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春天の法則7【結果】

2011-05-02 00:00:00 | 長距離血統の法則
永いこと競馬をやっているが、こんな春天は初めだ。確たる逃げ馬が存在しない長距離戦では、こうなるのか。先頭が道中で何度も入れ替わる、まさに出たり入ったりの今年の春天であった。
1、2着は訳の分からないペースでもピタリと折り合ったヒルノダムールとエイシンフラッシュ。そして、シンガリをトコトコ付いていっただけの古豪・トウカイトリックが、ヒルダムを凌ぐ35.1秒の脚を繰り出し、怒涛の追い込みで5着。また、地方のダートばかり走っていたマカニビスティーがヒルダムに次ぐ35.4の上がりで4着。マカニは17番人気で、トリックは18番人気である。結局、ペースに惑わされずに、道中ジッと我慢していた馬が偉いということだ。にしても、トウカイトリックは、長いところは走る。今後も無視はできない。
3着には、2周目坂の手前でハナを奪ったナムラクレセントが脚色衰えずゴール前まで粘った。この馬も長丁場は強い。
どうせなら、1番人気のトゥザグローリーは、スタートしてから直ぐに行きたがっていたのだから、途中でハナを奪うくらいなら最初から逃げればよかったのに。とはいうものの、これが1番人気への乗り替りのプレッシャーなのか。
■血統傾向更新■

マンハッタンカフェが2年連続で3着以内に入り、親子2代制覇を達成。これでCMではないが、親子三代制覇の夢が繋がる。

最後に、あまりにも珍しいレース内容だったので、今年の春天のラップと昨年のそれを紹介しておく。果たして、今年の春天とは一体何だったのか?ラップを見れば一目瞭然。VTRと合わせてご覧下さい。よ~く分かりますよ。

■10年・11年春天ラップ比較■
<前半5F:1F~5F>
10年:13.3-11.9-12.0-11.5-12.0/1.00.7
11年:13.2-11.7-12.9-13.0-13.4/1.04.2

競馬ブックの予想通り、ハナはゲシュタルト。
最初の2Fは昨年とほぼ一緒。というか、最初の5Fは、だいたい昨年のようなラップになる。が、問題は今年の3F~5F。
3F目でも0.9、4F目で1.5、5F目で1.4の差がついている。
これは、ハナを奪ったまではいいものの、距離が持たないことは重々に分かっているゲシュタルトの鞍上・藤岡佑介が抑えに抑えまくったせい。一昔前なら、距離が持たないのを承知の上でビュンビュン飛ばしまくった所謂「TV馬」がいたものだが、最近の若者は、というか馬主はそういった「個性」を恥ずかしいと思っているからに他ならない。抑えていっても、逃げても、どうせ脈なしなのだから、ペースメーカーに徹しよう、という考えなんかこれっぽちも思い浮かばないのだろう。
それはさておき、1000m通過は1.04.2と昨年より3.5秒も遅くなった。

<中盤6F:6F~11F>
10年:11.6-12.2-13.8-13.5-12.8-12.6/1.16.5
11年:12.5-12.9-12.6-13.3-12.6-12.0/1.16.5

中盤6Fは奇しくも、昨年と同じ通過タイム。だが、その中身が余りにも違いすぎる。
1000m過ぎた辺りで、もう辛抱たまらんといった感じでハナを奪いに行ったのが、コスモヘレノス。その結果、5F目13.4から6F目12.5秒と、一気に0.9秒もペースアップ。さあ、これで一先ず落ち着こうかと思った矢先に、「もう抑えきれない」と思ったか、ようやく腹を決めた四位がヘレノスに並びかけたのが、ちょうど1角の入り口で、先頭に立ったのはちょうど7F標識辺り。その勢いでコーナーを回ったため8Fが12.6となっている。例年なら、この8F目というのは息を入れ始めるところ(昨年は13.8)なのだが、ここまでに先頭が3頭も入れ替わったためペースが乱れ、今年は息の入りが1F遅れた。
で、2角を回り終わったところで、ようやく息を入れることができ9F通過が13.3秒。ちょうど坂の手前である。ここで息を入れるのは坂を登る準備でもあるのだ。というか、息を入れないと登れない。と、そこへ外から一気に先頭まで動いたのが、ナムラクレセント。通常、坂の下りを利用、つまり3角から仕掛けてくるのが京都のセオリーなのだが、いくら何でも仕掛けが早すぎる。こりゃあ、最後脚が上がるなと思いきや、最後まで粘るとはナムラクレセントは速い脚を長く使えることが分かった。それにつられて動いたのは、前走でナムラの脚をイヤという程思い知らされた松岡のマイネルキッツ。間髪入れずに追走。その結果、10F目から11F目にかけて一気に0.6秒も短縮された。京都の坂は二段階になっており、通常ならば昨年のようにそんなにペースアップはしないものなのだが。

<後半10F:12F~16F>
10年:12.5-11.8-11.3-11.4-11.5/58.5(上がり3F:34.2)
11年:12.2-11.7-11.4-12.1-12.5/59.9(上がり3F:36.0)

12F~14Fまでは、昨年と同じようなラップでこれもセオリー通りだったが、向う上面で仕掛けていった分、最後の2Fではさすがに脚色が鈍った。そこをジッと我慢のヒルダムとエイシンがズブズブと差し込んだ。
以上が、今年の春天の全貌である。

<勝ちタイム>
10年:3.15.7
11年:3.20.6

勝ちタイムは昨年より4.9秒も遅い。馬場状態の違いがあるにせよ、これは異常。
都合4頭の馬が先頭を奪い合ったため、ギクシャクした流れになってしまっては納得。マニュアル車でギアをローからトップ、トップからローを繰り返せば、ガックン、ガックンとなってしまい、スムーズには走れるわけがない。
馬券は取れなかったが、ある意味思い出に残る春天だったことは間違いない。

ただ、悲しいのはコスモメドウが予後不良になってしまったこと。個人的に長距離血統が好きなので、トウカイトリック以来の久々の長距離砲と期待していただけに、残念でならない。メジロ牧場の解散といい「ステイヤー」がますます少なくなっていくのは寂しい限り。しかも、メドウの父は、日本ではまだまだ浸透していないが、間違いなくこれからの主流になるであろうキングマンボ系キングズベスト。その後継者としても期待していたのだが。しかも、サドラーの肌という名血だけに、早世が惜しまれる。
ご冥福をお祈りします。合掌。








スイートピーの法則【結果】

2011-05-02 00:00:00 | 牝馬の法則
■血統傾向■
*2着までオークス優先出走権

ここも、青葉賞と同じように本番で優勝したのはカワカミプリンセスの1頭のみで、3着になったのはラブカーナのみと、不振傾向にある。

血統傾向的には、父SS系が【2-5-3】と、意外に勝ち切れない。勝てないといえばロベルト系も3着3回である。
母父SSは【2-0-2】で、そのうち2勝3着1回がフレンチデピュティ×SSである。渋いところでは2勝をあげているタイキシャトル。
あと、馬券に役に立つかどうかはわからないが、面白いのは、04年、05年でスペシャルウィーク×ウッドマン、09年、10年でシンボリクリスエス×サドラーズウェルズ系と、同じ血統構成の馬が2回も3着に入っていること。

■コース傾向■

SS系は当然として、キングマンボ系とグレイソブリン系の流れをマーク。

【結果】
■血統傾向更新■

ロブロイ産駒が2年連続2着に入り、父SS系が1~3着を独占。なんせ出走馬13頭中、父SS系は9頭もいたのだから確率的には多いに有り得ること。って、同じことを昨日の青葉賞でも書いた。やはり、クラシック戦線ではSS系の時代が続きそう。
また、SS系×ミスプロ系が1着、3着に入ったが、この組み合わせは出走馬中3頭しかいなかった。

上位2頭がオークスの優先出走権を奪取したわけだが、果たして本番では?
確かに1着のアカンサスの上がり3Fは、レースのそれ(34.4)を0.8秒上回る33.6であるが、前半10Fを61.6秒の超スローでは評価できない。ちなみに2着のシシリアンブリーズは、33.9秒で、34秒台を切ったのはこの2頭のみである。