今年度の新人研修が始まりました。
初日は、強風の中、横浜まで。
さて、例年、日本生産性本部が発表している今年の新人の特徴ですが「ETC型」とのこと。
平成22年度・新入社員のタイプは「ETC型」
どうやら、効率の優先によって徴収員との会話が無くなってしまったETCに例えられているんですね。そして、ITを駆使して情報収集の力に長けておりスマートである新人の皆さんを表現されているようです。
うまく例えられるものですね・・・さすがです。
直前まで心のバーが開かないので、性急に関係構築を急いではいけないとのことで、迎え入れる側としては「スピードの出し過ぎには要注意」とのこと。
これは、大きな傾向として理解しておく必要はあるのだと思うのですが、企業側としては1日でも早く戦力になってほしいと思うもの。
ご依頼いただく企業の人事ご担当者様のご要望も様々です。
「最初から、ガンガン飛ばして下さい」「終始、温かく親しみやすくお願いします」「とにかく勇気づけて下さい」・・・
基本的にカメレオン的性質の私は、イメージに従って自分を変えていくことはできなくはないのですが、「厳しく」というご依頼の企業様とはあまりご縁がありません。
私は、新人研修の時期は、いつもの研修と異なったインストラクションを意識しています。
それは、いつも以上に「わかりやすく教えることにこだわる」ということです。
まず、新人の時期は、「インプット」することがたくさんあるので、なるべく短い言葉で、本質・意味・根拠を骨太にインストールする必要があると考えています。
饒舌にならないようにインパクト勝負です。
昨年の研修で、アシスタントに入って下さった方が、「はるさんの研修には、短くて、刺さる言葉が多い」とフィードバックしてくださいましたが、もしかしたら、それは私の特徴かもしれません。
今年もこのテイストは変わりません。
そして、「厳しさ」も「優しさ」も意識しません。
「厳しさ」や「優しさ」で意図的に相手の心理操作をしません。
ただ、集中力を高めて、理解しなければならないことを理解できるように、できるようにならなければならないことをできるように、勇気をもって自らが自分の行動を社会人仕様に変えていけるように支援するだけです。
社会への発言力の高い私ども年長者は、若手のことを年長者独自の視点で表現します。
中でも、若者のコミュニケーション能力を過小評価する年長者は多く、私はいつも違和感を感じています。
もし仮に、若手のメッセージの受発信能力が弱いとしましょう。
そうであったとしても、年長者である私たちは、彼らとのわかちあいを成立させる共同体です。
私たち自身の受発信能力で補うこともできますし、わかちあいがうまくいかないことが仕事上、障害になるのであれば、どこをどう変えて欲しいか、具体的に教えていくのも、年長者の役割だと思っています。
それをしないのは、年長者の怠慢であり、自らのコミュニケーション能力への慢心ではないかと思えて仕方がないんです。
そして、若手にとってコミュニケーション能力は、ベースになる大事な能力でありますが、それがその人の全てではありません。
実際に、例年、研修でうかがう企業の新人は優秀だと感じることが多いです。
コミュニケーション能力は、その他の素晴らしい能力を活かすためのオペーレーションシステム(OS)の「大きな一部分」であると思います。
長年慣れ親しんだコミュニケーションスタイルやパターンを変えるには訓練が必要です。しかしながら、その為の「考え方」と「具体的行動」は常に変えることができます。
われわれ年長者に比べれば、それが柔軟にできるのは「若手の強み」です。
4月は、たくさんの新人の方と出会う季節です。
社会人としてのコミュニティの中で、新人の皆さんが快走できるように、迎え入れ、「考え方」と「行動」を教えながら、入口側から背中を押していく、そんな自分でありたいと思っています。
引き続きワクワク中です。
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