ようやく、この家に来て日本画を描き始めました。
引っ越し後の落ち着かなさの余韻を残しつつ年が明け、絵を描く空間は確保してあったものの、日本画の道具を広げたのはつい最近です。
以前の住まいとたいして変わらない空間ですが、光の具合で作品の色が違って見えます。
夏から描いていた日本画講座の仕上げがまだで少々焦りぎみの今日この頃。
今回は何十年ぶりに描いた日本画に額もつけて飾らねばなりません。
どんな額にしようか?
それよりこの作品仕上がるのか?
なんてことを考えながら時々庭に出て息子の作った苔玉を眺めたり …
部屋に戻れば画材が散らかっています。
日本画の画材を見ていると不思議な気持ちになります。遠い記憶の学校のアトリエが目に浮かびます。
しかし、年季の入った(数十年眠っていたけれど)筆や膠鍋は古ぼけて佇んでいますが、岩絵の具は時を経ているようには見えず今も鮮やかな色のままです。
顔料を接着する膠(にかわ)は、
粒状のものから硬い棒状まで色々あって 鍋で煮るのですが、特に棒状の三千本膠は今は貴重なものらしいです。
数年前には生産者も居なくなり、購入することができなくなりました。
つい最近、また作られ始めたという噂も聞いたような…。
どちらにしても、学生時代のように気楽に使うものではなくなっているようです。
そんな三千本膠、画材の箱の中から最後の1本が出てきました。
やはり数十年前に購入したもの。
岩絵の具に関しては、卒業制作の頃に買いだめしたせいか新たに買わなくてもいいくらい残っていました。
ひとつひとつの色は非常に高価で、水彩絵の具の方が実は安価なことに気づきます。
そんなこんなで画材を前に今年もしっかり絵を描かねば!と気合いを入れるのでした。
私にとって、日本画は背筋を伸ばさせられる画材なのです。
写真は顔料の岩絵の具と、三千本膠、キューブ型のは鹿膠です。
写っていませんが、普段使いの膠は粒状で ふやかして使っています。
まだ仕上がっていない作品ですが、
今月下旬から市民ギャラリー通路スペースに展示の予定です。
日本画講座展
安城市埋蔵文化財センター・市民ギャラリー
館内通路壁面
2015年 1月25~2月28日