紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

もしかして守銭奴?

2007-11-30 20:58:51 | お買いもの
 今日11月30日、朝日の朝刊の「経済」のページに思わず見入った。

 三面記事と家庭欄とテレビ欄は個人的なチェック必須項目だが、仕事以外でスメ[ツ欄と経済欄は、見出しすらスルーする。
 ところが今日は、経済欄のど真ん中、サブプライム住宅ローン問題や東洋ゴム片岡社長辞表表明の記事にはさまれた場所に、注目の記事があったのだ。見出しはこうである。

「うまい棒 風呂であったかい棒」「バンダイ、人気菓子模し入浴剤」
 


『うまい棒』は、ほとんどの小学生が遠足のおやつに金額合わせで購入するのに、大変重宝する10円の駄菓子である。懐かしのテレビ番組『ガッチリ買いまショー』にならって言うなら、「グリコ ワンタッチカレー」的商品である。

 菓子分類でいえば「麩菓子」というものだろうか。種類も豊富で30種もあり、選ぶ楽しさもひとしおだ。多様化する現代の子どもたちの味覚に答えようとすると、30種類も必要になる、ということなのかもしれない。

 そんなこともあり、子どもの認知度は抜群で、遠足以外のおやつとしても、なかなかの人気を誇っている。駄菓子屋の定番商品かつヒット商品といえるだろう。

 で、その認知度と人気に当て込んだ、バンダイの「うまい棒パッケージ入浴剤」企画であるが、これは「ふと、飛びついてしまう面白商品」以外に、企画の狙いを思いつかない。その「ふと、飛びついてしまう」にしても、「よく考えればたぶん買わない」というタイプの、いわゆる「魔が差す」感が漂う。

 まずもって「うまい棒」と「入浴剤」がミスマッチ加減を考慮したとしても、いい組合わせとは考えにくい。「めんたいこ味」とか「チーズ味」とか「タコヤキ味」とか「バーベキューソース味」として刷り込まれた「うまい棒」イメージは、たとえまったく別の香りを組み合わせることにしたって、ちぐはぐ感や裏切られた感は払拭できないだろう。

 しかも商品の写真を仔細に見れば、黄色△のなかに!マークが入った注意喚起記号と共に「入浴剤です。たべないでください」という一文がトップに入っているのだ。
 それだけではない。真ん中の「入浴剤」ロゴの下に小さく「たべないでください」、最下段の張り合わせてある箇所にも「たべないでください」と、総数3カ所も記載されているのだ。

 わざわざまぎらわしいものを作っておきながら、いっぱい注意を書くというのも、なんだかなぁ。

 この記事のラストに「夏にもアイスキャンディー『ガリガリ君』の入浴剤を投入、100万個を売った」とあるから、2匹目のドジョウを狙ったのかもしれないけれど、これはあまりに守銭奴な企画なのではあるまいか。

 ネットサーフィンをしてみても、やはり「いかがなものか?」という意見が多数をしめている。「うまい棒」にふさわしい商品を、もう一度検討した方がいいのでは? バンダイの企業イメージにも関わるので、ぜひ再検討をお願いしたいものである。あっと驚くひねりの利いた商品を、玩具の会社ならではの知恵で、ぜひとも開発していただきたい。 

語りの力

2007-11-29 23:16:21 | 学校
 もう10日ばかり前の話になるけれど、小学校の「よみきかせグループ」のメンバーが、少し離れた地域のベテランの「おはなし会」の方々に来ていただいて、小学生全学年にお話をしていただく、という催しをされたので、私も「よみきかせグループ」に所属していないにもかかわらず、お誘いくださり、ありがたく末席にて見学させていただいた。

 ほんとはオトナとしては、子どもに語って聞かせる時のテクニックを観察するとか、そういう風な見方もありだったんだろうけど、完全に物語の中に引きずり込まれてしまったのだ。はらはらしたり、笑ったり、どきどきしたり、あまりに食べ物描写がリアルで、よだれが出そうになったり。

 「食べられる」とか「食べる」とかの話が多くて、この手の話は「子どもには残酷では」という意見もありそうなのだけれど、やっぱり「食うか食われるか」ってインパクトのある基本的な話なんだなあ・・・と感心して聞き入ってしまった。久々に物語の洗礼を受けました、って風だった。

 1学年ひとクラスとはいえ、やはり年齢が違えば、物語も多少は変化するので、低学年、中学年、高学年と3ブロックが交替で聞きに来てくれた。

 高学年はやはりちょっとひねりがあるもの(『絵くんとことばくん』天野祐吉/大槻あかね)を選ばれていて、私も心中「へええ~、へええ~」としきりに感心して、次の展開を待つ。(紙芝居だったので) 最初は子どもたちには、ちょっと「おはなしを聞かせてもらう? そんな幼稚なこと!」っぽい空気もあったのだが、どんどんみんなが集中して空気が熱を帯びるのがわかる。

 低学年は、わからないところがあっても、圧唐ウれたりノリで盛り上がって行く。女の子同士で「こわぁい~♪」といいつつ抱き合ったり(でもニコニコ顔)、ほのぼのするようなかわいらしい様子で聞き入っている。(素話『うしかたとやまんば』のとき)

 しかしやっぱり一番ノリがいいのは、3、4年生。それも長新太さんのナンセンスな話を巻き絵にしてあるので、盛り上がることと言ったら!(『なにをたべたかわかる?』) 絵もとってもキュートだし。観ようによっては「残酷物語」も、ャbプでキュートなナンセンスとして消化される。

 特筆すべきは子どもたちが盛り上がって興奮しだしても、唇に指を当てるだけで波紋がひろがるように、徐々に静かになること。おもしろくて楽しいことの最中に叱られる程つまらないことはないですからね。その辺もよくわかっていらっしゃる「おはなし会」の方々に感心。つい、「静かに!!」って言ってしまいそうなんだけど。

ほかにもいくつかのお話をしていただいて、楽しい半日を過ごすことができた。

 私は生素話を初めて聞いたけれど、本当に「ぱあっ!」と景色が浮かんで、気温や風の感じや明暗や匂いや言葉には無い音までも感じるという経験をした。語りの力って、すごい!

 お昼ご飯を、ベテランお話会の方々とみんなで一緒に取ってお話ができたが、その中で、「この小学校の子どもたちは、お話を聞く受入態勢がちゃんとあるので、とってもやりやすかった」とおっしゃってくださったのが、なるほどだった。

 そうか、いくら語りが完璧でも、聞いてくれる耳や感受性がなければ届かないんだ。一方通行じゃ無い、双方向の交信が「おはなしをする」っていうことなんだな。納得。 

目が離せない。

2007-11-28 00:07:07 | テレビ
 ご心配をおかけしておりましたPCは、ディスクトップを取り替えることで解決しました。H氏、交換ありがとう。

 実はさっきあと1行を残すのみというところまで書いて、保存したつもりで、調べたいことが出て来て画面を変えてしまったら、なんということ(号泣)忽然と消え失せてしまっていたのでした。

 仕方が無いので、もう一回、『ちりとてちん』話題を書くことにする(しくしく)。

 今日は仕事の日だったので、朝と夜の2回しか観るチャンスがなかった。最近はわりあい流している感じでいけたのだが、今朝観たのがあまりに凝縮したドラマだったので、これはなんとしても、もう一度夜観んと!!と、のめり込んでしまった。

 しかも誰にも話しかけられて邪魔されたりしないよう、別室でひとり隠遁者のように15分間引きこもる。それほどに、もしかして「アホちゃう?」と思われかねないくらい集中して観たかったのだ。

 どうしてかというと、ドラマに占める科白の情報量が、半分くらいで、あとは役者さんの演技にかかっているのだ。彼女ら彼らの目力、体全体の気分、手足の動き、歩き方、表情に、重要なメッセージや決意や情感や思考や意志が表出されているからだ。
それらを見落とす訳にはいかない。

 それも画面にいるのが一人ないし二人なら、なんとかなるが、5、6人いると、もう2、3回観ないことには全ての人の表情が観られないのだ。でまた、2、3回観れば、そのつど新たな発見というものも出て来る。

 しかものちのちの伏線として貼られる事項がいくつもあり、かつて伏線として貼られたいたものが、何度もぽっこり浮かんで来たりするので、油断出来ない。

 さらにャXターやのぼりなどの小道具も要チェックだ。

 以前お笑いの興行で並ぶノボリに「そーめんず」とあったのはチェックできたが、それ以外に「遊び」があったのかどうかは一瞬のことでもあり発見出来なかった。むろん「そーめんず」は「らーめんず」のパクリである。

 焼き鯖を売る魚屋食堂の屋台には、提灯の代わりに、屋根からぶらぶらと和風の布で作られた鯖人形が下がっていたのが、やたら可愛かったのをチェックできたときには、大変うれしかった。

 また落語の師匠、草若さんのお家は大層興味深い。障子、調度、飾り物、本棚など、一瞬なのに興味は尽きない。古典体系全集らしき数冊があったりするので、「勉強してはるんや、古文・・・」などと、どーでもいいところで感心している。

 しかし、一体脚本はどうなっているのか、というのが、私の目下の一番の疑問なのだ。びっしりとト書きが書いてあるのか、役者さんにお任せなのか。
 
 科白は少ないとはいえ、役者さんに三味線の特訓をさせたり、円周率を百桁云わせたり(憶えさせたり)、妄想シーンや落語の場面でいろんな扮装をさせたりと、大胆な脚本家のヒトだなあ。まさかヒロインが草履とチョンマゲで(!。!)大阪の街を彷徨うシーンのあるドラマが出現するとは。瞠目すべき憧れの脚本家さんである。
 おそるべし、藤本有紀さん。尊敬☆
 

ちりとて効果

2007-11-27 17:25:17 | おでかけ
 終わったはずの長浜話題だが、云い忘れたことがあったので、あと少しだけ。

 長浜は、滋賀県だけど北陸っぽい、というのは、先日書いた。JRの長浜駅も北陸線だし、福井県の敦賀市までは、ほんの一足である。青春18キップで琵琶湖一周を何度かしたが、そのぐるりの駅の一つが敦賀だったくらい、福井は湖北に密着している。

 だから我家の「福井のお土産」の定番「小牧のかまぼこ」は、敦賀に立ち寄るたび購入していたが、いつ頃からか、長浜で「小牧のかまぼこ」が購入出来るようになった。支店ができていたのである。

 観光客が繰り出す長浜市は、福井の物産店を出店するにはうってつけなのだ、きっと。

 10月よりNHKの連続テレビ小説『ちりとてちん』がスタートし、そこそこ人気を誇っている(らしい)。私も何度もアツく語らせてもらった。

 『ちりとてちん』は福井と大阪がメインの舞台となり、しかも、主人公のお父さんは「若狭塗り箸職人」である。主人公の親友、順ちゃんのお家は、串刺しの焼き鯖を売っている食堂である(すてきな屋台もある)。当然、これらにはかなりの興味がもたれると思われる。

 私は先週、長浜の観光商店街で「名物若狭箸」を売っているのを見た。「塗り箸」でないところが、薄利多売なせこい観光商売なのであるが、これは絶対「ちりとて効果」を狙ったものだ。「ちりとて」ファン心理を突いたかにみえる、一見巧妙な作戦である。

 しかし真性「ちりとて」ファンなら、絶対「塗り箸」でなければならない。職人の手技を誇る贅沢な漆塗り箸でなければ、ホンモノの「ちりとて」ファンとはいえないだろう。

 ところがどっこい。そんな小手先でなく、正々堂々、「ちりとて」ファンと真正面から勝負する物件を目撃した。しかも午後3時頃にして、残り僅か一つ、という売れ行きである。「ちりとて」効果がなければ、本場若狭でも購入を躊躇するような物件であるのに、である。

 それは太い串に刺した、一匹まるまるの焼き鯖。まさに魚屋食堂で販売している、あの焼き鯖である。あんなにデカイ食べ物は、嵩張るし、食べきれなければ邪魔になってしょうがない。観光途中だというのに、何を血迷ったか箒を買うようなもんかもしれない。何と大胆な。よくも売ったり、よくも買ったり。双方に拍手である。 

この記事を書いた3日後に長浜地元の方よりコメントが入り、焼き鯖は長浜の郷土料理でもあることをご指摘していただいた。「焼き鯖そうめん」をつくる食材でもあり、娘の嫁ぎ先に五月に焼き鯖を持って行く風習もあるそうである。
 同じ滋賀県とはいえ、湖北/長浜は北陸文化圏なので、むしろ福井と似ていても可笑しくはない。

 伊吹さま、貴重なご指摘と詳細な情報、ありがとうございました。


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★最近どうもPCの調子がいまひとつで、もしかするといきなり故障!ということもありえそうな状態です。今後もしもブログのアップがなければ、たぶんそういうことですので、単に物理的に更新不能になっていると、ご理解ください。

長浜半日旅 その4

2007-11-26 16:28:23 | おでかけ
 安藤家を後にして、雑踏の北国街道を歩く。観光のメインストリートである。

 実は安藤家に行く前に、駅前のちょっと面白そうな荒物屋さんに立寄り、憧れの棕櫚箒(しゅろほうき)、1800円也を購入。おりしも商店街は恵比寿講で大安売り中だったりしたのだ。毛の部分はビニール袋で包んでもらったが、長い柄で「ほうき」だということは、丸わかり。私が持つと魔女と間違われそうなので、親切なH氏が持ってくれることになる。安藤家では、入口で預かってもらえたので大助かりだったが、やはり携帯するには面唐ネものである。(買うなよ、そんなめんどくさいもん)

 雑踏が徐々に途切れ、観光客の足も来ないような辺境!?まで来ると、すっかり雪山の伊吹山が目前に聳え立つ様が、ものすごくカッコいい。そのかっこいい伊吹山に向かって、あれだけ並んでいた商店も途切れ一般のお家が森閑と並んでいる。その向こうの川の渕に、一軒のちいさなお豆腐屋さんが見えた。(かっこいい伊吹山。↓ 残念ながらお豆腐屋さんは写っていません)

 これは、どきどきするような邂逅の予感がする! ぜーーーったい、行かんと! H氏を見れば、彼も同意見だった。こういうところでは妙に気が合うのだ。ヘンな夫婦ものを呼ぶ、ぽつんと佇むお豆腐屋さんには、オジさんがひとりで豆腐やおあげなどの後ろで黙然と客を待ち、なぜか最前列には柚子が並べてあった。その黄色い柑橘の丸さが、素朴で温かい。

 お豆腐とおあげと厚揚げを購入。家に帰って湯豆腐にすると、外はしっかりなのに、切ると中が柔らかくて、しどけなくふんにゃりする。お豆腐にうるさい(お豆腐だけではないが)H氏も、絶讃。

 商店街から離れてぽつんとある小さなお豆腐屋さんは、なにげないオジさんの無骨なお店だけど、並んだ柚子のあたたかい色合いによって、安房直子さんやあまんきみこさんテイストが感じられる、ちょっとメルヘンな匂いのするお店なのだった。お店は・・・ええと「勢州屋/辻岡豆腐店」さんです。

 他にも「傘屋」さん、「昭和レトロショップ!?」あり、





年代物の木彫りのカッパが思いっきり目を引く薬屋さん、渋い看板の糸屋さんあり、



太閤さんゆかりの瓢箪をモチーフにしたマンホールあり、素敵な磨りガラスのお家がある。
 これほど町歩きに適した、発見に次ぐ発見がある、わくわくどきどきな街はちょっと他にみあたらないかもしれない。
 これでやっと、長かった半日旅日記はピリオドとなります。半日行っただけなのに4日間もネタにできる街でもあったのです。読んでくださった皆様、ながらくのお付き合い、ありがとうございました。