君がふいにメガネをかけ腕カバーをしたサラリーマンのおっさんに変貌するシュールなシーンがフラッシュバックした。なんせ『さしたまえ』ですよ!

 そしてラストは 

ぼくなら いいんだ かあさんの
おおきな じゃのめに はいってく
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン


 なのだ。マザコン振り全開である。母親と相合い傘で『♪ランランラン』なのだ。ナンパもどきを実行しながら、脇が甘すぎる! せっかくのオトナな『さしたまえ』が、あまりのギャップで空疎に響く。

 私は、ずいぶん永い間、無邪気な『ピッチピッチ ジャブジャブ ランランラン♪』に騙されていたような気がする。危ないアブナイ。しかしなんて長期間騙されていたのであろうか。『あめふり』、そして作詞を担当した北原白秋、恐るべし!