高尾山“2号路”から“琵琶滝”に出て“6号路”を下っているところで見つけた「シラネセンキュウ(白根川きゅう※)」。セリ科シシウド属の多年草で、山地のやや湿ったところに生育する。草丈は1.5メートルほどになり茎は枝分かれして、その先端に複散形花序を付ける。シシウドに良く似ているが、シシウドほど大きくならず、3~4回3出羽状複葉を多く付け葉の鋸歯が鋭い。その名前は日光白根山で多く見られ、姿が中国原産の薬草のセンキュウに似ていることに由来する。
※“きゅう”の漢字は草かんむりに弓。
高尾山“2号路”の岩の悪路を進みながらふと見上げると崖の上に赤い実がチラホラ見える。これはサクラソウ科(←ヤブコウジ科)ヤブコウジ属の「ヤブコウジ(藪柑子)」で花期は7月頃。冬に直径6~7ミリの綺麗な果実を稔らせるので、センリョウやマンリョウとともに縁起物として植えられることが多く、「ジュウリョウ(十両)」の別名もある。落語の『寿限無』に出てくる目出度い名前の“やーぶらこうじのぶらこうじ~”は、このヤブコウジのことを指している。