紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

林立する飛び出し坊や

2008-12-27 23:26:35 | 路上観察
 先日、実家よりの帰りに、落ち着いた田園風景と昔ながらの村落風景が見たくて、『今昔物語』で鬼女が出るという橋を渡って右に折れた。

 静かであまり車も通らない道を、のどかに走る。集落に入って私がみたもの。それは風景以上にのどかで素朴で手作り感に溢れる『飛び出し坊や」だった! あまりに私好みだったので、写真で一体採取する。

 どんどん細くなる道の湾曲する部分にさしかかると。ものすごく短い間隔で3体ほど、「坊や」がダッシュしている。なんだか恐ろしくいい絵だった。いつか彼らも採取してみたい。
みうらじゅんが泣いて喜びそうなユルさである。

 今日、多少雪が積もっていたけれど、普通に運動靴を履いて家の前のバス停から通勤に出発。近江八幡を経由して八日市駅に着いて、途方に暮れる。雪国だったのだ! 屋根を見れば50センチは積もっている!駅から駅前大通りに向かう人達に着いて行き、靴で固められた雪の道を、つるつるすべりながら歩く。

 やっとのことで職場にたどり着いたら! どっかんと雪が積もっているだけでなく、雪の重みで大木の枝が折れ、危険につき立入り禁止状態。午前中は交代で雪かきをするのが仕事でございました。


プリーズ。ミスター・ポストマン

2008-11-28 00:26:17 | 路上観察

 昨日、仕事の帰りにH氏と近江八幡駅で待ち合わせをしたので、駅の改札を抜け、駅舎の外へ出る階段を下り切ってみると。

 もうすっかり暗くなった階段の下に、易者のように臨時出店の台を置いて、冷たい風の吹きすさぶ中、しょんぼりとハガキの枚数を数えている中年男性の郵便局員を見てしまった。

 店を出す準備をしている段階で、彼から売上については早くも諦めムードが漂っている。こげパンのように「どーせ」とやさぐれる訳でなく、己の非力さを必要以上に、むしろ自信を持って確信している男。すべての努力は徒労に終わり、手ひどい惨敗を喫する事を、何の疑いも無く信じている男。

 彼を垣間みて、白黒時代の実写着ぐるみドラマ『怪獣ブースカ』が王冠を無くして元気がなくなったとき呟く「しおしおのパー」という言葉を久々に思い出した。あるいは『クマのプーさん』に出て来る悲観的なキャラクター、ロバのイーヨーがしょんぼりとつぶやく「あわれなり」という科白を思い出した。それほどにあわれを誘う風情の男性郵便局員だったのだ。

 まるで「全部売ってしまうまで、戻って来るんじゃ無いよ! 売れ残って戻って来たりしたら、家に入れてやらないからね!」と邪見にされたマッチ売りの少女の男性版を見る思いだった。
「年賀状、全部売るまで、郵便局には戻って来るなよ! この売上でボーナスの額が査定されるんやからな」とでもいわれたかのごとくなションボリ具合なのである。

 それで、一度は通り過ぎ、目の前のスーパーに立ち寄って晩ご飯のおかずを買わなくちゃ、と急ぎ足で歩いたのだが、財布を覗くと、珍しく福沢さんが微笑んでらした。野口さんもバレーボールが充分できるくらいいらっしゃった。

 どうせどこかで買う年賀状である。「あわれの田中」(『ちりとてちん』で喜代美とあわれ合戦をして負けた腕利きの取り立て屋)に決して引けをとらないこの郵便局員に、ささやかながら希望の光を差し上げたい。

 ということで、結構な枚数の年賀状を調達した。件の郵便局員は、少し輝き出した顔を深々と下げて、心なしか最初より元気になった声で「ありがとうございました!」と礼を言ってくれた。後続で売れて、ハッピーエンドになってくれればいいんだけどな。 


ABC菓子店

2008-07-10 23:44:29 | 路上観察
 土日バイトの同僚になる、しかも同じ電車通勤の女子大生の方と先日話をしたら、私の通勤ルートである商店街は、あまりに人通りが少ないので、浮ュて歩けないとおっしゃっていた。大通りルートで通勤されているのだ。
 夜は一人で歩くのは、私もちょっと躊躇するが、日中なら人気(ひとけ)が無くても大丈夫、かも。

 通勤途中のアーケードのある商店街の入口付近に、『お菓子のABC』というお店がある。開店時間には通ることが無いので、どのようなお菓子を販売しているのか不明だが、袋菓子などの駄菓子のような気もする。いやにあっさりした造りのお店である。これはこれで、心惹かれるものがある。


 ところで「ABC」に意味があることを、手描きの張り紙によって知る。『ABC食堂』との関連は、現在の所、不明。


 豊富な品揃えの美しいキャンディ(おかし?)。CはCandy? ということは、大阪のおばちゃんが常時鞄に入れていると言う「あめちゃん」もある、ということか?




ABC食堂

2008-07-01 23:41:53 | 路上観察
八日市駅から職場までは朝は時間に余裕があるので、ときおり道を変えてのんびり通勤する。徒歩10分強くらい。自転車がやっとくらいの路地裏がいくらもあり、「今日はこっちの筋をはいってみよう」「今日は線路伝いに歩いてみよう」とわくわくどきどき。

 京都木屋町のようなちいさなバーやスナックが並ぶ小径には、日給3万円で女性を募集しているお店とかもあり、攫(さら)われやしないかとどきどきしながら前を通り過ぎた。(んな訳ないのに、しかも自分の年齢を自覚していない!) まったく朝からどこを歩いているのやら。

 アーケードのある商店街は、雨の日には本当に便利だった。しかし古いので、雨漏りしているところも・・・。ついでにいえば、それぞれの店主の平均年齢は、ざっとみたところ70歳くらい?

 神社や祠やお地蔵さんがやたら多いところでもある。しかも、ものすごく丁寧に祀られているのだ。これについては、いずれまた画像が集まったら見ていただく予定。ついでにいえば、和風文具店や結納用品のお店も数件見かける。それから驚くべきことに、駅前というのに、コンビニを見かけない。これだけでもただならない町だといえよう。

 今日は神社の裏手を回り、アーケードを一筋はずれた場所を歩いてみた。大通りに出る直前に、すてきな洋食屋さんを発見! ツタの絡まる瀟酒な建物はたまに見かけるけれど、一面に綿のような花が咲いた蔓草は、子どもの頃みた「からすうり」にそっくりだった。ということは、秋にはなんとも素敵なことになるかも。食堂の名前は『ABC食堂』。『かもめ食堂』にも負けない感じである。一度トライしてみなくては。
(画像をクリックすると拡大出来ます)