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東山魁夷 緑響く — 御射鹿池には白馬はいません、よ。

2018-10-28 15:49:14 | 長野県


テレビCMで話題になった東山魁夷の絵画「緑響く」の舞台になった、茅野市にある御射鹿池 に行ってきました。







行ってきましたと言っても、9月のことなので、まだ暑さがかなり残っている頃です。
妹などは何回も訪れていたようで、「初めてえ〜⁉️」と驚かれてしまいました。
行ってみて、絵画に描かれているような神秘的な雰囲気は、今はもうあまり感じられないような雰囲気。
ちょっと前までは、この辺りには細い道が一本しかなかったようです。それがCMの影響もあって大勢の人がここを訪れるようになり、大渋滞と駐車場不足が起こってしまったようです。そこで茅野市は広い駐車場を作り歩道まで作ってしまいました。
このためここに行くのには便利になりましたが、山の静寂と神秘性が半減し、そこらへんの街中の公園にでもいるような雰囲気になってしまったのではないでしょうか。
道路のすぐそばが池っていうのはちょっと。。







ですが、湖水はとっても綺麗。
道路を見ないで池だけだと神秘性が感じられます。また、早朝に訪れると良いのかもしれません。




御射鹿池 は農業用のため池として昭和8年に整備されたのだそうです。東山魁夷が「緑響く」を描いたのは昭和47年。この頃はこの池って観光スポットとして注目されていたかしら❓

静かな池に鴨が数匹泳いでいる姿を一日中ボケ〜っと眺めていたい気がしますが、人が多いとそういう静寂な雰囲気も壊れてしまいそう。

観光バスの観光コースになっているようです。

また当然のごとく、白馬はいませんよ。

東山魁夷は八島ヶ原湿原を描いた「夕明り」にも白馬を登場させています。



東山作品の中で白馬が描かれているのは18作品あるということです。東山魁夷にとって白馬を作品に描くということは、自然に対して新しい境地を築く事に繋がるという事だそうです。

「一頭の白い馬が緑の樹々に覆われた山裾の池畔に現れ、画面を右から左へと歩いて消え去った―― そんな空想が私の心のなかに浮かびました。私はその時、なんとなくモーツアルトのピアノ協奏曲の第二楽章の旋律が響いているのを感じました。おだやかで、ひかえ目がちな主題がまず、ピアノの独奏で奏でられ、深い底から立ち昇る嘆きとも祈りとも感じられるオーケストラの調べが慰めるかのようにそれに答えます。白い馬はピアノの旋律で、木々の繁る背景はオーケストラです」(東山魁夷/『東山魁夷館所蔵作品集』信濃毎日新聞社刊)

このような情景を森の静寂な中で感じたかったのですが、観光地化してしまった今の
御射鹿池 では半分無理かも。





でも、八島ヶ原湿原ではシーズンを外せば山の静寂と神秘性を感じられると思います。御射鹿池は人がいない早朝がオススメと思います。

10月27日(土)のつぶやき

2018-10-28 05:54:10 | 海外ドラマ