紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

ミウラさーん!

2009-01-31 23:43:43 | おしごと
 図書館の小説の棚は、著者名順に本が並んでいる。

 その中でも波乱に富んでいるのが「ミウラ」姓の一角である。トップは「三浦綾子」さん。キリスト教をベースにした、深い信仰心や救いや罪について、感動的に描かれた小説を書かれた方である。とてもまじめな方なのである。

 で、その後にくるのが「三浦しをん」さんだったり「みうらじゅん」さんだったりするのだ。彼らが三浦綾子さんと肩をならべるとは・・・。「いいのだろうか・・・?」とやや気をもんでしまったりする。

 それから三浦哲郎さんが続くのはよしとして、めっきり読まれなくなったとはいえ、三浦朱門という方もいらっしゃるのだった! たぶんいまや小説よりエッセイを書く方に情熱を傾けられていらっしゃるので、小説の棚ではあまりお見かけしない気がするのだけれど。

 三浦さんたちは、名字が一緒とはいえ、意思統一はどうにもはかれそうにない。キャラの振り幅があまりに大きい。とても同室で囲い込めるとは思えない。大混戦状態と言っていいと思う。

 真夜中に大乱闘がミウラコーナーで始まっていないかと、ちょっと妄想してしまう。しかしこれだけベクトル違う同姓の作家さんたちが一同に会するとは。この棚の前に立つ度、なんともいえない感慨に浸ってしまうのである。




『20世紀少年』とミセス山口

2009-01-30 23:56:10 | テレビ
 今日の予定は盛りだくさんだったけれど、時間をどんどん押しつつも、省略することなく珍しくすべてクリアした。それはよかったのだが、今日の晩ご飯の準備に見事に食い込んで、それはまあいいとしても、明日のご飯の用意が22時を超えてしまったため、テレビで放映していた『20世紀少年』が細切れかつ半分以上は見られなかった。漫画は1巻で挫折したけれど、映画は役者ぞろいでひきこまれる。たぶんストーリーもずいぶん整理され、わかりやすくなっているはず。

 私が見たいちばんぞっとした場面は、首魁『ともだち』をあがめる集団が、赤ん坊の「カンナ」をケンヂから奪おうとして失敗してしまうところ。
「失敗した」「失敗した」「失敗した」
「責任者はだれだ」「責任者はだれだ」「責任者はだれだ」
「こいつだ」「こいつだ」「こいつだ」
「責任をとってもらおうか」
そして責任を取らせる。

 これって、まさしく現代社会っぽくて「まんま、じゃん」と唖然とする。しかもすごい幼稚な思考回路。こんなの、もしも子どもの世界に蔓延してたらと思うと、ぞっとする。短絡で極端。
 
 しかしなあ、私は『ともだち』より、むしろ計画的にタイミングを見計らい、日本人の財布の紐を自由に操る『放映』という見え透いたコマーシャルの方が浮「かも。
 Kちゃん、「こんなん見たら、(映画の)『第2章』見に行かんわけにはいかへんし。そやけど、DVD発売やのうて、レンタル開始、っていうところが、なあ」と、あまりの銭ゲバぶりに呆然。

 そういえば『銭ゲバ』も映像化された(る?)みたいで。原作の毒気溢れる絵柄を知っているものとしては、実写にすると抜け落ちるものがあまりにも多いのでは?と心配していたりする。

 今日の計画のひとつに東大出版会のPR誌『UP』に連載されている山口晃氏の『すずしろ日記』を読みに、地元の図書館へ行く、というのもあった。最近の5冊を出していただき、館内閲覧した。その中に、国立劇場に歌舞伎をご夫婦で見に行く、というネタがあった。ミスター山口は、むろん井伊直弼を主人公とする歌舞伎鑑賞が目的だったのだが、ミセス山口の目的が、彦根藩主を主人公にした歌舞伎だから、という理由でのみ滋賀県は彦根市から出張してきた「ひこにゃん」を一目見ようという目論みだったのである。

 残念ながら大人気の「ひこにゃん」は群衆に囲まれミセスはチラ見した程度で、「またね~」とエレベーターに乗り込む「ひこにゃん」を見送るのみ。ミセス山口が「ひこにゃん」ファンだったとはね。彦根市は山口晃さんを格安でお呼びできるかも。ご夫婦で招待して、接待はもちろん、ひこにゃんのお役目、ということで。

くいしんぼう、ばんざい。

2009-01-29 23:51:14 | 家事
 ほとんどムキになって料理をして、その経過などをブログにアップするので、「料理が好きなんですか?」と聞かれたりして、絶句する。もちろん嫌いではないが、好きか?と聞かれると素直にウンとはいえない。種類を展開しなかればならないので、一日3品くらいで収まったら、どんなにか楽だろうと夢想する。

 家族のためにがんばっている「おかーさん」という部分もあるのだろうが、そんな義務感(と愛情)だけなら、これほどのモチベーションは維持できない。

 やっぱり最終的には「だって、おいしいものが食べたいんだから」。これですね。自分がおいしいものが食べたい。料亭やその辺のレストランに負けないくらいのものを、日常的に食べたい。この一念です。

夢の3シェフ登場!

2009-01-28 11:36:20 | テレビ
 今日もNHK総合で、朝8時半すぎからの『生活ほっとモーニング』は「月に一度の夢の3シェフ(日本料理/イタリアン/中国料理)競演」だったので、ゴミ出しを終え、洗濯物をなかば放置した状態で、テレビの前でスタンバイ。

 今回はエビがテーマ。メニュー紹介の時点で、それぞれにあまりにも美味しそうなできあがりに「今日の晩ご飯はエビ!」と冒頭より、思いっきり洗脳される。

 メニューは、本場の(ケチャップを使わない)エビチリ、有頭エビをまるごと使ったエビのトマトスパゲッティ、繊細な手順で作られたエビの黄身据aえ。ね、おいしそうでしょ?

 各料理界のプロフェッショナルが、惜しげもなくその腕を披露し、コツを伝授してくれる。たぶんそれだけなら、これほどまでに見ていて心地いい番組にはならなかっただろう。畑違いながら、好奇心も向上心もあるプロの料理人たちが、実に熱心に実演しているシェフの手際をみているのだ。亀の子のように首を伸ばしたり、火加減を覗き込んだり、途中の味見に神経を集中させたり、ときに質問し、感心し、びっくりし、賞賛する。

 こうやって人は成長していくんだろうな、という仕事への真摯な向き合い方と人間関係のあり方のお手本を見ているようだ。

 今回私が注目したのは、イタリア料理の落合さん。日本人なのにイタリア語講座のジロラモさんにちょっと似ている。2年以上に渡り、イタリア各地で修行を積んだ成果なのか? ソフトなイケメンである。でも問題は顔ではない。というか、私は3人ともとても好きな顔なのだ。素直に内面が出ている顔なので。

 落合さんは、番組中、自分が料理をしている最中に中嶋さんから、ご意見ご感想が入ると「おっしゃるとおりです」「まさにそのとおりです」と心底うれしそうに同意されていた。その謙虚で柔らかな物腰に、ちょっとグラッと(笑)

 その後パスタの試食の後、エビのトマトソースを服の胸のところにつけてしまった日本料理の中嶋さん。自分の料理の番だというのに汚れちまったユニフォーム?で登場せざるをえず、「こどもだね」としょげていらした。とても胸のあたりを気にして擦ったりしていたのを見て、落合さんが「大丈夫!大丈夫!」と、あたたかくに声援を送られていて、その母性的な優しさに、またしてもグラッと(笑)

 落合さんは、3人の中ではひかえめなキャラではあるが、個性的な二人を繋ぐ、なくてはならないお方であったのだ。

 落合さんは、少女漫画やドラマに登場する、ヒロインが想いを寄せる個性的な男性Aより、性格的には絶対こっちの方がいいわよ!と読者/視聴者が思う、ヒロインに想いを寄せるもうひとりの典型的な男性キャラBだ。性格どころか、ときには家柄も顔立ちもなにもかも恵まれていたりする。そしてまさに、Bの想いは一瞬かないそうになり、B本人も「もしかすると!?」と希望をもったりするのだが、結果はいつも悲しい結末なのである。いい人故に、いい人らしくヒロインの幸せを祈りながら去っていったりするので、彼の悲劇性は高まり、女性読者/視聴者の支持が高まる。おかげで作者は、「Bとヒロインをくっつけてあげて!」と懇願のおたよりを山のように受け取ったりするのである。
 落合さんは、今日より私の中で勝手ながら「永遠の二番手であるBキャラ」として、定着したのであった。

 そのBキャラの落合さんが、私の心を動かした場面がもうひとつ。
 できたての「エビのトマトソーススパゲッティ」を、「うまい」「おいしい」「いくらでもいけるね」と2シェフが賞賛しつつ、おいしさのあまり、つい寡黙になってしまったりしているのを、実にうれしそうに、顔中シワにして微笑んでみてらしたところ。
 「自分が自信を持って作ったおいしいものを、おいしい、おいしい、と食べてもらう極上の喜び」がそこにあったのだ。落合さんはサービス精神の塊なのである。まさにプロの料理人の、会心の笑顔である。

追記:晩ご飯は孫先生のエビチリを作ってみました。豆板醤の効いた辛い料理だったのに、Kちゃんはへいちゃら。H氏は大満足。でも私は予想以上に苦戦しました。せっかくレトルトのたれではなく、手作りで作るんだからと、大量のエビを解凍したため、背わた取りと揚げる段階で、大幅に時間を取ったのです。でも、本当においしかった! 大量に作って正解でした。

ひといきついて。

2009-01-27 00:33:29 | おしごと
 今日は客足がいくぶんかはまばらで、いかにも平日の図書館な感じ。落ち着いたカウンターを確認しながら、配架(棚に本を戻す)作業にいそしむ。でもちょっと目を離した隙に、順番待ちのお客さんがいらしたりして(汗)

 どんなに図書館で働いていても、日々ダイナミックに動く書架には、いつも発見と愉しさと好奇心を刺激するわくわく感がある。配架作業は、力仕事だし肉体労働ではあるけれど、ハマるくらい楽しい仕事。

 そんな魅力あふれる書架の間を縫いながら、ときたまお客さんにご希望の本の在処を訊かれながら、やっぱり図書館の仕事ができるのは、幸せだなあ~とつくづく思う。それも人間的にもお仕事的にも尊敬すべき人々と一緒に仕事ができるのは、二重の喜び。今日のように少し余裕があるときには、仕事での不安な箇所を確認するため、諸先輩方に質問したり仕事ぶりを見学させていただいたりして、勉強させていただきました。

 12月はあんなに何も見えていなかったのに、1月になって仕事をしているうちに、不思議なくらいどんどん視界が晴れていく。やっぱり、ばらばらでうろうろ覚えていたことが、少しずつつながって理解できてきたのだと思う。人間ってすごいな・・・と、ちょっと吃驚する。って、まだまだ、まだまだ未熟者なんだけれど。