こぐまのらくがきファイル

日々の出来事、思ったことをつづります。

こどもの本選び

2014-01-11 23:36:33 | 子どものこと

ここ数年、子どもの本選びについて少し悩みごとがあった。


息子が赤ちゃんの頃から、よい絵本を見せたくて慎重に選んでいた。

私自身が小さい頃に読んでよかったと思える本、大人になってから評判を聞いて買った本。
読み聞かせに面白そうな本。
子どもの月齢に合った本。

定期購読などで毎月書店に取りに行ったり それなりにこだわっていたつもりだったが、いつしかそういうことはしなくなってしまった。

それは息子の恐竜ブームが到来した頃からだと思う。

息子が手に取るのは全て恐竜シリーズの絵本。本屋さんでも図書館でも必ず恐竜の本がある棚に直行。

本人が勝手に見つけて好きになったので、好きにさせておけばよいのだが、以前のように色々な絵本を読まなくなってしまったのはずっと気がかりだった。

そうこうしているうちに、もう小学生。
もっと幼いうちに見せたかった絵本が実はたくさんあったことに気づく。

けれど 病院の待合室の本棚など、恐竜の本がなければ違うジャンルの本を選んで気ままに読んでいる。息子は基本的には本が好きなのだ。

保育園に通っていた頃に比べると、学校の図書室は教室から離れているので、何気なく読む機会は減っているかもしれない。

そんなこともあり、最近また絵本と児童書の専門店のブッククラブを利用している。

現在利用しているのは、某書店のオーナー自身が吟味し、面白いと感じた作品を選んで毎月送ってくれるというもの。
子どもの好みも伝え、自宅にある本のリストも事前に送っておくというシステム。
気に入っている書店のオーナーなので、私自身も毎月楽しみなのだ。


・・・が、しかし。
それでもなんだか、まだ物足りない自分がいた・・・。

そしてこの年末、実家に帰省した時のこと。

毎度 姉の家にも泊まりに行くのだが、姉のリビングには、まだ新しい子ども向けの本が何冊か置いてあった。
そして息子は気が向くと手にとっていた。

姉は、
「Mくん(息子)が読むかなぁと思って買ったものだから、気に入ったら持って帰っていいよ」

と言った。

夜、私と姉は、お酒を飲みながら上記のブッククラブの事や本選びについて話していた。
子どもが幼児でなくなり、親が本を選んだり勧める難しさを感じていることなど…。

そして姉の言葉。

「自分(私)が好きな本を借りたり買ったらいいんじゃないの?
今日ここにある本も、Mくんにいいと思って買ったけど、基本的には私が読みたいと思った本ばかりだよ。
だから持って帰らなくて残っても困らないし。」

そこで姉は子どもの頃に、父の本棚からなんとなく手にとって読んだ本について話し始めた。

最初は 父が買った本、と思って読み始めたが、気に入れば同じ作者の本を本屋で探したりしたと。
だから、親が選んだ本を子どもが読むかはわからないけど、近くに置いておけばよいのではないのかと。

「家の蔵書はすごく大事だよ」

そうか・・・!

私は目からうろこが落ちたというか、子どもの本選びから解放されたような気がした。

今まで図書館で、息子に読んで欲しいなぁと思って借りてみたものの、全く読まずに返却期限が来て残念な気持ちになっていたけど、読まなかったらそれでいいのである。
買った本だってそうであって、そばに置いておけばいつか読むかもしれない。

いつか手にとるかもしれないのなら、いいと思える本を家に揃えておけばよいのだ。

そうなれば自然と大人の自分も 好きな本が並ぶことになる。

「うちの蔵書」 なのである。

読むかどうかもわからない本を図書館から借りるのは申し訳ない気もするが、読むかもしれない本を借りてもよいと思う。
さぁ、どれを借りよう?も楽しいが、なんとなく借りた本が家にあって 手に取ってみたらよかったってのもありだと。

病院の待合室でたまたま手にした本のように。

それが家族の本棚から・・・なんて、なかなか素敵かも…と思った。



本が増えると収納が…と悩んでいたが、我が家の本棚が充実する楽しみに変わった。